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一般社団法人クラウド活用・地域ICT投資促進協議会(CLOUDIL)によるコラムです

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CLOUDILコラム: 2019年12月

意外と難しい「社内での情報共有」を、クラウドでどんどん進める

「隣の席にすぐ人がいるのに声をかけずメールで連絡する」「電話すれば声色から調子がわかるのにチャットで済まそうとする」──。数年前までは、そうしたITに頼ったコミュニケーションを批判する意見が目立ちました。ただ、最近は「言った言わないを防ぐためにもメールで文章にするほうがいい」「電話をして相手の時間を奪うよりいつでも連絡できるチャットのほうがいい」といった声のほうが大きいようです。

 このように、電話やメール、チャットといったツール1つとっても、社員同士、部署同士、同じ会社の中でも情報共有はなかなか簡単にはいかないものです。ただ、見方を変えれば、コミュニケーションのためのツールを変えることで、情報共有のあり方は大きく変わるとも言えます。

 近年、そうした期待のもとで導入が進められ、実際に成果を出しているのがクラウドサービスです。クラウドをうまく活用することで、社内に存在するさまざまな障壁を打ち破り、情報共有に対する考え方を変えることが期待できます。

 クラウドのメリットは、利用する場所や時間を問わないことです。メールを社内運用するのではなく、クラウドメールを利用するかたちにすれば、メールを確認するためにわざわざ会社に戻らなくて済みます。また、紙の書類や社内のファイルサーバをクラウドのファイル共有サービスに移行すれば、出張先でもファイルを確認できるようになります。

 ホワイトボードに手書きしていた予定をクラウドのスケジュールに移行すれば、同僚の予定をすぐに確認できますし、チャットを使って、外出している社員にかかってきた電話のことづてをメッセージで送ったりもできます。

 このように場所や時間を問わずに利用できることは、コミュニケーションのための時間と手間を大幅に削減し、業務の効率化につながるのです。

 クラウドのメリットはこのほかにもあります。総務省の「情報通信白書平成30年版」には、中小企業がクラウドサービスを利用することのメリットや利用の段階が説明されています。

 白書では、クラウド利用の段階は大きく「社内業務の効率化」「社内の見える化」「ビジネスモデルの変革」の3つに分けています。

 まず、社内業務の効率化では「労働参加やスキルアップの促進」「業務の省力化」を図っていきます。メールやチャット、スケジュールの利用はこの初期段階にあたるものと言えます。

 続く、社内の見える化では、さらに活用がさらに進んで「業務プロセスの効率化」や「既存製品・サービスの高付加価値化」を行うようになります。さらにビジネスモデルの変革では「新規製品・サービスの展開」を目指すことになります。

 では、社内の見える化やビジネスモデルの変革をうながすようなクラウドサービスにはどんなものがあるのでしょうか。白書では、社内の見える化について、次のように説明しています。

「クラウドサービスを導入することによって、紙や表計算ソフトで個人的に管理されていた情報がクラウド上に集まるようになり、情報を見える化できるようになる。この段階になれば、それまではわからなかった業務の無駄を発見してさらなる効率化を進めることができる。

 例えば、飲食店においては、予約状況と食材在庫状況が正確にわかれば無駄のない準備が可能になる。加えて、顧客情報や自社のリソースの稼働状況を活かしてより付加価値の高いサービスを提供できるようになる。

 観光業を例にすると、スタッフが把握した顧客の好みをクラウド上で共有することによって、顧客を先回りしたサービスを提供できるようになる」(情報通信白書平成30年版、第1部 第3節)

 これらは、広い意味での社内コミュニケーションの話です。つまり、営業支援や販売支援、顧客情報の管理などです。具体的にこうしたクラウドサービスは、営業支援サービス(SFA)、顧客管理サービス(CRM)、サービスクラウドなどとして提供されています。

 これらのクラウドサービスは、社員情報や顧客情報、取引先の情報、商品情報などを統合して「社内を見える化」を実現しつつ、さらに、既存のビジネスに付加価値をつけることで「ビジネスモデルの変革」につなげる基盤を作ることができます。

 クラウドサービスを利用するうえでは、スマホやタブレットを活用することもポイントです。スマホやタブレットは、時間や場所をとわずコミュニケーションを行い、さまざまな情報を可視化していくツールとなるものです。

 営業支援システムに情報を集約し、それらをダッシュボードとしてiPadなどに表示させ、活用している企業は少なくありません。現場で活用するだけでなく、経営層やマネージャーが経営状況を把握することも簡単にできるようになります。

 なお、クラウドサービスには、提供形態によって、サーバやストレージといったハードウェアを借りて利用するタイプのIaaSや、いくつかの機能をプラットフォーム化して提供するPaaS、アプリケーションだけを提供するSaaSなどがあります。クラウドサービスがはじめてという場合は、PCやスマホがあればすぐにはじめられるSaaSがよいでしょう。メールやスケジュール、ファイル共有サービスなどの社内コミュニケーションツールの導入からはじめ、営業支援や顧客管理などの、社内情報の見える化ツールへ進んでいきます。

 こうして情報共有のあり方を変革し、ゆくゆくは、クラウドを活用したビジネスモデルの変革にまでつなげていきたいところです。

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