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一般社団法人クラウド活用・地域ICT投資促進協議会(CLOUDIL)によるコラムです

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CLOUDILコラム: 2020年3月

新型コロナウイルス感染拡大で改めて判明した、ビジネスにおける「クラウドサービス」の重要性

 連日、テレビやラジオ、そしてインターネットなどで新型コロナウイルス関連の話題が取り上げられています。さらに、3月に入ってからは、東日本大震災の被害をもう一度振り返る番組も流されるようになりました。

 思えば、東日本大震災が発生してから昨年あたりまで、BCP(事業継続計画:Business Continuity Plan)とクラウドサービスの関連を考える場合、どうしても、地震や津波などの自然災害を想定した話になりがちでした。もちろん、こうした災害のリスクが消えたわけではありませんが、今では、どちらかというと、インフルエンザや新しい疫病の被害に対して、BCPをどのように確立していくかがリアリティを持って語られています。

 新型コロナウイルス被害の話題と東日本大震災の話題に、交互に触れることで気づくことがあります。疫病によるパンデミックが予想される事態では、自然災害などとは違ってオフィスが倒壊したりせず、健在で社員全員が無事で仕事ができる状態にあるのにもかかわらず、事業継続が困難になってしまう恐れがあるということです。場合によっては、交通機関が国内だけでも、広い範囲で使えなくなり、また、政府の要請で外出ができなくなることも考えられます。オフィスに出社して、いつもどおり顔を見合わせながら社内で会議をしたり、得意先に出向いて商談をするということが、オフィスも社員も稼働可能なのにできなくなってしまうのです。

 さらに気づくことは、今回の新型コロナウイルスの報道では「テレワーク」「リモートワーク」という言葉が頻繁に出てくることです。

 自然災害の時は、被災した地域が担っていたビジネス機能をどのように他の地域で補うかということが、BCPのテーマです。しかし、疫病による混乱は、地域を限定することなく、幅広い範囲で人やモノの動きを制限し、情報の伝達も不自由にしてしまいます。感染者や死者が全体としてそれほど多くなくても、さまざまな停滞が生まれます。そのような状況では、同じビルにオフィスを構える隣同士の会社でも、BCPの観点から差が出てくる可能性があります。

 その差は、端的に言えばクラウドサービスを活用して「テレワーク」「リモートワーク」ができる体制ができているか、ということでしょう。もう少し広くいえば、どんな状況でも円滑なコミュニケーションが可能な環境を維持できているか、ということです。

 今回、政府から全国の小・中学校と高校、特別支援学校に臨時休校を要請する措置が取られました。こうした事態が発生することで、多くの人が、「テレワーク」「リモートワーク」の重要性を認識しているはずです。育ち盛りの子供を持つ女性にとってみれば、「在宅勤務をしたい」「夫の会社にもテレワークを導入しておいてほしい」などと考えるはずです。夫婦で交互に家にいる子供の面倒を見て、危機を乗り越えるしか方法はありません。

 もちろん、現場での手作業が中心の仕事など「テレワーク」には向かないものもあるでしょう。しかし、それを踏まえても「仕事は会社に行かないとできない」という会社は見向きもされなくなるでしょう。新卒の大学生や転職を考える社会人においても、「テレワーク」「リモートワーク」が日常的に行われ、制度としてしっかり運用されていることが、働くうえでの最低条件に挙げられるようになるはずです。

 確かに、「テレワーク」「リモートワーク」を可能にするには、それなりの投資は必要です。クラウドサービスを利用すると月額料金などもかかるでしょう。しかし多くの場合、会社がひっくり返るような額ではないはずです。

 今回の感染拡大は、建物が倒壊し道路が寸断してしまい社会インフラが崩壊してしまうような危機ではありませんが、社会の機能がマヒ状態に陥ってしまう危機がいつ起きても不思議ではない、という事実を皆が強く意識しました。おそらく、今回のことで「テレワーク」「リモートワーク」の導入にいつも反対してきた人も、賛成せざるを得なくなるのではないでしょうか。

 そしてこのような働き方が可能になることで、さまざまなクラウドサービスが次々と利用されるようになる可能性が高くなります。東日本大震災直後のBCP対策への取り組みからも、多くのクラウドソリューションがユーザー企業に導入されていきました。今回の新型コロナウイルスはまだ収束しておらず、推移を見守り、落ち着いて感染拡大を防ぐ努力をしていく必要はあります。同時に、このような事態に競合他社にアドバンテージを渡すようなことはないよう、クラウドの賢い活用を目指すべきでしょう。

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