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一般社団法人クラウド活用・地域ICT投資促進協議会(CLOUDIL)によるコラムです

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CLOUDILコラム: 2020年5月

テレワークを定着させるための仕組みづくりとは

新型コロナウイルス対策として、多くの企業がテレワーク環境を早急に整備したことでしょう。情報システム部門をもつ大企業であれば、コロナ収束後の継続利用を見据えたうえでサービスを精査し、テレワークを整備できたかもしれません。しかし、中小企業の場合は “事業継続”に目がいきがちで、明確な将来像を描かないまま最低限必要なツールを導入するだけに留まっているケースも見受けられます。

こういった応急処置的なテレワークでは、機能不足を理由にまったく活用されなくなる、生産性を落としてしまうという問題が発生しがちです。では、パフォーマンスを維持したままテレワークを定着させるには、どのようなことに取り組めばよいのでしょうか。1つはテレワーク時に発生した課題を補完する目的での「ITシステムの導入」、もう1つは「運用ルールづくり」です。

●ITシステムの3つの課題

ITシステムの導入については、テレワークを実際に活用した結果、「固定電話」「決裁処理」「労務管理」の課題が顕在化してはいないでしょうか。

1つめの固定電話課題を解決せずテレワークを導入してしまうと、電話番をするためだけに社員のだれかが出社するという事態に陥ります。その対策として転送電話サービスを利用する企業もありますが、それでは転送先の電話を受ける社員の負担が増すだけですし、携帯電話では同時に1コールしか着信できないので、業務スピードが低下してしまいます。

この課題には「クラウド電話」が有効です。クラウド電話とはクラウド上にあるPBX(構内交換機)を通じて通話を行うシステムです。インターネット経由でスマートフォンなどに接続できるため、会社や事業部門の代表番号での発着信が可能になります。加えて、固定電話の削減だけでなく、多様な働き方を支援する手段としても活用できるため、コロナ収束後も活躍するサービスといえるでしょう。

2つめの決裁処理については、処理プロセスが紙運用のままだと、テレワーク中はもちろん、出張等にも対応できなくなり、業務が滞ってしまう可能性が出てきます。現在ではテレワーク中にもかかわらず、紙の書類に押印し次の承認者・決裁者に回付するためだけに出社しているケースも散見されます。

この課題に対しては「ワークフローシステム」が効果的です。これによって、電子化された申請書等をあらかじめ設定した決裁ルートに沿って回付できるようになり、決裁スピードが向上します。スマートフォンなどから決裁処理を行えるようになるため、時間と場所を問わない決裁業務の遂行が可能になり、ペーパーレス化の推進も実現します。

3つめの労務管理では、社員がテレワーク中に何をやっているのかわからない、といったことのないよう現状把握を徹底する必要があります。組織としては、社員同士の意思疎通を通常勤務の状態にできるだけ近づけることで、コミュニケーションを活性化させ、顧客サービスのレベルを低下させないようにしたいのですが、現実はそうした目的とは逆行するケースも少なくありません。

この課題に有用なのは、テレワーク環境を「モニタリング」できるクラウドサービスです。たとえ労務管理をメインにしたソリューションでなくとも、「PCのログ管理」「エンドポイント管理」といった種類のサービスでも十分に機能します。

これによってPCの操作ログなどから把握できるようになり、非効率な労働実態を素早く見つけ出すことが可能になります。こういったツールには、PCログと別システムで入力された勤怠データを自動的に突き合わせしたり、深夜まで業務システムにログインしているとアラートで管理者に警告したりする機能があるため、併せて活用するのが得策です。

ITシステムに関する課題解決への道筋が見えてきたら、次は運用ルールづくりに取りかかりましょう。

例えば、「スケジュール機能やWeb会議ツールを使って業務状況を共有する」「テレワークを行う場所は在宅に限る」「始業・終業時刻を定める、もしくはフレックスタイム制を適用する」など、企業文化や業務内容に合わせてルールを設定するのが肝要です。また、客観性の担保と正確な事実確認のために、会話内容の記録をデフォルトにし、しっかりとログをとったうえで、どんな理由でミーティングが行われているのかを確認するのも大事です。

これらの仕組みを上手に運用しレベルアップしていくには、運用側のパワーが必要になります。導入を担当するIT部門は、検討段階からユーザー部門のさまざまな階層の人たちを巻き込んでいくことが必須です。さらにトップダウンで積極的にテレワークシステムについて啓蒙活動を行うことが、システム導入を「組織の力」に昇華していくうえで重要です。

これらを恒常化させることがテレワーク定着の後押しとなり、業務効率化や多様な働き方の実現だけでなく、企業文化の変革にもつながるでしょう。

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