メニュー

コラム

一般社団法人クラウド活用・地域ICT投資促進協議会(CLOUDIL)によるコラムです

TOP>コラム一覧>宿泊業・レジャー関連業界の新しい業態・サービスの素早い立ち上げに寄与するクラウドサービス

CLOUDILコラム: 2020年7月

宿泊業・レジャー関連業界の新しい業態・サービスの素早い立ち上げに寄与するクラウドサービス

 新型コロナウイルス感染拡大によって、多くの業界が「ひん死の状態」に陥っています。2020年5月11日に公表した厚生労働省の第4回「新型コロナ対策のための全国調査」(※1)によると、「収入・雇用に不安を感じている」と回答した人が多い業界は、「タクシー」「理容・美容・エステ」「宿泊業・レジャー関連」でした。この3業界は、会社の規模にかかわらず危機感を抱いている人が多いようです。

主要業界の従業員規模別「収入・雇用に不安を感じている」人の割合
主要業界の従業員規模別「収入・雇用に不安を感じている」人の割合
※1 厚生労働省 5月11日公表
第1-4回「新型コロナ対策のための全国調査」からわかったことをお知らせします
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11244.html

 しかし、最大級のピンチの中でも再起を図るためにアイデアを練り、具体的な施策を始めている企業もあるようです。アイデアを早期に実行に移し、トライ&エラーを繰り返すことができる仕組みとして、クラウドサービスを利用するという動きは今後増えていくでしょう。そこで今回は、特に危機的状況にあると言われる宿泊業・レジャー関連業界にフォーカスしたいと思います。

●宿泊業・レジャー関連業界を取り巻く概況

 日本政府観光局の調査によると、2020年5月推計値での訪日外客数は前年同月比99.9%減の2000人となっています。つまり現在のところインバウンド需要はほぼなくなりました。一方、もともとインバウンド需要の3倍程度消費額の多い国内宿泊旅行ですが、これも各種意識調査などでは、「しばらくは控える」という回答が多数を占めています。
 しかし、「安心できる状況になれば旅行したい」と考えている人はかなりの割合でいるようです。そのため、外出を控える中でも旅行情報を閲覧するなど、情報収集に積極的な人は相当数いることも分かっています。

熊本県観光協会連絡会議 「新型コロナウイルス感染症収束後の旅行・観光に関する意識調査」調査報告書
熊本県観光協会連絡会議 「新型コロナウイルス感染症収束後の旅行・観光に関する意識調査」調査報告書
https://note.com/nieunsfs/n/n6da1d8746bc0

 またプラスの情報として、2020年7月22日より実施された政府主導の「Go To Travel キャンペーン」があります。このキャンペーンは、旅行代金の1/2相当額を支援する施策であり、支援額のうち(1)7割は旅行代金の割引に、(2)3割は旅行先で使える地域共通クーポンとして付与されます。新型コロナウイルス感染者が増加傾向にあるなか、賛否両論あるものの業界では需要喚起策として歓迎するものでしょう。

●ウィズコロナ時代に適応する新サービスとは

 依然として宿泊業・レジャー関連業界全体がピンチですが、新しい業態・サービスも登場しています。そのひとつが、ワーク(労働)とバケーション(休暇)を組み合わせた「ワーケーション」です。これは、観光地などで休暇を取りながらテレワークをするというものです。
 大型温泉施設を有する老舗旅館などでは、施設の一部を企業にまるごとワーケーション施設として貸し出し収益を得ているケースもあり、観光地でも仕事と休暇を組み合わせて需要を開拓しようとしています。もしワーケーションが一般化してくると、これまでの休暇のニーズだけでなく、さまざまな条件設定が発生し、それに対応してITサービスが自然に求められることになります。

●旅行需要回復後の世界を見据えた事前準備

 旅行需要が回復したときに備えて、観光地の施設側でもあらゆる準備を行う必要があります。
 例えば、海外からの多数の観光客が見込まれる2021年開催予定の東京オリンピック・パラリンピックに向けリアルタイム翻訳ツールなどを用いて言語対応をする、現金払いのみの店舗にQRコード対応のカードリーダーを導入する、公共Wi-Fi環境の整備など、さまざまな対策を講じる必要があります。これらの対応は東京オリンピック・パラリンピック後でも求められるものですので、早急な整備に越したことはありません。
 さらに、位置情報などのビッグデータを利用し時間帯別人口統計データを推計するツールもあるため、収集したデータを活用し商店街振興組合や地方自治体が連携して観光誘致のプロモーションを打ち出すことも今後求められることでしょう。

●相互利益を目指し、組織同士が連携して共通のプラットフォームを形成

 このように宿泊業・レジャー関連業界は苦しいながらも、さまざまな設備投資が求められていると言えます。
 例えば、通信環境を整備するうえでは、ネットワークの仮想化をはじめとしたクラウドサービスを多様に活用した環境にすべきでしょう。少なくともWi-Fiのみでは、ビジネスニーズに応えることはできませんし、昔からあるPBXをクラウド化するといった取り組みも必要となるはずです。
 CRMを利用する場合においても、クラウドサービスで利用できることが望ましいですが、管理する顧客情報はさまざまな形で増えていくことが予想されるため、柔軟かつ個人情報を適正に保護できるソリューションが求められます。
 宿泊業・レジャー関連業界は、小規模な家族経営会社の集合体であることが多いため、連合を組んで顧客開拓をしていく必要もあります。その場合、専用ホームページを含めた顧客を取り込む共通プラットフォームの構築が有効になるでしょう。
 このように、普段は競合する事業者同士が連携し、顧客を共通のプラットフォームで管理するなど、地域全体で需要を高めていくことがこの先求められるでしょう。

「 コラム 」一覧

pagetop