メニュー

【2022年版】「IT導入補助金」を一挙解説

 2022.05.18  CLOUDIL 【クラウディル】

2022年の1月19日に中小企業庁が、今年に募集を開始する「IT導入補助金」の概要を発表したことを受け、この補助金の利活用について現在検討を始めている経営者・担当者の方も多いのではないでしょうか。そこで本稿では、この制度の具体的な内容や適用条件、有効な活用方法などを紹介します。

IT導入補助金とは?

IT導入補助金とは、売り上げアップや業務効率化に向けたサポートを目的として、中小企業や小規模事業者が自社の課題やニーズに適したITツールを導入した際に、その費用の一部を補助する制度です。

インターネットが普及し、事業活動を取り巻く環境が激変しましたが、昨今は新型コロナウイルスによってさまざまな分野でオンラインとリアルのハイブリッド化が進みました。
目まぐるしく変わる社会情勢の中で、自社の経営課題の抽出や強み・弱みの分析などが難しくなってきていると感じている方も多いでしょう。そのような経営の課題を効率よく解決し事業をよりスピーディに成長させるためには、やはりITツールの活用が必要不可欠です。
そこで、中小企業や小規模事業者が、自社でツールを上手く活用して経営力を向上させることを目的としてIT導入補助金制度が発足しました。

人材難マーケットで勝ち抜く企業の黄金律
役割別Salesforce導入のメリット

IT導入補助金の対象者は?

IT導入補助金はすべての事業者に平等に機会があるわけではなく、一定の制限があります。以下に表にしてまとめましたので参考にしてください。業種や組織形態などによって細かく条件分けがされています。

中小企業

表①

業種 資本金 従業員数
資本の総額または
出資の総額
常勤の人数
製造業、建設業、運輸業 3億円 300人
卸売業 1億円 100人
サービス業
(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)
5,000万円 100人
小売業 5,000万円 50人
ゴム製品製造業
(自動車または航空機用タイヤおよびチューブ製造業
ならびに工業用ベルト製造業を除く)
3億円 900人
ソフトウェア業または情報処理サービス業 3億円 300人
旅館業 5,000万円 200人
上記以外のその他の業種 3億円 300人

上の表の業種に該当する場合は、「資本金もしくは従業員数のどちらか一方が、表に記載の数字以下の場合」に対象となります。そのほかの法人に対する適用条件は以下の表のとおりです。

表②

組織形態 資本金 従業員数
資本の総額または
出資の総額
常勤の人数
医療法人・社会福祉法人・学校法人 - 300人
商工会・都道府県商工会連合及び商工会議所 - 100人
中小企業支援法第2条第1項第4号に規定される中小企業団体 - 主たる業種に記載の
従業員規模
特別の法律によって設立された組合またはその連合会 - 主たる業種に記載の
従業員規模
財団法人(一般・公益)、社団法人(一般、公益) - 主たる業種に記載の
従業員規模
特定非営利活動法人 - 主たる業種に記載の
従業員規模

小規模事業者

表③

業種分類 従業員数
常勤の人数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) 5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 20人以下
製造業その他 20人以下

小規模事業者におけるIT導入補助金対象者は、上の表の条件を満たす事業者です。

中小企業が対応すべき「インボイス制度」とは?

IT導入補助金は、インボイス制度と密接な関係にあります。インボイス制度とは、正式には「適格請求書等保存方式」と呼ばれる制度で、指定の条件を満たした請求書や納品書(=適格請求書等)の交付や保存によって仕入税額控除の適用を受けられます。

2023年10月1日より開始される予定のインボイス制度は、軽減税率の導入により消費税が8%の製品と10%の製品が混在するようになったことに起因しています。具体的には、インボイス制度によってどの商品にいくらの税率が適用されているのかを明確にすることで、政府は適切な徴税を行うことが可能になり、企業や事業者はさまざまな取引によって発生する経理処理を適切に実施される状態を構築できると期待されています。なお、インボイスには次の項目を書類内に記載することとなっています。

①適格請求書発行事業者の氏名または名称および登録番号
②取引年月日
③取引内容(軽減対象税率の対象品目である旨)
④税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜または税込)および適用税率
⑤消費税額(このとき、端数処理は一請求書当たり税率ごとに1回ずつ)
⑥書類の交付を受ける事業者の氏名または名称

大抵の場合、これまでの書類様式に変更が加わるので、各事業者は2023年の9月末までにインボイスを発行できる環境を整えたり、インボイスに対応した会計処理の環境を構築したりする必要があります。

令和3年度補正予算の拡充内容

IT導入補助金への理解を深める重要なポイントがもう1つあります。それが令和3年度(2022年度)の補正予算に組み込まれた「IT導入補助金の拡充」です。この拡充内容は、企業がインボイス制度の導入に対応することを見据えつつ、それ以外にも企業間取引のデジタル化を強く推進していこうとする意図が反映されています。具体的にどのような内容が採用されているのかを見ていきましょう。

補助対象を特化して補助率を引き上げ

1つ目は補助対象を会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフトに特化する代わりに補助率を引き上げるというものです。これは主にインボイス制度への対応を意識しているもので、補助率の引き上げは次のように拡充設定されています。
①補助額が50万円以下の場合、通常は補助率1/2のところを3/4に引き上げ
②補助金が50万円より大きく350万円以下の場合、通常は補助率1/2のところを2/3に引き上げ

クラウド利用料を2年分まとめて補助

2つ目はクラウド利用料を2年分まとめて補助する旨の内容です。これは昨今のITツールの多くが、パッケージ型の買い切りではなくクラウド上で提供される形態になっていることを鑑みての措置です。

PC・タブレット、レジ・券売機等の購入を補助対象に追加

そして3つ目がPC・タブレット、レジ・券売機の購入を補助対象に追加するというものです。
具体的には、PC・タブレットは補助上限金額が10万円で補助率が1/2、レジ・券売機は補助上限金額が20万円で補助率は1/2と設定されています。これはまさにハードウェアの導入により企業間取引のデジタル化や業務効率化を加速させる仕掛けと言えるでしょう。

IT導入補助金の2つの類型

このような政府方針によって導入されたIT導入補助金ですが、実は新たに「複数社連携IT導入類型」が導入されました。2種類ある複数社連携IT導入類型について各類型の概要や補助率などについて紹介します。

デジタル化基盤導入類型

IT導入補助金の1つ目の型が、「デジタル化基盤導入類型」です。
これは中小企業や小規模事業者がインボイス制度への対応や業務のデジタル化・効率化を推進する目的でITツールの導入をした際に補助金が支払われます。一例ですが、対象となる経費は下記の通りです。
①ITツール導入費(パッケージ型の購入費用、クラウド型サービスの初期費用、システム構築費、導入支援費等)
②ITツールの利用料(月額利用料、保守費用等)(2年間)
③ハードウェア(PC・タブレット、レジ・券売機)の購入費(機器本体費用、設置費用等)

各項目の補助上限額と補助率は下記の通りです。
①②の補助率

  • 補助額が50万円以下の場合:補助率3/4
  • 補助額が50万円より大きく350万円以下の場合:補助率2/3

③の補助金額と補助率

  • PC・タブレット:補助率1/2(補助上限額10万円)
  • レジ・券売機:補助率1/2(補助上限額20万円)

複数社連携IT導入類型

もう1つの型が「複数社連携IT導入類型」です。これは地域のDXの実現や生産性の向上を目的としてつくられたもので、この目的に則り複数の中小企業や小規模事業者がITツールやハードウェアを導入した場合に適用されます。
これは現在設計中の精度ではありますが、前述の「デジタル化基盤導入類型」のように単に導入にかかる費用や利用料のみを補助するのではなく、複数事業者の連携に際して外部専門家などを招聘した場合のコーディネート費用なども補助の対象とする仕組みが検討されています。この類型で補助対象となる費用の例と補助率は下記の通りです。
①基盤導入経費(デジタル化基盤導入類型と同様で、補助率1/2~3/4)

  • ITツール(会計ソフトやECソフトなど)
  • ハードウェア(PCやタブレットなど)の導入にかかる経費 

②消費動向分析経費(補助率2/3)

  • ITツール(キャッシュレスシステムや需要予測システムなど)
  • ハードウェア(デジタルサイネージやビーコンなど)の導入にかかる経費

③取り組みに参加する事業者を取りまとめるための事務経費や第三者としてアドバイスをもらう専門家への謝礼金(補助率2/3)
ただし補助金額には上限があり、「①と②への補助金の合計は3,000万円」までです。そして③への補助金は「①と②に対する補助金の合計」の10%までとなっています。

IT導入補助金おすすめの使用用途

ここまで制度について理解を深めてきましたが、ここからは補助金を活用するときにおすすめの用途を紹介します。

インボイス対策

まずはインボイス制度への対応です。先述した通り、2023年の9月末時点でインボイス対応の各種システムの導入が完了している必要があります。補助金を使用して受発注システムや会計ソフトの更改を行うと、インボイス制度適用後の運用が楽になるでしょう。

セキュリティ対策

デジタル化にはセキュリティ面の充足が求められます。AIカメラなどのハードウェア、分析ツールなどのソフトウェアにも使えるので、例えば、データの暗号化やウイルス対策、情報セキュリティなど業種・業務を問わないシステムにIT導入補助金が使えます。

IT導入支援事業者との協力もおすすめ

最後に、IT導入支援事業者について紹介します。IT導入支援事業者とは、事業者がIT導入を実施する際にさまざまなサポートを実施してくれるパートナーのことです。
例えば、補助金の申請手続きのサポートであったり、事業者にとって最適なツールの提案や導入フォローを行ってくれたりするので、ITに不慣れな場合はサポートの依頼を検討してもよいでしょう。

まとめ

本稿では2022年度のIT導入補助金について解説しました。特に押さえておきたいのが、2023年度10月1日からスタートするインボイス制度です。これまでと請求書などの書き方が異なってくるので、その制度に則って請求書が作成できるか、あるいは経理処理ができるか、そういった観点から各種システムやツールを見直してみてください。
もしインボイス制度に各種ソフトやシステムが対応していない場合、IT導入補助金を活用して刷新するなど、大胆な改革に着手するのもよいでしょう。ぜひインボイス制度への理解を深めて、補助金を有効活用してください。

営業の現場力を鍛えれば、売上げが伸びる。そして、ビジネスが変わる。

RECENT POST「コラム」の最新記事


【2022年版】「IT導入補助金」を一挙解説
メールマガジンのご案内

RECENT POST 最新記事

RANKING人気記事ランキング