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地方創生プロジェクト代表例5選

 2022.04.14  CLOUDIL 【クラウディル】

地方と都市部の格差が問題視されて久しい今、この問題に拍車をかけているのが少子高齢化と人口減少です。そこで、地方の持続可能な社会形成や地域経済の活性化に取り組もうと始まったのが「地方創生」です。本記事では、地方創生の基本理念と、活性化に寄与した取り組みの中から、代表的な5つの事例を紹介します。

地方創生とは?

地方創生は、第2次安倍内閣が閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2014(骨太の方針)」に基づきスタートしました。これは、地方で顕著となっている人口減少や地域衰退などの問題解決に国と地方自治体が一体となって推し進めている取り組みです。

大まかな経緯として、まず2014年9月の内閣改造で、地方創生担当大臣が新設されました。同年、地方創生関連の「まち・ひと・しごと創生法」が施行(現在は廃止)され、法定組織である「まち・ひと・しごと創生本部」を設置。2015〜2019年度を第1期とし、国と地方それぞれで政策目標と施策を策定しました。現在は2020〜2024年度の第2期の最中にあり、第1期での地方創生をより一層充実し強化するための取り組みを続けています。

「まち・ひと・しごと」は、「地方において仕事(雇用)の質と量を向上させると人が集まり、人が集まると経済がまわり、地域が活性化する」との考え方を表しています。地方の活性化により、主に若年層の人たちが東京圏などの大都市に流出するのを食い止めたいという狙いもあります。

また、政府は地方創生の施策推進のために各種交付金制度を創設しました。そのほか、東京23区から地方への移転や、地方にある本社機能を拡充する場合などに適用される税制優遇制度の「地方拠点強化税制」などがあります。

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地方創生プロジェクトの代表例5選

これまでに、全国でさまざまな地方創生プロジェクトが行われています。その中から、成功し軌道に乗っている代表的な地方創生に関係するプロジェクトを5つ紹介します。

事例①クラウドを活用した森林資源の情報共有(岡山県真庭市)

面積の8割を森林が占める岡山県真庭市は、古くから木材の産地として知られていす。しかし、少子高齢化にともなう労働力不足や林業離れが進んだため、市では、森林資源を活用した街づくりと、雇用の創出に向けた取り組みを開始。総務省による2013年度「ICT(情報通信技術)街づくり推進事業」を活用し、クラウドを活用して情報共有できる体制づくりを目的に本プロジェクトを立ち上げました。実施にあたっては、複数の近隣自治体が設立した一般社団法人と、真庭市、関連自治体、森林組合が連携しています。

具体的には、それまで紙媒体で管理していた、森林の場所や所有者、樹種・樹齢などの情報を電子化し、デジタル地図に表示するシステム「森林林業クラウド」を構築しました。クラウドには、ロボットセンサー(ラジコンヘリ)を導入して収集した森林の現状がわかる写真がデータとして入力されます。森林林業クラウドの維持・管理は一般社団法人が担当し、県内での利用とともに、全国展開可能な森林クラウド事業者と連携し、県外への普及を推進しました。

これにより、市と森林組合で森林資源情報の共同利用が可能となりました。さらに、森林資源の管理がパソコン上で可能となったため、作業効率が大幅に改善されました。

事例②IoTを活用した新たな企業間連携の促進(熊本県熊本市)

2014年3月に、熊本市で国内初となる衣服生産プラットフォームとして事業を開始した会社が、同年、経済産業省の「IoT推進のための社会システム推進事業」で、IoTスマート工場プロジェクトを始めました。

同社が目指した衣服生産プラットフォームは、データベース化した縫製事業者や縫製工場と、衣服を生産したいアパレル事業者やメーカーなどを、インターネットを通じて依頼内容(品質・価格・納期など)の情報を提供し、両者をマッチングするというものです。これにより、衣服流通業界が抱えていた複雑で多重な構造上の課題を解決しました。また、消費者ニーズの多様化により事業者・工場の双方に求められていた、短納期・多品種・小ロットの衣服生産が可能となりました。

衣服生産においては、縫製工場に繁忙期と閑散期がつきものといわれていますが、同社のマッチングシステムによって、閑散期の工場の稼働率が上がり、利益率が向上すると同時に雇用と従業員の収入の安定化につながっています。

事例③日本一元気なまち ふじえだづくり(静岡県藤枝市)

自治会組織を基盤とする保健委員活動を30余年続けるなど、健康づくり活動に力を入れてきた藤枝市。このプロジェクトでは、市民の健康行動の定着化と普及・促進を目指し、市民・事業者・行政が連携して市民参加型の健康づくり運動を展開しています。また、「健康」以外の動機付けにより市民に健康行動を促すことで、地域や産業の賑わいづくりにも発展させています。

プロジェクトには、主に、ウォーキングを支援する「歩いて健康『日本全国バーチャルの旅』」、観光を動機付けにした「ふじえだ健康スポット20選」、ポイントを貯めることで協力店からサービスが受けられる「ふじえだ健康マイレージ」の3つの事業があります。
健康マイレージにはICTを活用したWeb版があり、携帯電話・スマートフォン・パソコンから利用可能。連動したスマートフォン・アプリも提供しており、こちらは、歩数を自動で計測しポイントが貯まる仕組みになっています。

結果として、藤枝市が公表している「藤枝市データヘルス計画」によると、特定健康診査の受診率は47.9%(2014年)と全国平均よりも高い水準を達成しました。さらに、厚生労働省が2012年度に創設した「健康寿命をのばそう!アワード」において第1回厚生労働省健康局長優秀賞を受賞しました。
(参照元:藤枝市「藤枝市データヘルス計画」p16)

事例④日本遺産「日本茶800年の歴史散歩」の魅力発信(京都府)

文化庁は2015年度、地域のブランド化・活性化を図ることを目的に日本国内の有形・無形の文化財をパッケージ化する「日本遺産魅力発信推進事業」を創設しました。地域に点在するさまざまな文化財にまつわる、文化・伝統に関するストーリーを募集し、「日本遺産」として認定するというものです。

京都府南部の山城地域にある12市町村は、「日本茶800年の歴史散歩」と題するストーリーを申請し、第1回の日本遺産に認定されました。これを受けて官と民が一体となって設立した協議会を中心に、日本遺産に認定された関係地域を「お茶の京都」と名付け、ホームページを開設したり、日本遺産のストーリーを構成する文化財のガイドマップを作成したりするなど、積極的な情報発信によって地域の交流人口を拡大。また、小学校高学年を対象に、漫画を使った認定ストーリーの内容を伝えるワークショップ、地元の観光バス会社による日本遺産魅力発信事業を活用したツアーなど、地域の民間団体を巻き込んだ取り組みが進められています。

事例⑤農家によるICTを活用した取組(宮崎県都城市)

農業において、従来の家族経営ではなく企業型の経営を取り入れるべく取り組みを行った事例です。宮崎県都城市にある根菜類をメインに農業生産を行う農業生産法人は、スマート農業(ロボット技術やAI、ICTなどの先端技術を駆使し、作物の高品質生産や農作業の省力・軽労化を推進する新しい農業)に向けて先進的な取り組みを進めました。

いち早くICTを導入し、従業員の作業実績などの把握、作物の栽培履歴や原価計算の簡素化を実施。農業経営・作物の生産などに活用しました。同時に、ICTで蓄積した生産ノウハウや生産履歴などの情報を共有することにより、ヒューマンエラーの削減や作物の品質維持に成功しました。その結果、効果的な従業員の人材育成や未経験者の雇用にも積極的に取り組めるようになり、地方と農業の活性化を実現しました。

まとめ

第2次安倍内閣が掲げた「地方創生」は、地方の雇用の質と量を上げることで人が集まり、経済がまわることで地方が活性化されると考え、さまざまな取り組みが進められています。本記事ではすでに実施されている数多くの事例から、注目すべきプロジェクトを5つ紹介しました。いずれのプロジェクトも、クラウド化やDX化、ICTを上手に活用することによって、課題解決や地方の活性化といった目的を達成しています。これらの技術が、地方創生を後押ししていることに間違いはないでしょう。

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