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全国中小企業クラウド実践大賞 総務大臣賞の受賞企業は?

 2022.04.20  CLOUDIL 【クラウディル】

全国中小企業クラウド実践大賞は、日本商工会議所や全国商工会連合会などからなる、クラウド実践大賞実行委員会が主催しているプロジェクトです。

本記事では、クラウド利用推進に関心がある企業経営者・担当者様へ向けて、全国中小企業クラウド実践大賞の概要や受賞企業について解説します。

全国中小企業クラウド実践大賞とは?

全国中小企業クラウド実践大賞とは、ビジネスにクラウドを活用し、新たな事業の創出や生産性、利益向上などを実現した中小企業の取り組みを広げるために実施されています。任意団体であるクラウド実践大賞実行委員会が主催しているプロジェクトで、総務省も共催しています。

地域経済が発展を続けるには、地元に根ざして企業活動を行う中小企業の生産性向上が欠かせません。そして生産性を向上させるには、クラウドサービスのような新しい技術を積極的に活用し、業務効率化を進める必要があります。

インターネットが普及した現代では、クラウドに関する情報も容易に入手できるため、クラウドの導入に関心をもつ企業経営者様も少なくないでしょう。しかし、活用したいと考えてはいるものの、他社がどのようにクラウドをビジネスに活かしているのかがわからず、最初の一歩を踏み出せない経営者が多いのも事実です。

全国中小企業クラウド実践大賞の目的は、クラウドをビジネスに活用し一定の成果を得ることに成功した中小企業における事例の普及です。他社がどのようにクラウドを活用しているのかを知ることで、導入のきっかけにすることができるでしょう。

なお、中小企業クラウド実践大賞は、企業による自己宣言と、クラウド実践コンテストとの2つで成り立っています。前者は、ビジネスにクラウドサービスを積極的に活用していることを企業が自己採点により宣言するものです。後者は、宣言している企業の中から、書面や公開プレゼンによる審査を経てモデル事例として選ばれた企業を表彰します。

参加対象者

全国中小企業クラウド実践大賞に参加できるのは、あらゆる業界で活躍している中小企業です。製造業や運輸業、建設業、小売業などのほか、卸売業やサービス業、旅館業、学校法人なども参加できます。

ただし、応募資格として業種別に規模の条件が付されているため注意しましょう。たとえば、製造や建設、運輸業では、資本金や出資総額が3億円以下の会社、または常時使用の従業員数が300人以下ですが、小売業ではそれぞれ5,000万円以下、50人以下です。業種により応募資格が異なるため、事前に該当するか確認してください。

なお、「全国中小企業」と銘打たれているものの、参加が許されているのは法人だけではありません。活動主体が日本国内であり、応募資格をクリアしていれば、個人事業主や法人以外の団体でも参加可能です。

また、クラウド実践コンテストの参加対象となるのは、自己宣言を行った中小企業に限られるため注意しましょう。クラウドを実際どのようにビジネスへ活かしているのか、具体的な事例の登録と審査も通過しなくてはなりません。

中小企業を取り巻く環境

中小企業が継続的な発展と成長を目指すにあたって、まずは現状をしっかり理解しなくてはなりません。そうしないと、これから先具体的に何をすべきかがわからないためです。

国は中小企業の発展を望んでいます。なぜなら、日本国内で企業活動を展開している企業の99%以上が中小企業であるためです。世界的に著名な大企業も日本にはたくさんありますが、実は企業全体の数の1%にも届きません。実質的に日本を支えているのは、99%以上の中小企業なのです。

日本を実質的に支える中小企業の発展は、国力の増強につながります。だからこそ、国の組織である総務省が全国中小企業クラウド実践大賞に共催しているのです。

では、その国を支える中小企業の多くは、いったいどのような課題を抱えているのでしょうか。

(1)深刻な人手不足

少子高齢化に伴う労働人口の減少により、多くの中小企業が人材不足に陥っています。

(2)後継者問題

労働人口の減少により人材の確保が難しくなった、後継人材の育成がうまく進まなかったなどの理由で、後継者問題に直面してしまうケースが少なくありません。後継者が見つからないと、企業が長年蓄積してきたノウハウやリソースを失ってしまうおそれがあります。

(3)その他

資金繰りの悪化や従業員1人あたりの生産性の低下など、課題は山積みです。コロナ禍の影響も心配されています。

このような現状を打破しない限り、企業の継続的発展は望めないでしょう。

中小企業の未来を切り拓くクラウド活用

さまざまな課題を抱える中小企業が、現状を打破し継続的な発展を求めるには、クラウドの活用が欠かせません。クラウドをビジネスに活用するには、それなりの知識が必要ではあるものの、得られるメリットは大きく課題の解決に役立ちます。

業務効率化の推進

クラウドを活用するメリットのひとつは、業務効率化の実現です。たとえば、クラウドストレージのようなサービスを利用すれば、社内に点在するさまざまな情報をひとまとめにして管理でき、スピーディーな情報共有も可能です。従業員は求める情報を素早く入手でき、業務効率化が進み生産性向上にもつながります。

業務を可視化し属人化を排除

また、クラウドのプロジェクト管理ツールやデータベースなどを利用すれば、業務の流れや手順、進捗などの可視化が可能です。業務の手順や進捗の可視化ができれば、担当者が体調を壊して休んだり、急に会社を辞めたりしても、スムーズに対応できます。つまり、業務の属人化を回避できるのです。

サーバーやメンテナンスが不要

さらに、クラウドサービスであれば自社にサーバーを設置する必要がなく、導入費用も抑えられます。現在では、月額数千円からで利用できるクラウドサービスも多々あり、コストを抑えた運用が可能です。自社にサーバーを設置しなくてよいため、メンテナンスも必要ありません。

ベンダーが定期的にアップデートを実行しているため、システムは常に最新の状態に保たれています。常に安全かつ最新の環境で業務に利用できるのは、大きなメリットといえるでしょう。

このように、クラウドの利用により中小企業が得られるメリットは少なくありません。未来のことを見据えて、今からクラウドサービスの利用を検討してみるのはいかがでしょうか。

全国中小企業クラウド実践大賞2021の受賞企業

全国中小企業クラウド実践大賞は、全国の中小企業にクラウドやICTの活用を普及するため活動する、CLOUDILが運営に携わっています。正式名称は、一般社団法人クラウド活用地域ICT投資促進協議会で、2015年に設立されました。

気になる2021年の中小企業クラウド実践大賞の受賞企業は、以下の通りです。

総務大臣賞 城善建設株式会社

敷居は低く・透明性は高く スモールスタートから始めるDX

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和歌山市を中心に、大型建築やマンションなどの建設を手掛ける城善建設株式会社。

建設業界における人手不足は深刻で、2025年には約130万人が不足すると予想されている。その原因は常態化する長時間労働だ。人材の空洞化に悩む同社にて、ワークライフバランスを両立し、若者に魅力を感じてもらうために取り組んだのが今回のDXである。

働き方改革・BCP対策・コロナ対策を同時に行い「安心して業務を遂行できる環境構築が必要」と社員が団結。Anyone、box、Slackを組み合わせ、シンプルな仕組みで業務のリプレースを中心に2年前からDXを開始した。ITリテラシーを意識することなく運用できるフローを構築したことで、今では社員全員がシステムを使用。業務効率化によって残業や休日出勤もなくなり、プライベートが充実したと社員からも好評だ。今後も新たにシステム化に取り組み、「人と人をつなぐDX」の発展へと意欲を覗かせる。

日本商工会議所会頭賞 株式会社つばさ公益社

クラウドとDXで変わる弔いの形とレガシー産業の社内システム

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株式会社つばさ公益社は「お葬式のお金の痛みをなくす」をミッションとする家族葬専門の葬儀企業。全国平均で約156万円かかる葬祭を68,000円から、遠隔地へは25,800円からDIY葬を提供し、24回までの分割払いに対応している。こうした取組の結果、設立して4年で長野県東部に5店舗を構えるまでになった。葬祭業は電話・FAXが主で紙や手書きの多い業界だが、低価格で無理なく継続できる経営を目指し、クラウド化を行った。

ポイントは22~69歳と幅広い年齢層のスタッフに対応できるようにスマホに特化した開発を行ったことだ。カメラやセンサー等を活用した店舗の無人化を進めたり、自社開発アプリでアナログな業務を大幅に効率化。結果として固定費を43%、人材育成の期間を75%削減に成功した。365日24時間待機が必要で、労働環境が悪化しやすい葬祭業にあって、同社は週休3日、有休100%消化など見事な働き方改革を成し遂げた。

全国商工会連合会会長賞 株式会社村ネットワーク

野菜の受託加工における自動見積もりシステムの導入によるDXの推進

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株式会社村ネットワークは、野菜・果物の加工・販売を手掛ける企業。飲食事業、業務用カット野菜事業、小売事業、受託加工事業の4つを手掛けているが、事業ごとの売上比率に大きな偏りがあり、3~8月の工場稼働率が低いという経営課題があった。解決のために受託加工を伸ばそうと試みるも、コロナ禍で対面営業が難しい状況に陥ってしまう。

そこで、同社は既存のホームページを改修。わかりやすい商品説明と写真を盛り込んでLP化し、自動見積もり・問い合わせができるようにした。受託加工業務の営業をホームページに行ってもらおうと考えたのだ。問い合わせがあった見込み客に対してはDMを配布し、その反応をGoogleアナリティクスで分析して次の戦略に活かすなど、販売戦略も変更。2021年5月に着手した本取組より、課題であった売上の構成比と工場の稼働率を改善させるだけでなく、商圏を九州から関東圏まで拡大するという効果も生み出した。

全国中小企業団体中央会会長賞 NPO法人新座子育てネットワーク

コロナ禍でも止まらない支援で、子育て支援のクラウド活用を牽引

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NPO法人新座子育てネットワークは、子育て支援を行う非営利団体だ。システムに詳しい人がいるわけではないが「これは便利そう」と、2003年からGmailの利用を開始。皆で地道に勉強を重ねた結果、現在では勤怠管理、業務日誌・報告書など、業務システムのほぼすべてを内製化している。その予算は、NPO専用プランなども活用した結果、年間でなんと8,160円。

育児・就労中の主婦がメンバーのため、自宅からでも活動に参加できるように2012年からオンライン会議も開始。コロナ禍ではいち早くスムーズにテレワークへの移行を果たし、オンラインを活用した子育て支援の情報発信にも取り組んでいる。現場の工夫によって必要なシステム化を着実に実践してきた。現代は、いじめや不登校、子どもの貧困、児童虐待など、子育てが難しい時代だが。「次世代を育む活動分野に、クラウド化の風を吹かせる存在となることを目指したい」と語る。

クラウド活用・地域ICT投資促進協議会理事長賞
株式会社太陽都市クリーナー

社長はつらいよ〜クラウドツール導入編〜

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株式会社太陽都市クリーナーは、広島県で廃棄物処理事業を営む企業だ。森山社長の就任当時は、アナログ処理でミスが連発、クレームやトラブルは日常茶飯事だった。クラウド化のきっかけは、2018年7月の西日本豪雨である。会社は被害を免れたものの、市内の惨状を目の当たりにし「地域の公衆衛生のために、廃棄物回収を停めるわけにはいかない」と、BCP対策としてのクラウド化を決意。現在では、Chatworkをはじめ、業務に合わせて10以上のツールを全員で使いこなす。

業務のクラウド化にネガティブな反応を示す社員もいたが、オンライン朝礼や最新のスマート家電を備えたテレワーク体験ルームなど、皆で遊びながらクラウドツールに親しんでいくなどのアイディアが功を奏した。現在では、クラウド化によりミスやクレームを削減できただけでなく、スタッフの意識もポジティブに。離職率が低下したばかりでなく、求人応募数の増加にもつなげている。

クラウドサービス推進機構理事長賞 株式会社能登島マリンリゾート

1日50回の電話から1日50件のwebへチェンジ。ストレス軽減+売上向上!

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能登島マリンリゾートは、カフェを経営する傍らイルカウォッチングやドルフィンスイムなどのマリンアクティビティを提供する企業だ。2020年からコロナの影響で、事業は大きなダメージを受けた。観光需要が盛り返してきてからは、アクティビティの集合場所変更もありオペレーションの不備に悩まされることになる。連絡手段が電話のみだったからだ。その負荷が、本業に支障をきたすほどになってしまう。

そこでDXを決意しネット予約システムを刷新。Webサイトから24時間いつでも予約・キャンセルを可能にし、クレジットカードや電子マネー支払いにも対応、売上金や従業員のシフト管理までシステム化をはかった。その結果、電話対応や事務にかけていたリソースをアクティビティ増枠にあて、厳しい状況の中で売り上げを5倍以上に伸ばすことに成功。ITに疎いながらもサポートの力を借りて自力で構築したシステムは「いまでは私の強い味方」と語る。

日本デジタルトランスフォーメーション推進協会賞 相互電業株式会社

社員の”わがまま”から始まった?!~30人30通りの働き方改革の実現~

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「自宅で愛犬ともっと一緒に過ごしたい。在宅勤務ができれば叶うのではないか?」相互電業株式会社のDXは、管理部社員の今野さんの願いから始まった。社内業務を分析してみると、サイボウズ社のkintoneで改善できることが多いことを見出す。しかし、当時の社内業務は超属人化しており「システムを変えないで」と反対にあってしまう。

そこで、社長や担当者とカジュアルに「雑談」して要望を聞くことから開始。システム化に興味を持った担当者5名とkintoneアプリのワークショップを開催し、様々な効率化アプリを作り上げていく。反対していた社員たちも、実際に業務が楽になることで、新たなチームワークも生まれていった。結果として、業務時間と経費の大幅な削減にも成功。もちろん在宅勤務だけも可能となった。愛犬と過ごす時間が増えた今野さんは「『仕事を楽しくしたい』という「わがまま」な気持ちこそが、クラウド化の種になる」と語る。

審査員特別賞 船場化成株式会社

アナログ管理からの脱却。製造メーカーの常識を変えたDX推進

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船場化成株式会社は、2019年に「四国で一番大切にしたい会社大賞 奨励賞」を受賞。毎年5%の成長を続け、2022年には過去最高の売上を達成する見込みの超優良企業だ。同社をそこまで成長させたきっかけはDXである。DX開始当初の2014年には、基幹システムすらなく、手書きで紙を使うアナログな業務を行っていた。そのため、残業や休日出勤が常態化。離職率も高い状態にあった。全社でのシステム構築を行おうと、見積を取り寄せるも億単位の予算が必要であった。

そこで同社が手を付けたのは、目の前の業務から一つずつシステム化することであった。自分の業務がシステム化で楽になることを目の当たりにした社員たちは、続々とシステム化への改善要求を行うようになる。美馬社長は「システム化により、社員間、グループ会社間のコミュニケーションが活発になっただけでなく、業務改革のモチベーションが生まれたことが最も大きな成果だ」と語る。

いずれの企業も、クラウドをうまくビジネスに活用し、さまざまな成果を得ています。
より詳細をチェックしたい方は、以下をぜひご覧ください。

https://cloudinitiative.jp/2021zenkoku

なお、2021年度における総務大臣賞を受賞したのは、城善建設株式会社です。和歌山を拠点に事業を展開する同社は、業界における人材不足を深刻に捉えており、現状を打破するための改革が必要であると考えました。

積極的にDXへ取り組み、全従業員が活用できるシステムを導入し、承認フローなどの業務効率化を実現しました。その結果、残業時間や休日出勤が減るなど、従業員のワークライフバランスも向上しています。

まとめ

クラウドをビジネスへ活かし成果を得るには、他社の取り組み事例を参考にするのが近道です。クラウドの活用により、中小企業が抱えるさまざまな課題を解決でき、将来的な展望も明るくなるでしょう。
全国中小企業クラウド実践大賞への参加により、他社の取り組みを知ることができるだけでなく、自社の経営方針や課題も振り返れます。DX推進への意識も高まり、組織としての発展も促せるでしょう。この機会に、全国中小企業クラウド実践大賞への応募を検討してみてはいかがですか?


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