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企業のデジタルトランスフォーメーションとは?重要性や施策例を含めて解説

 2021.10.05  CLOUDIL 【クラウディル】

デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が近年よく話題にのぼります。しかし、デジタルトランスフォーメーションに関する用語は専門的なので、IT業界以外の企業の方はわかりづらいと感じることも多いのではないでしょうか。

そこで、ここではデジタルトランスフォーメーションの詳細や、企業において推進する際のポイントなどをご説明します。

デジタルトランスフォーメーションの意味

「デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation=DX)」とは、「デジタル革命」とも呼ばれる用語です。2004年、スウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン氏らが提唱したとされています。IT、クラウドサービス、AI(人工知能)などを活用することで、人々の生活をあらゆる場面でより良くしていくための取り組みを指します。

ビジネスの世界では、アナログのフローをただ単にデジタルに移行するだけではなく、デジタル技術を駆使して従来の課題を解決することを示す場合に使われます。さらに、デジタルならではの強みを生かしたサービスを市場のニーズに柔軟に対応しながら提供することで、ブランドイメージ・顧客満足度などを向上させ、企業の競争力を高めるといった意味合いもあります。場合によっては、組織、企業戦略、ビジネスモデル、業務プロセス・フロー、人事評価などにいたるまで、デジタルトランスフォーメーションに伴って変化がもたらされるでしょう。

そして、これは大企業だけの課題ではなく、中堅・中小企業にもその重要性が浸透しつつあります。

企業のデジタルトランスフォーメーションの重要性

企業がデジタルトランスフォーメーションを行うことは、企業戦略上、非常に重要です。

まず、近年はスマートフォンの普及などの要因で、市場ニーズが従来に比べて大きく変化しています。モノ消費から、コト消費・トキ消費に移りつつあるのは、その顕著な例だといえるでしょう。ビッグデータやAIなどの新しいテクノロジーを活用し、デジタルトランスフォーメーションを推進することで、これらの新しい市場のニーズに迅速・柔軟に応えられるため、顧客満足度の向上、新規顧客の獲得などにつながるでしょう。

また、社内システムの老朽化、複雑化、ブラックボックス化が起こり、「負のレガシー」となっている場合、その運用・保守にリソースが割かれるため、市場のニーズに積極的に応えることが難しくなります。貴重なビジネスチャンスを逃さないためにも、システムを再構築・刷新する必要があるでしょう。

さらに、企業は感染症のパンデミックをはじめ、自然災害、テロ、情報漏えい事故など、さまざまなリスクに備えておく必要があります。事業継続性を高めるためには、全社的なデータの一元化、業務のオンライン化の推進、デジタル戦略やインフラの整備、遠隔地でのデータバックアップなどが大切なので、その点でもデジタルトランスフォーメーションは有用です。

企業のデジタルトランスフォーメーションの施策例

続いて、企業のデジタルトランスフォーメーションに関する具体的な例について解説します。

ペーパーレス化

具体例として、第一にペーパーレス化が挙げられるでしょう。手書きやハンコに固執することは非効率であり、政府も「脱ハンコ」「脱FAX」の方針を固めています。ただし、ペーパーレス化の取り組み自体は、厳密にはデジタルトランスフォーメーションの前段階である、いわゆる「デジタル化(デジタイゼーション)」です。紙の書類をデータ化した後、それをクラウド上で一元的に管理できるシステムなどを構築することなどで、デジタルトランスフォーメーションが実現されます。

ペーパーレス化を進めることで、紙代やインク代、保管場所の管理費用などのコスト削減になるでしょう。また、資料や契約書などを電子化することで、業務の効率化にもつながります。さらに、紙の資料や契約書などは、劣化、紛失・破損、盗難、改ざんなどの恐れもありますが、電子化すればそのリスクも低減できます。

作業の自動化

続いて挙げられるのが、各作業の自動化です。

例えば、近年注目を集めているツールとして、パソコンで行う事務作業を自動化する「RPA(Robotic Process Automation)」が挙げられるでしょう。

データの転記、チェック作業、レポート作業といった事務作業の大幅な効率化と、ヒューマンエラーの削減につながります。単純作業にリソースを割かれずに済むため、創造性の高い業務、判断・意思決定など、人間にしかできない業務に時間をかけて取り組むこともできるでしょう。煩雑なルーチンワークから解放されることで、社員のモチベーション向上も期待できます。

ただし、RPAは例外処理に弱いという特性があるため、ゴール・目的、期待する効果を明確にした上で、適した製品を導入する必要があるでしょう。

業務のオンライン化

そして、業務のオンライン化も挙げられます。

勤怠管理システムやオンライン会議システムの導入は、その第一歩です。さらに、社員それぞれのタスク・プロジェクトを可視化し、情報をオンラインで管理・共有すれば、業務をよりスムーズに進められるでしょう。部門を越えて全社的に情報を一元管理するために、オンラインストレージ(クラウドストレージ)を活用することも効果的です。

ただし、システムを刷新した後は、再び負のレガシーにならないよう、属人化を避け、普段から業務を可視化することを徹底しましょう。

企業のデジタルトランスフォーメーションにおいて着目すべき技術

企業がデジタルトランスフォーメーションを考える場合、どのような技術に注目すれば良いのか、その一例をご紹介します。

クラウド

クラウド(Cloud)とは、各種アプリケーションなどを、インターネット経由で手元のパソコンやスマートフォンなどで使えるようにする技術です。

パブリッククラウドと呼ばれる、第三者がサーバーなどを用意してクラウド環境を提供するサービスを利用する場合、導入後の運営・保守もサービスの提供元が行うため、ランニングコストの削減につながります。アップデートも随時行われるため、セキュリティ面での安全性を維持しやすい点もメリットでしょう。

インターネットに接続されていれば場所を問わずに使えるため、テレワークや災害時のリスクヘッジにもなります。

IoT

IoT(Internet of Things)とは、しばしば「モノのインターネット」と訳されます。インターネットをモノに接続することで、効率化や利便性の向上などを図ります。ビジネスの場であれば、業務用の生産設備・機械を遠隔操作したり、さまざまな機器をオンラインで管理したりすることを可能にします。身近な例としては、いわゆるスマート家電、スマートホームなどもIoTによるものです。

モノをインターネットに接続することで、膨大なデータをリアルタイムで得ることも可能です。例えば、大手家電メーカーでは、IoT家電の使われた回数・時間帯などのデータをユーザーの同意のもとで取得し、今後の製品開発などに生かしています。

医療、製造、物流、農業など、さまざまな分野で導入が進められており、今後さらに広まっていくでしょう。

AI

AIはArtificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)の略で、人工知能とも呼ばれます。明確な定義はありませんが、人間の脳が行っている活動を再現するもので、画像認識、音声認識、翻訳、データ分析、推論、機械制御など、さまざまな知的作業を行うことが可能になりつつあります。

ただし、過去にはAIが画像管理アプリで黒人男性に非常に侮辱的なタグ付けをした事例などもあるため、世界中で「責任あるAI」と呼ばれる、倫理面を考慮した動きが広がっています。日本では、経済産業省から、2021年7月に一般的なガイドラインである「AI 原則実践のためのガバナンス・ガイドライン ver. 1.0」が公開されました。

AIの開発においては、入力データの測定が不十分であることから起きる測定バイアスや、社会的偏見などのリスクが潜んでいるため、企業のブランドを損なわないように、多様性などに関する教育、AI研修プログラムの実践、定期的なガバナンスのチェックをするなど、企業全体での取り組みが不可欠です。

企業のデジタルトランスフォーメーション推進にあたり押さえること

企業がデジタルトランスフォーメーションを推進するにあたり、押さえておくべき事項を説明します。

経営層のコミットメント

企業のデジタルトランスフォーメーションは、経営層が関わって全社的に取り組まなければ、効果を上げることは困難です。明確なビジョンと戦略を策定し、推進する必要性とゴール、メリット、課題と行動目標などを、社員にしっかりと説明し、共有しましょう。

社内体制の整備

デジタルトランスフォーメーションを行う場合、アナログのフローをデジタル化しておくなど、前段階での体制づくりを先駆けて実施することも大切です。

また、前述したようにIT関連のスキルを持つ人材は不足しがちなため、競争力と魅力のある職場環境づくり、採用戦略の策定、採用後の社内におけるスキル向上の場の提供、適正な評価などが欠かせません。限定的なスキルであれば、適切な環境を整えることで、社内で育成することも可能でしょう。

デジタルトランスフォーメーションは、めまぐるしく変化する市場のニーズに柔軟・迅速に応えるためにも欠かせません。企業間競争力を維持・向上するために重要な役割を果たすものでもあるため、その導入は計画的に進めていきましょう。

まとめ

デジタルトランスフォーメーションは、近年めまぐるしく移り変わる市場のニーズに迅速・柔軟に応え、新たなビジネスチャンスを逃さないためにも大切です。また、ゲームチェンジが起こった近年の状況を鑑み、避けては通れない課題でもあります。大企業はもちろん、中小企業や地方企業においても早期に着手する必要があるといえるでしょう。目的とゴール、希望する効果を明確にして、適切なデジタルトランスフォーメーションを推進してください。


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