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中小企業庁による「中小企業のデジタル化」に向けた具体策を紹介!

 2021.10.31  CLOUDIL 【クラウディル】

働き方改革、ここ数年で相次ぐ制度変更、コロナ禍などの側面からも、ますます中小企業のデジタル化の重要性が増しています。
しかし、デジタル化=大手企業がするものと、どこか他人事になっている方も少なくありません。

そこで本記事では、中小企業がデジタル化を目指すべき理由や課題、具体策をご説明します。

中小企業 × デジタル化が必要な理由

著しくICTが発展する近年、以前から中小企業のデジタル化の必要性が叫ばれていましたが、新型コロナウイルス感染症の流行で、事業継続の観点からもデジタル化の必要性を感じた企業は少なくありません。

2021年に中小企業庁が発表した「2021年度版 中小企業白書」でも、全業種でデジタル化の優先度が感染症の流行前よりも高くなっており、約3分の2の企業がデジタル化の意識が「高まった」と回答しています。

それに加えて「2025年の崖」の問題も、中小企業にデジタル化が必要な理由の1つです。日本においては、20年以上も使い続けられており、老朽化・複雑化・肥大化・ブラックボックス化した社内システムが全体の60%ほどを占めているとの予測があります。

しかし、これらのレガシーシステムで使われているプログラミング言語は古く、それを扱えるエンジニアの多くは2025年までに定年になることから、運用・保守にあたる人材が一度に不足すると懸念されています。

人材が確保できていても、レガシーシステムはIotやAIなどで得られる膨大なパーソナルデータの利活用には適応できないため、2025年以降に12兆円/年という莫大な経済損失が起こると指摘されているのです。日本の中小企業は競争力を維持するためにも、早急にレガシーシステムから脱却し、新しいシステムへと移行する必要があるでしょう。

また、労働生産性と売上高IT投資比率にはっきりとした因果関係を見出すことはできませんが、2010年度にIT投資を始めて2013年まで継続している企業は、2007年度~2013年度まで1度もIT投資をしていない企業よりも1人あたりの賃金が高く、労働生産性も高い傾向にあります。

そのため、効果的なITツールの導入から始まるデジタル化は、長期的に見て企業にとってプラスの影響を与えるという見方ができるでしょう。

また、デジタル化に積極的な企業文化が醸成されていることが、業績に対して良い影響を及ぼしているというデータもあります。ITツールの導入をゴールにせず、それを全社的に活用してデジタル化を推進し、さらにその次の段階であるDX(デジタルトランスフォーメーション)につなげることで、長期的な視野での中小企業の成長が期待できます。

継続的な最低賃金の引き上げ、残業時間の上限規制、インボイス制度の導入、社会保険の適用拡大など、ここ数年で相次ぐ制度変更にスムーズに対応するためにも、デジタル化は必須だと言えます。

中小企業のIT導入率

産業調査部が2021年4月に発表した「中小企業のIT導入・活用状況に関する調査」では、ITの導入・活用を「実施している、または検討中」と回答した企業は、全体の約60%となっています。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、「テレワーク・Web会議システム」の導入が大きな伸びを見せました。

特に、場所・時間の制約を受けずに働けるリモートワークの体制を整えられるよう、クラウド型サービスに注目が集まっており、ITツール・クラウド型サービスに関する問い合わせが、前年対比で20%増加しているというデータもあります。クラウド型サービスは特別なノウハウがなくても導入しやすく、初期費用が抑えやすいということ、拡張性が高いということも、普及しつつある理由に挙げられるでしょう。

中小企業デジタル化における課題

中小企業がデジタル化を進めるにあたって課題になることが多いのは、次に挙げる2つです。

まず、費用対効果です。デジタル化の手順・選ぶツールなどに誤りがあると、「バックオフィスでRPAシステムを導入し事務作業が大幅に効率化されたが、営業部門で行っている顧客管理や契約業務がまだ紙ベースなので、全体的に見ると投入した資金に対して見合った効果が出ていない」などの問題が起こることがあります。

つぎに、ICTに関するリテラシーの問題です。働き方改革や感染症対策の側面からもデジタル化の必要性を感じていても、ICTに関するナレッジやノウハウが不足しており、効果的な仕組みを整備できないというケースもあるでしょう。

中小企業デジタル化に向けた具体策

これらの課題を解決してデジタル化を実現するため、提唱されている具体策についてご説明します。

デジタル化を支援する補助金

まず、デジタル化を支援する補助金を有効活用することが大切です。

ものづくり・商業・サービス補助金(ものづくり補助金)」は、生産性の向上のために生産プロセスの改善、革新的なサービスの開発などにかかる経費に対する補助金です。補助額は100万円~3000万円と高額で、社員の給与を1年あたり1.5 %以上向上させるなどの要件を満たす必要があります。

IT導入補助金」は、企業の強みと弱みを明確にした上で、もっとも適したITツールを選び導入するにあたっての費用に対する補助金です。ソフトウェアの申請数などで分類され、1種類以上のA類型(補助金額:30~150万円未満)と、4種類以上のB類型(補助金額:150~450万円以下)があります。なお、B類型は賃上げによって加点されることも特徴です。

中小企業デジタル化応援隊事業」は、中小企業のデジタル化に対する悩みに対して、ITの専門家がコンサルティングを行う事業です。テレワーク、Web会議をはじめ、ECサイト、ユーザーのプライバシー保護、キャッシュレス決済など、さまざまなITツールの導入に向けたサポートを行っているので、「どこから手を付けて良いかわからない」「効果の出るデジタル化の手順を知りたい」という方は、ぜひ相談窓口へ連絡してみてください。

AI・データ活用に向けた支援

中小企業ではIoTの活用は比較的進んでいるものの、AIとデータの利活用は遅れを取っているのが現状です。

しかし、中小企業がAIを積極的に導入することで、2025年には最大11兆円の経済効果と約160万人分にあたる労働人口効果を得られると予測されているため、特に少子高齢化が深刻な日本においてはAIの導入を推進することが欠かせません。

中小企業がAIを活用した事例として、スーパーマーケットが気温や過去の入荷・売上データを用いて需要予測をするなどが挙げられます。過去の作業実績データから工数の最適化をすることなども可能です。

しかし、AIを活用できる人材は特に日本において不足しているのが現状です。そのため、経済産業省でも2019年6月に策定された「AI戦略2019」に基づき、「AI Quest」という課題解決型AI人材育成プログラムを行うことで、2,000人の世界で活躍できる人材の確保に努めています。

サプライチェーンを通じた面的デジタル化の推進

企業が共通のEDI(Electronic Data Interchange=電子データ交換)のシステムを用いる取り組みも推進されています。共通のEDIを導入すれば、発注情報はシステムを通して受注企業に送信されるため、取引のペーパーレス化、脱電話・脱FAX、業務効率化に直結します。在庫管理システムと連携させて「在庫数が残り〇%になったら自動的に発注する」といった仕組みをつくることも有効です。

受発注のデータを蓄積することで、データの分析を通したマーケティング・営業活動にもつながるでしょう。企業間だけでなく、サプライチェーン全体にEDIが普及すれば、よりスムーズな取引も実現するはずです。

8%と10%のどちらの税率が適用されているかを透明化させるため、2023年10月1日からスタートするインボイス制度では、インボイス(定められた要件を満たした請求書など)を売り手は発行、買い手は保存する義務があるので、ますますEDIの重要は高まっていきます。

2018年から始まった全銀EDI(ZEDI)は、企業間の振込を行う際、支払通知番号などを受取企業に送信できるシステムです。取引ごとのチェックがしやすくなるため、「間違った金額が振り込まれているが、どの取引に対して、どれくらい間違えているのかが把握するのに時間がかかる」という問題にも効果的です。

これらのサービスを使うためには、企業自身、金融機関が連携するインターネット バンキング・クラウド会計ソフトなどを備えておく必要があるので、優先的に着手するのがおすすめです。

まとめ

継続的な最低賃金の引き上げ、残業時間の上限規制、インボイス制度の導入、社会保険の適用拡大など、相次ぐ制度変更にフレキシブルに対応するためにも、デジタル化は有効です。コストやナレッジの問題がありますが、補助金や助成金、プロによる無料のコンサルティングサービスなども用意されているので、これらを有効活用するのがおすすめです。

全銀EDIなどのサービスを享受するためにも、クラウド会計ソフトなどからデジタル化を進めてみることも効果的です。

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