メニュー

働き方改革ガイドラインとは?概要とポイントを徹底解説

 2021.10.31  CLOUDIL 【クラウディル】

厚生労働省は現在、少子高齢化や労働者のニーズの多様化に対応するため、働き方改革の推進を社会に求めています。そこで策定されたのが、その指針を示した「働き方改革ガイドライン」です。本記事では、働き方改革ガイドラインの概要やそのポイントなどについて分かりやすく解説していきます。

働き方改革実現に向けたガイドラインを厚生労働省が制定

日本政府は、厚生労働省を中心に、現在および将来のさまざまな社会的問題に備えて「働き方改革」を推進しています。そして、この働き方改革の推進のために施行された働き方改革関連法の内容を踏まえて、厚生労働省が作成した指針が「働き方改革~一億総活躍社会の実現に向けて~」と題されるガイドラインです。このガイドラインの内容に入る前の予備知識として、まずは働き方改革の概要や働き方改革関連法について解説します。

働き方改革とは

働き方改革とは、厚生労働省が推進する施策のひとつで、労働者が働きやすい労働環境をつくり、「一億総活躍社会」を実現するための取り組みです。具体的には、「労働時間の是正」「非正規雇用の処遇改善」「柔軟な働き方の実現」などが目標として掲げられています。

こうした働き方改革が重視される背景には、少子高齢化の進行に伴う生産年齢人口の減少があります。高齢者が多くなる一方で働き手が少なくなれば、年金をはじめとする社会保障制度の維持もままなりません。そこで鍵となるのが、育児や介護など従来では働きにくい事情を抱えた人にも配慮した労働環境を整備し、多様な人材が活躍できる社会をつくることです。つまり、働き方改革とは、労働者の多様なニーズに応え、持続可能な社会を構築するための施策と言えます。

働き方改革関連法とは

日本人の働き方を見直すために、「働き方改革関連法」が2018年6月に成立しました。この法律は「労働時間法制の見直し」と「雇用形態に関わらない公正な待遇の確保」という2本の柱に基づいて制定され、一部の項目を除いて2019年4月から施行されました。

年商2億を10億に変えるアクション
中小事業者困ったときのDX事典

ガイドラインのポイント①労働時間法制の見直し

働き方改革関連法では、具体的にどのような内容が盛り込まれているのでしょうか。先に紹介した厚生労働省のガイドラインに基づき、まずは「労働時間法制の見直し」に焦点を当てて解説していきます。

残業時間の上限規制

従来、残業時間の上限は法律的に明確な規定がありませんでした。それが働き方改革関連法によって、臨時的に特別な場合を除き、原則的に月45時間、年360時間までしか残業させることができなくなりました。月45時間の残業時間は平均すると一日2時間程度の残業時間に相当します。

有給休暇取得義務化

以前から有給休暇の制度はありましたが、企業によっては従業員側か有給の取得を言い出しにくい実態がありました。そこで働き方改革関連法では、従業員に年間5日の有給休暇を取得させることが「企業の義務」になりました。

勤務間インターバル制度の導入

勤務間インターバル制度とは、退勤から翌日の出勤までのあいだに一定の休息時間を設ける制度です。国はインターバル時間の目安として9~11時間程度を推奨しています。この制度によって、労働者の健康を害するような過剰労働の抑止が期待できます。

割増賃金率の適用

従来、月60時間を超える超過勤務の割増賃金率は大企業が50%、中小企業が25%増加させるように規定されていました。しかし、今回の法律によって中小企業で働く人にも50%の割増賃金率が適用されることになりました。

3か月のフレックスタイム制の導入

労働時間の清算期間は、これまで1か月が基準になっていましたが、3か月まで延長されました。これによって、例えば子供の夏休みに合わせて8月の勤務時間を減らしたい場合、6月・7月の勤務時間を長くしてその分を穴埋めするなどの対処が可能になります。このように、子育てや介護をしながらでも働きやすい環境をつくることがフレックスタイム制の目的です。

高度プロフェッショナル制度の導入

高度プロフェッショナル制度とは、専門知識を持つプロフェッショナル人材が、労働基準法に定められた労働時間などの規定に縛られずに、自由に就労できるようにするための制度です。従業員側の不利益になるような悪用を防ぐために、この制度を導入するには一定の年収要件や労使委員会の決議、健康福祉確保措置の実施といった複数の条件をクリアしなければなりません。

ガイドラインのポイント②雇用形態に関わらない公正な待遇の確保

続いて、第二のポイントである「雇用形態に関わらない公正な待遇の確保」に関する施策について解説します。

ダイバーシティの推進

働き方改革における重要なポイントのひとつがダイバーシティの推進です。ダイバーシティとは、日本語で「多様性」を意味します。性別や人種、国籍、思想信条などの壁を越えて、多様な人材を活用していくことが今後の社会や企業には求められます。多様な人材間のコラボレーションは、企業の成長を助けるイノベーションの土壌としても期待できます。

非正規雇用の労働者への待遇改善

派遣社員などの非正規雇用労働者と正社員とのあいだの不当な待遇格差が各所で顕在化する中、非正規雇用労働者への待遇改善も働き方改革には求められます。職務内容や責任の範囲に大きな違いがないにもかかわらず、非正規雇用労働者と正社員のあいだで給与や賞与などに不合理な待遇差をつけてはなりません。

不合理な待遇差をなくすための規定の整備・労働者に対する待遇に関する説明義務の強化

先述のように、非正規雇用労働者と正社員のあいだでも同一労働同一賃金が基本です。もし非正規雇用労働者から、正社員との待遇差の内容や理由などについて説明を求められた場合、事業者はその理由について適切に説明しなくてはいけません。

行政による事業主への助言・指導や裁判外紛争解決手続きの規定の整備

労働者の権利を守り、企業に健全な経営を促すため、行政による事業者への助言・指導体制を強化していくことも働き方改革において重要です。また、労働者と企業のあいだで労使問題などが生じたときのために、裁判外紛争解決手続きの整備なども重要になります。

働き方改革ガイドラインを実現するために

働き方改革ガイドラインを実現するために、企業はどのようなことに取り組むべきでしょうか。以下では、「業務の効率化」と「職場環境の改善」の2点について解説していきます。

業務の効率化

働き方改革を実現するための第一のポイントは業務効率化です。残業時間の上限規制や有給休暇の取得義務化により、従業員の労働時間を適正に管理することが必要不可欠になります。従業員の労働時間が短くなる一方で、従来以上の生産力を発揮するには業務を効率化することが重要です。業務効率化のためには、ITツールを導入して業務の一部を自動化するなどの施策が有効です。

職場環境の改善

働き方改革における企業の取り組みとして、女性や高齢者など多様な人材が活躍できる職場環境作りも大切です。具体的な施策としては、休日出勤の廃止や副業の許可、あるいは場所や時間にとらわれない働き方を可能にするテレワークの導入などが挙げられます。良質なワーク・ライフ・バランスを実現する職場環境は、ときに賃金以上に有能な人材を惹き付ける材料になり得ます。

まとめ

働き方改革ガイドラインとは、従業員が働きやすい労働環境をつくるために制定された働き方改革関連法の内容を取りまとめている指針です。この関連法ないしガイドラインの内容は、「労働時間法制の見直し」と「雇用形態に関わらない公正な待遇の確保」を骨子に構成されています。これらの施策によって、長時間労働を是正して労働者のワーク・ライフ・バランスを改善したり、多様な人材が活躍できる社会環境が構築されたりすることが期待されます。

もし戦国武将がITを活用していたら?

RECENT POST「コラム」の最新記事


働き方改革ガイドラインとは?概要とポイントを徹底解説