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生産性向上の方法とは?4つのポイントと注意点を解説

 2021.10.05  CLOUDIL 【クラウディル】

長時間労働が社会問題化したことで、「働き方改革」に向けた取り組みが広がっています。ただし、単に労働時間を短くすることが働き方改革ではなく、その最終ゴールは「生産性の向上」です。本記事では、自社の生産性に課題を感じている中小企業経営者に向けて、企業活動の生産性を向上させる方法と注意点について解説します。

生産性向上とは

生産性向上とは、ヒト・モノ・カネなどの経営資源を効率よく活用し、より大きな成果を上げることです。日本の産業界において生産性向上が重視されるようになった背景には、労働人口の減少やグローバル競争の激化があります。人口減少により国内市場は縮小傾向にあるため、企業の海外進出は今後ますます重要になっていくと予想されます。外部環境が大きく変化する中、企業が安定して成長し続けていくためには、生産性の向上が急務です。今まで以上に生産性を上げて人手不足による負の影響を解消し、日本よりも労働生産性の高い海外企業相手にも戦えるだけの競争力をつけなくてはなりません。

生産性はどうして低下する?

生産性を向上させるには、生産性が低下する要因を知っておく必要があります。その要因は主に次の2つです。

長時間労働

1つ目の要因は、慢性的な長時間労働です。2019年より働き方改革関連法が施行されたこともあり、日本の労働時間は減少傾向にあります。しかし、労働時間が厳格に管理されているドイツなどと比べると、まだまだ改善の余地があると言わざるをえません。人間はロボットではないため、集中できる時間には限界があります。そのため、疲労からくる集中力や判断能力低下から、作業の生産性が落ちてしまうのです。残業や休出によって人件費や光熱費などのコストが増すことも生産性を下げる原因となっています。

マルチタスク

人件費を抑えるための対策として、個人に複数の業務を同時に処理させるマルチタスクを導入している職場もあることでしょう。マルチタスクには、業務の全体像を把握できる、個人のスキルアップにつながる、などのメリットがあります。しかし、業務内容があまりに多岐に亘ると、仕事の切り替えに時間がかかり、脳も疲労します。そのため、専任担当者を置く場合と比べて生産性が下がってしまう可能性が考えられます。また、人によってマルチタスクへの向き不向きがあるのも事実です。

<h2>生産性を向上させる4つのポイント</h2>
ここからは、生産性を向上させるための方法について解説します。具体的には、次の4つのステップに沿って取り組みを進めていきましょう。

<h3>現状把握と課題の整理</h3>
まず、自社における生産性の状況・課題を明確にしましょう。その際、重要な指標となるのが、物的生産性と付加価値生産性の2つです。物的生産性とは、投入した経営資源を分母として生産量を割り、労働生産性や資本生産性などを計算するものです。付加価値生産性とは、企業が新しく創出した金額ベースの価値を測定するもので、売上高から原材料費など外部から購入した費用を差し引き、従業員数などの生産要素で割ることで算出できます。また、職場や部署単位での業務内容や目的を明確にし、業務のムダ・ムリ・ムラを可視化していくことも大切です。

<h3>優先度に応じて施策を打つ</h3>
課題を把握・分析したら、その過程で生じた追加課題も含めて、優先度を決定します。課題を「重要度」と「難易度」の2軸で分類し、確実に効果が見込める「重要度が高く、難易度の低い課題」課題から優先的に取り組んでいくのがポイントです。重要度については、ビジネスの収益に直結するコア業務が最優先となります。ただし、すぐに成果が出るものはその分効果も薄れていきやすいため、中・長期的な視点で収益や付加価値が見込める施策に取り組むことも忘れないようにしましょう。

<h3>ITツールの活用</h3>
ITツールを利用して自動化できる業務がないかも検討しましょう。ITツールを現場の仕事に利用している具体的な例には、チャットボットを利用した問い合わせ対応やRPAによるパソコン作業の一部自動化などがあります。このほか、クラウドサービスやタスク管理などのツールも増えており、一定の機能・人数規模までは無料で利用できるものも少なくありません。ITツールを利用した業務の自動化には、人的リソースを減らせるほか、業務の正確性を高めるというメリットもあります。

<h3>国の制度を利用</h3>
国からの支援を利用することで、人件費や設備投資などのコストを抑えつつ、生産性向上につながる取り組みを推進できます。具体的には、「生産性向上特別措置法」「IT導入補助金」「人材確保等支援助成金」などを利用しましょう。生産性向上特別措置法とは、中小企業を対象とした固定資産税に関する特例措置です。IT導入補助金は、生産性向上を目的に中小企業で導入したITツールの経費の一部を補助してもらえる制度です。人材確保等支援助成金は、人材確保・人材育成について幅広く助成が受けられる制度です。それぞれの要件についても確認しておきましょう。

<h2>生産性向上に取り組むうえで注意すべきこと</h2>
最後に、生産性向上に取り組むうえでの注意点についても解説します。

<h3>現場に合わない施策を打つ</h3>
経営陣が一方的に施策を進めることで、かえって生産性が落ちてしまうおそれがあります。施策の立案時には、どのような現状や課題、ニーズがあるのか、現場の声にも耳を傾けましょう。たとえば、製造業であれば、工場の生産工程に改善の余地はないか、技術者のスキルや知識を十分に生かせているかなどがポイントになります。ITツールを導入する際も、現場のリテラシーとのバランスを考慮しましょう。いくら高機能でも現場の社員が使いこなせないITツールでは、業務効率化を実現できるどころか、業務の停滞を招いてしまいかねません。

<h3>個人の生産性ばかり重視する </h3>
個人の生産性を追求することで、後工程にしわ寄せがきたり、チーム全体の生産性が落ちてしまったりしては本末転倒です。生産性向上の取り組みにおいては、まずはチーム全体の生産性を上げることに主眼を置き、それを実現できる最適な役割分担へと整理し直すという流れで進めていくとスムーズです。目標設定においても、「大幅に」「できる限り」といった個人によって解釈が分かれる曖昧な表現は避け、具体的な数値目標を設定しましょう。

●まとめ
生産性向上に向けた取り組みは、あらゆる企業にとって急務です。まずは、職場や部署の仕事の流れを俯瞰したうえで課題を把握し、優先度の高いものから取り組んでいきましょう。現場の発案を重視すること、具体的な数値目標で全員の視点をそろえることも重要です。的確な施策で労働時間削減と生産性向上を両立させ、働き方改革を実現しましょう。


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