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生産性向上はなぜ必要?指標(KPI)の基礎知識と3つの施策を解説

 2021.10.29  CLOUDIL 【クラウディル】

昨今の日本は少子高齢化などにより、労働人口の減少に歯止めが利かない現代では、生産性の向上に注目が集まっています。そこで本記事では、生産性向上が必要な理由や、KPIなどの指標の基礎知識、実際の施策などについて解説していきます。

生産性(労働生産性)とは?

企業内では単純に「生産性の向上」などの文脈で使用されますが、生産性にはいくつかの種類があります。最も使用頻度が高いものが「労働生産性」です。労働生産性とは、1人の労働者がある成果を生み出す効率を数値化したもので、企業などが従業員に対して実施する施策は労働生産性を対象にしたものが大部分を占めます。ただし、労働生産性は「物的労働生産性」と「付加価値労働生産性」に細分化できるため、それぞれの違いを正しく理解し、適切に使い分ける必要があります。

物的労働生産性

物的労働生産性は、生産された製品や物品などの個数や重さを成果物として計算します。計算式は「物的労働生産性=生産量/従業員数」で表されます。
例えば、月に3,000台の車を生産する従業員数200人の工場があった場合、従業員1人あたりの物的労働生産性は15台/人と算出できます。物的労働生産性を算出する際に使用する成果は「生産量」であるため、数値化が容易です。社外に説明する際や、指標としても用いられます。

付加価値労働生産性

付加価値労働生産性とは、付加価値を踏まえて労働生産性を算出する方法です。ここで扱う付加価値とは「粗利」と同義で、「付加価値労働生産性={売上-原価(燃料費、材料費、運送費など)}/労働量」で表されます。原価に対してどれだけの付加価値を製品に与えられたかを評価軸とするため、従業員が付加価値を生み出す際の効率を調べるケースで有効です。
例えば、原価が20円の粘土を整形して200円のレンガを製作した場合、付加価値は1個あたり180円です。5人の従業員が3時間をかけて1000個を製作したとすると、従業員あたりの付加価値労働生産性は、(200,000円-20,000円)/5=36,000円と計算できます。なお、3時間をかけて製作しているため、1時間あたりの付加価値労働生産性は、36,000円/3時間=12,000円です。

業務効率化と生産性向上の違いとは?

生産性向上を考える際、必ずといってもいいほど登場する言葉に「業務効率化」があります。両者は似ていますが、明確に異なるため注意が必要です。端的に言えば、生産性の向上を目指す手段の1つとして業務効率化があります。生産性の向上という大枠の中に業務効率化が内包されており、生産性を向上させる手段は業務効率化だけではありません。

なぜ今、生産性が求められているのか?

これまでも生産性の向上を課題として取り上げられてきましたが、近年になって生産性の向上を求める動きが活発化しています。政府が主導する「働き方改革」でも生産性の向上は解決策の1つとして明記されるほどです。
主な要因の1つが、少子高齢化に伴う労働人口の減少です。日本では、国の経済を支える生産年齢人口(15歳から64歳)が、1995年をピークに減少し続けています。実際の数字を参照すると、2015年に7,592万人だった生産年齢人口は、2030年には6,773万人、2060年には4,418万人と、加速度的に減少していくことが予想されており、国際的な競争力の低下は免れません。

参考:総務省「第1部 特集 データ主導経済と社会変革」

現代はグローバル化が進んでおり、国内市場だけでなく国際競争でも勝たなくてはならない状況です。しかも、デジタル化により業務のシステム化や効率化も進んでおり、AIやIoTなどの技術革新による国際競争も激化しています。こうした状況を踏まえると、日本に残された方法の1つが、少ない労働力で多くの成果を出す「生産性の向上」にあるという現状にも得心がいきます。

KPIとは?

生産性向上を推し進めるにあたり、必ず登場する概念が「KPI」です。KPIとは重要業績評価指数のことで、組織全体としての目標を達成するために用いる業績評価指標の1つです。この指標を用いて「働き方改革」に関する指標を改善することで、従業員のモチベーションの向上や優秀な人材の獲得、残業時間の削減、有給取得率の向上などにつながります。生産性向上に取り組む場合、より具体的なKPIを定め、施策の効果を検証していく取り組みが重要です。

生産性向上のための施策

生産性を向上させるための具体的な施策として、「コスト削減による生産性向上」「成果を増やすことによる生産性向上」「人手不足解消による生産性向上」の3つが挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

1つ目は「コスト削減による生産性向上」です。これは投入資源を減らして生産性を上げる取り組みです。具体的には、今ある業務のムダを省き、業務をスムーズにする形式を整えることで既存事業の見直しや効率化を図ります。例えば、採算が取れない事業を思い切って縮小・廃止し、ほかの業務に割けるリソースを増やしたり、同じ品質の製品が作れるより安い原材料の使用によって原価コストを削減したりする取り組みがあります。

2つ目が「成果を増やすことによる生産性向上」です。これは単純に、これまでよりも成果を上げることで生産性を向上させる取り組みです。例えば、従業員に研修を実施して能力値を底上げし、時間あたりの生産数量を増加させて生産性を向上させるケースが考えられます。1つ目が減らすことで生産性を向上させるのに対して、こちらは増やすことで生産性を向上させます。

3つ目は「人手不足解消による生産性向上」です。人手不足が生産性向上を推し進める要因になっているので、ここでの人手不足解消はマンパワーを増やすという意味ではありません。主にあらゆる業務をデジタル化することで人出不足を解消し、生産性を高めようとする取り組みを指します。例えば、電子サインを用いて契約業務を電子化したり、クラウドシステムを導入してデータ管理を簡素化したりする方法が挙げられます。人間が行う業務と機械が行う業務を適切に分担すれば、人手不足が解消して生産性の向上につながるでしょう。こうした取り組みはコスト削減にも貢献します。

まとめ

少子高齢化が進む日本では、生産性の向上は必要不可欠な施策です。具体的には、「コスト削減による生産性向上」「成果を増やすことによる生産性向上」「人手不足解消による生産性向上」などの方法があり、これらの取り組みによってKPI(重要業績評価指数)の改善を図ることで達成されます。まずはITツールの導入など、比較的簡単に取り組める生産性向上の施策から試してみてはいかがでしょうか。

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