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リモートワーク推進について企業が押さえておきたい情報を解説

 2021.11.21  CLOUDIL 【クラウディル】

リモートワークの重要性は知りつつも、費用などの問題から導入をためらう企業は少なくありません。しかし、リモートワークは労使のみならず社会にもよい影響を与えるため、積極的に推進すれば将来大きなリターンを得られるでしょう。そこで本記事では、リモートワークの重要性や推進方法、必要なツール、助成金・補助金について解説します。

リモートワークとは

「リモートワーク」とは「remote=複数の対象が離れている状態のこと」という名称が表すとおり、オフィス以外の場所で仕事をする働き方をいいます。ICT(情報通信技術)の活用により、従来のようにオフィスに出社しなくても、自宅やカフェなどで場所・時間の制約を受けず柔軟に仕事ができるのが特徴です。

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リモートワーク推進が重要な理由

コロナ禍における感染症対策の一環として推奨されていたリモートワークですが、ほかにも重要な意義をもっています。以下では、リモートワーク推進が重要とされる理由を解説します。

社会全体に関する理由

リモートワークが社会にもたらす好影響として、まず労働人口の増加が挙げられます。少子高齢化によって、日本の労働人口は1998年をピークに減少傾向が続いており、具体的な就業者数も2020年には前年比48万人もの減少が見られました。そこでリモートワークを各企業が導入することで、社会全体の就業者数の増加が期待できます。

たとえば、2020年における障がい者の雇用率は2.15%と低水準ですが、前年から微増していることもあり、ここに就業者数の伸びしろを見出せるでしょう。透析などのために定期的な通院にも対応できるリモートワーク環境を各企業が構築すれば、障がいがあっても働きたいと感じている人に有効なアプローチができるはずです。

さらに、リモートワークは毎日の通勤の必要がなく、就業場所も問わないので、地方居住者の雇用創出にもつながります。旅行先で仕事をする「ワーケーション」も導入しやすくなるでしょう。

そのほか、環境に対するメリットも期待できます。世界各地でレンタルオフィスなどを展開するリージャス・グループの調査によると、米国労働者がリモートワークなどのフレキシブルな働き方を継続できれば、通勤時間の短縮により、2030年までに1億トン以上ものCO2削減が見込めるとのことです。このことからもわかるように、リモートワークの推進はSDGs実現にも通じる取り組みといえます。

個々の企業に関する理由

リモートワークの推進は、企業にとってもさまざまなメリットをもたらします。そのひとつが、社員のワークライフバランスの実現です。

ニッセイ基礎研究所が2020年に実施した調査によると、日本全国の通勤時間の平均は36.5分ですが、最も長い神奈川県では53.4分に及び、東京圏(神奈川・千葉・埼玉・東京)、大阪圏(兵庫・大阪・京都)、名古屋圏(愛知県)の順に通勤時間が長くなっています。また同社は、通勤時間の長さに比例して幸福度が低くなる傾向も示唆しています。これらのことから、毎日の通勤にかかる社員の負担を削減することで、社員の幸福度の向上や、健全なワークライフバランスの維持につながるでしょう。

また、コロナ禍の収束後もリモートワークを継続することは、優秀な人材の確保にもつながります。毎日の通勤がネックで離職する社員や、諸事情から就業できない優秀な人材などに多様な働き方を提供することで、自社で勤続してくれる可能性が高まります。

たとえば、女性は一般的に30代~40代前後で就業率が低くなり、その後再び就業率が高まる傾向にあります。これは、それまでキャリアを築いていたものの、出産・育児・家事などを理由にやむなく離職した女性が少なくないとの見方ができるでしょう。男性の育休取得の普及などは必須として、リモートワークを導入することでも、いわゆる「小1の壁」などを乗り越えやすくなるため、30~40代女性の離職率の低下が期待できます。

このほか、オフィスの縮小によるコスト削減や、自然災害・パンデミックといった非常時における事業継続性の確保などのメリットもあります。

リモートワーク推進の方法

続いては、リモートワークを進めるための方法について、順を追ってご説明します。

体制を構築して段階的に推進する

まずは、リモートワークを推進するためのプロジェクトチームを発足します。そして、リモートワークの目的・期待する効果を明確にし、リモートワークに関するルール(勤怠や評価制度など)を定めましょう。

ITツールを整備して推進する

オフィスから離れた場所で仕事をするには、ITツールの活用が欠かせません。社員がオフィスと遜色ない環境で快適に業務を遂行できるよう、リモートワークの目的や期待する効果、コスト、セキュリティなども考慮しながら、適切なツールを整備してください。

その後、スモールスタートで効果測定を行いながら、社員に目的やメリットを共有しつつ、段階を踏んで全社的に進めていきます。

リモートワーク推進に活用したいITツール

先述したように、リモートワークを進めるにあたってはITツールの活用が不可欠です。具体的には、以下のようなツールの導入が求められます。

コミュニケーションツール

業務に関する日常的・定期的なやり取り、ミーティングなどを円滑に進めるために使われるのがコミュニケーションツールです。ビジネスチャットやWeb会議ツールなどが代表的で、リモートワークでは欠かせない存在といえます。

管理ツール

オンラインで就業開始時刻・終了時刻の記録や、有給・遅刻・早退などの申請ができる勤怠管理ツールがあると便利です。また、社員それぞれにアサインしているプロジェクト・タスクの進捗状況や連絡事項などを共有・管理できる、プロジェクト管理ツールの導入も効果的です。

リモートワーク推進に役立つ助成金・補助金の例

リモートワークの導入を検討していても、費用面がネックになっているケースは少なくありません。そこで最後に、リモートワークの推進に役立つ助成金・補助金制度をいくつかご紹介します。

人材確保等支援助成金(テレワークコース)

良質なテレワーク(リモートワーク)の導入・実施により、人材確保・雇用管理の改善などの観点から効果を上げている企業に支給される助成金です。テレワーク用の通信機器の導入・運用はもちろん、就業規則の変更などの取り組みも対象です。

本制度で受けられる助成金には、「機器等導入助成」と「目標達成助成」の2種類があります。機器等導入助成は、新たにテレワークに関する就業規則を整備し、認定日~支給申請日までに助成対象となる取り組みを1つ以上行うことが条件となっています。支給額は支給対象経費の30%で、100万円または20万円×対象となる社員数のうち、いずれか低いほうを上限額とします。

一方、目標達成助成では、評価期間後1年間の離職率が30%以下であることなどが求められます。支給額は支給対象経費の20%(生産性要件を満たす場合は35%)で、機器等導入助成と同じく、100万円または20万円×対象となる社員数のうち、いずれか低いほうを上限額とします。

なお、機器等導入助成を受けても、テレワークを継続し、かつ離職率を抑えなければ目標達成助成は受給できないので注意しましょう。

IT導入補助金

クラウドサービスの導入費用や、顧客管理システムなどITツールにかかる費用に対する補助金です。自社の強み・弱みを分析したうえで、生産性向上のためにITツールを導入することが求められています。

ソフトウェアの申請数が1種類以上の「A類型」、4種類以上の「B類型」に分けられているのが特徴です。補助率は要した費用の1/2で、A類型が30万円~150万円未満、B類型は150~450万円以下となっています。

また、新型コロナウィルスの感染拡大を抑えるための特別枠「低感染リスク型ビジネス枠(C・D類型)」も実施されています。これらは非対面化などの取り組みを行っている中小企業が対象で、「C-1類型」「C-2類型」「D類型」と分けられており、それぞれ補助率は2/3で共通するものの、ツール要件や補助金額が異なります。

まとめ

ICTを活用したリモートワーク制度を導入すれば、社員はオフィスだけでなく自宅などでも柔軟に働けるようになります。オフィスにかかる固定費・光熱費を抑えられるのはもちろん、通勤時間の削減により社員エンゲージメント向上が期待でき、優秀な人材の離職防止などにもつながります。

リモートワークの推進にあたっては、その目的や期待する効果などを明確にしたうえで、コミュニケーションツールやプロジェクト管理ツールなどを導入し、効果測定を続けるのが一般的です。人材確保等支援助成金(テレワークコース)などの助成金・補助金を活用すれば、費用面の負担も軽減できるため、ぜひ検討してみてください。

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