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代表的なAIソリューションと活用例を紹介

 2022.07.25  CLOUDIL 【クラウディル】

AI技術の進展やDXの必要性の高まりなどにともない、「AIソリューション」に注目する企業が増えています。AIシステムの市場規模は今後も成長することが見込まれています。この記事ではAIソリューションについて、基本的な情報や活用事例などを紹介します。

AIソリューションとは

AI(Artificial Intelligence:人工知能)という言葉は幅広い領域をカバーする単語であり、本来は「人間の脳を、コンピューターを使って再現したもの」「人間の知的な営みをプログラムで作ったもの」を指します。現在では「高度な情報処理や学習・推論を行う技術」といった意味合いでも使われています。

AIの処理能力は機械学習に依存しており、大量のパターン認識によって学習が行われ、自然言語処理や画像認識などの情報処理を行います。このような機能を応用して、実際の現場において自動運転やチャットボット、IoTセンサーなど、さまざまな分野でAIが活用されています。

AIが導入される業界も多岐にわたります。小売業では、在庫管理や顧客にパーソナライズしたサービスの提供などに利用されています。製造業では、設備機器から収集したデータを分析し、需要や負荷の予測に生かされています。それ以外にも、AIを組み込んだ自動運転技術は、搬送や掃除などを行うロボットに利用されてます。

このようにAIを活用して問題解決を図るシステムを「AIソリューション」と呼びます。大量のデータを高速で処理し、素早く学習できるAIの性能を生かして、今まで人が手作業でこなしていた業務の効率化を目指します。

AIの市場規模

IT専門調査会社のIDC Japanが発表した国内AIシステムの市場予測によると、2020年の国内AIシステムの市場規模は約1,580億円でした。新型コロナウイルスの感染拡大によるマイナスの影響があまりなかった一方で、時代の変化を感じた多くの企業が組織変革の必要性を認識し、DXに取り組む流れが一層強くなる流れを受け、好調に推移しました。

国内AI市場は今後も巨大産業へと成長していくことが見込まれ、2020年から2025年における年間平均成長率は25.5%で推移し、2025年には市場規模が約4,900億円になると予測しています。

参照元:国内AIシステム市場予測を発表

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代表的なAIソリューション

AIはさまざまな分野で活用されていますが、その中でも代表的なソリューションをピックアップして紹介します。

音声認識

音声認識の分野では、AIに人の話し声を学習させて文字データに変換する技術で活用されています。音声認識技術自体は古くから研究されていたものの、一般に普及するレベルにまでは至らず、2000年代にようやく精度が上がったため、カーナビなどで利用されるようになりました。

その後、AIと連携することで精度が上がり、スマートフォンの音声アシスタントやスマートスピーカーなどの機器で利用されるようになりました。また、音声の分析性能が向上したことにより、AIが顧客の声を聞いて適切な担当者に振り分けるという事例もあります。ほかには正確さとスピードが求められる自動議事録の作成や音声による機械のコントロールなどにも利用されています。

AIによる音声認識技術は、人の声以外の音にも活用されています。例えば、製造現場で発生する音響データも音声認識の対象です。異常音を検知して故障の発見や品質維持を目的とした技術の応用が進められているのです。

画像認識

画像に映っているものを分析する画像認識技術においては、AIにパターン認識を学習させることで画像に写っているものを判定することが可能です。例えば、人間の顔の特徴を学習させることで、AIが人の顔を細かく識別します。

多くの分野での活用が期待されており、防犯分野では監視カメラから人物を特定する目的で利用されています。医療分野では、検査画像の分析に使われており、経験の浅い医師の診断をサポートします。自動車の品質管理の事例では部品のひび割れ検査に利用されています。身近なケースでは、スマートフォンの顔認証や、紙の手書き文字や印刷された文字を読み取るOCR(光学文字認識)といった利用方法があります。

故障の予知保全

機器が故障する兆候を検知するシステムにもAIが利用されています。工場やデータセンターなど、稼働率を向上したり機器の停止が起きないようにしたりする目的で導入されています。

特に製造業では設備・機械の故障が大きな損害につながるため、保守コストの削減効果を目的としたAI予知保全システムが導入されています。このシステムにより、人の感覚では発見が難しい異音や振動、通常時と異なるデータなどの検知がしやすくなります。

結果的に、機器の故障の予測がしやすくなるため、機器の稼働率を上げる効果が期待できます。仮に故障が起きたとしてもシステムによって発生場所の特定が容易になるため、保守管理担当者の負担軽減にもつながるでしょう。

分析・予測

蓄積された過去のデータをAIが分析することで、意思決定のサポートになるインサイトの提供につなげます。企業に蓄積された過去の膨大なデータは、AIに学習させるためのビッグデータとしてのポテンシャルを秘めています。人がデータに目を通して分析する方法は手間がかかりすぎるため、AIの処理能力を利用して迅速に分析を行うのです。

このようにして得られた分析結果は、経営判断や仕入れ量の予測、顧客に合わせた販売戦略構築など、さまざまな分野での活用が想定されます。また、医療分野においては疾病の予防やリスクの予測に使われています。交通渋滞の予測サービスでは、回避ルートの提案によって渋滞の緩和が可能です。

AIソリューションの活用例

ここからは、実際の現場においてAIソリューションを導入・活用している事例を紹介します。

食品工場の不良品検知で工数を大幅カット

食品工場でAIソリューションを活用した事例では、原材料の検査にAIを導入することで検品作業の効率化に成功しました。

従来のやり方では、原料の野菜を人の目によって検査し、規定の形状から外れていたり色が変わっていたりしたものがあれば除去するという方法を採っていました。しかし、作業者の負担が大きい点が問題視され、改善の必要がありました。そこで、AIを活用した検査装置を導入することで検査工程の自動化が行われたのです。

その結果、処理能力が2倍になり、作業工数を3分の1にまで減らすことに成功しました。これにより、作業者の負担軽減にもつながっています。この検査装置にはディープラーニングや画像処理技術が用いられています。規定から外れた原料を検知して除外するのではなく、規定内の形状や色を学習させた上で、それに該当しないものを取り除く手法を採用しています。

コールセンターの自動応答でオペレーターの負荷軽減

次は、電力会社のコールセンターにおいてAI音声合成とRPAを組み合わせた自動応答システムを導入したことで、オペレーターの負担を軽減させることに成功した事例です。

このケースでは、2月から4月にかけての引っ越しシーズンに電話の件数が増加するため、オペレータに負担がかかるという課題がありました。また、期間限定のスタッフには研修が必要であり、早期に採用を始める必要がありますが、そのプロセスには困難を要するという問題もあります。このような問題を解決するべく、音声認識AIと顧客の声を文字化するシステムを利用し、電話応対を自動化するシステムを構築しました。

通常、各種手続きを受け付ける際、オペレーターが顧客の名義や住所などを聞き取っていました。しかし、新しいシステムでは、顧客の要件を自動応答で聞き取り、その情報をRPAによるデータの自動転記で処理するように変更しました。その結果、全体的な処理時間の削減に成功しています。オペレーターの負担が軽減され、有人での対応が必要な問い合わせに集中できる環境が整いました。また、申し込み手続きを24時間対応できるようになったことで顧客体験の向上にもつながっています。

まとめ

AIソリューションを利用することで、業務やデータ分析が効率的になります。代表的なソリューションには、自然言語処理や音声認識、自動運転技術などが挙げられます。

AIソリューションを実際に導入した事例では、作業者の負担軽減や業務の効率化、顧客体験向上などにつながっています。国内のAI市場は今後も拡大することが予測されており、AIソリューションの導入によって効率化を達成する企業はますます増えていくことでしょう。

第5版 中堅・中小企業トレンドレポート

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