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地方創生における問題点とは?地方創生が扱う課題を2つに分けて解説

 2021.10.05  CLOUDIL 【クラウディル】

地方創生は全国的な課題であり、地方の活性化に向けた取り組みは各自治体や政府によって進められています。しかし、地方創生のためには企業の取り組みも重要な意味を持ちます。そこでここでは、地方創生への取り組みを検討している企業の方に向けて、現状の施策や問題点などを解説します。

第1期の地方創生における課題

地方創生が進めば、出生率低下による人口減少にも歯止めをかけることができ、さらに大都市への人口集中の是正も期待できます。このことは各地方での暮らしやすい環境の確保、ひいては日本社会全体の維持にも関わってくるものです。地方での暮らしを支える、経済全体でのメリットが得られます。

そこで2014年には「まち・ひと・しごと創生法」が制定、同法に基づいた第1期総合戦略も策定されました。この総合戦略では2015 年度~2019年度の間に目指す4つの基本目標が掲げられました。

  1. 稼ぐ地域をつくるとともに、安心して働けるようにする(地方に仕事をつくること)
  2. 地方とのつながりを築き、地方への新しいひとの流れをつくる(東京への人口集中を是正すること)
  3. 結婚・出産・子育ての希望をかなえる(出生数の増加などを目指すこと)
  4. ひとが集う、安心して暮らすことができる魅力的な地域をつくる(地域と地域の連携などを図ること)

そして、第1期を終えた現在においては以下のような評価が下されています。

「基本目標1に関しては、達成に向けて進んでいる」
「基本目標2に関しては、東京への人口集中が進んでおり効果が十分に出ていない」
「基本目標3に関しては、出生数の増加がみられず効果が十分に出ていない」
「基本目標4に関しては、達成に向けて進んでいる」

この検証を経て、地方への人の流れや出生数にまだまだ課題があるということが分かっています。実際、2021年現在においてこれらの問題が大幅に改善されたといえる現状にはありません。ただ、これで取り組みは終了ではありません。この結果を受け、第2期の方向性が定められています。

第2期の地方創生における課題

2020年度からは第2期として、地方創生に係る新たな取り組みも始められています。これまでの内容と独立した新たな取り組みではなく、第1期の結果を踏まえた内容となっています。何が変わったのか、どのようなことが課題となるのか説明します。

関係人口の活躍

第2期では、第1期に掲げられていた基本目標が強化されています。

例えば、ある地域に住んでいない「関係人口」の活躍も重要であると捉えられ、基本目標2に関して関係人口の活躍が盛り込まれました。関係人口とは、その地域に居住しているわけではないものの、副業などでその地域の企業で働いている人や、祭りなどのイベントに参加して地域の復興に関与している人の数を示すものです。

第2期での特徴のひとつとして、このように関係人口にフォーカスしていることが挙げられます。いかに関係人口を活躍させるかが今期の課題となっているのです。
関係人口はその地域の担い手として機能しますし、地域住民との交流によるイノベーションにも期待ができます。内発的発展のほか、将来的な移住者増加も期待できます。

横断的目標の達成

第2期では、従前の基本目標を強化するだけでなく、2つの横断的目標も追加されています。
ひとつは「多様な人材の活躍を推進する」ということです。地域内外を問わず、一人ひとりが地域資源を活用するなどして、地域の担い手として活躍してもらえるように施策を進めます。
また、活気ある地域とするためにも若者から高齢者、障害者、外国人など誰もが居場所と役割を持てる地域社会を目指すとされています。

もうひとつは「新しい時代の流れを力にする」ということです。先進的な技術を適切に活用することで人手不足、地理的問題・時間的問題なども解決できる可能性があります。
例えば、自動運転を応用した便利な物流サービスやオンライン医療などにより、様々な人にとって利便性の高い社会が実現されます。

結果として地域コミュニティの活力を高められ、住民の生活に対する満足度を高めるとともに地域の魅力を向上させられます。

コロナ問題が地方創生に与える影響

政府が地域創生に向けての取り組みを進める中、新型コロナウイルスが世界的に流行し、社会全体に多大な影響を与えています。大きなダメージを負った業界もありますし、人々の暮らし方にも変化が生じました。マスクを着け、人との接触を極力避けるようになり、衛生に対する意識も変わりました。

地方創生の問題に関しても同じく影響を受けています。

テレワーク増加による一極集中の変化

人々のプライベートでの過ごし方が変わっただけでなく、働き方も大きく変化しました。出勤時間をずらして通勤における感染リスクを下げる、といったことも行われていますが、地方創生という観点ではテレワークの導入が進んだことが大きな意味を持ちます。これまでオフィスでしか働く選択肢がなかった企業でも、人が集中するのを避けるため、テレワークを導入する例が増えました。

完全に在宅で仕事ができるようになれば、東京など、都心で生活をする必要がなくなります。
また、人口が集中しているエリアでは3密の状態になりやすく、感染のリスクも高いため、地方で生活しつつ東京に本社を置く企業に勤めるという選択肢も出てきました。
テレワーカーが増えたからといってすぐに一極集中が是正されるわけではありませんが、人が地方に流れるひとつのきっかけができたという意味で地方創生に影響を与えています。

今後は、企業と地方自治体の連携による拠点の分散、ネットワーク社会の利点を活かした地方の高度人材の採用が地方移住への流れを加速させるために重要となります。

地方に移住し、現地企業で働くだけでなく、地方にいつつテレワークで都市部の企業ともつながれる社会が望まれます。

感染対策を考慮した地方移住政策が重要

これまであまり進んでいなかったテレワークが多く行われるようになりましたし、新型コロナウイルスの流行を契機に、地方移住を後押しする地方創生政策の議論が進んでいます。もちろん、単に地方への人の流れを作っただけでは感染のリスクも移転させてしまいますので、簡単に政策が打ち立てられるわけではありません。

そのため、感染リスクも考慮しつつ地方移住に向けた取り組みを考えていく必要があるでしょう。

地方創生が抱える問題点とは

地方創生に関する問題点は、第一に成果がなかなか出せていないということが挙げられます。
次に、大きな費用を要してしまっているということがあります。地方創生に関わる交付金、給付金などに数千億円もの費用が使われ、様々なプロジェクトを合算すると年に1兆円以上もの予算が組まれています。将来的に狙い通りの地方創生が実現できれば良いですが、上手くいかないまま国家予算を投下し続けるのは大きな問題といえます。

また、自治体間での格差も問題です。交付金を得られる自治体と得られない自治体が生まれています。ふるさと納税に関しても自治体間での競争を招きました。この制度自体、個人と地域の連携強化などが図られるなどの良い面もありますが、健全に発展していかなくてはなりません。過去には制度の利用増加を追求し過ぎた結果、国と自治体間の訴訟問題にまでもつれこんでしまった事例もあります。

まとめ

地方創生に向けた施策において、特に第2期では先進技術を駆使することも重要であるとされています。テレワークが課題解決の有効な手段となり得ることからも、IT活用は欠かせないものであり、企業としても、今後どのように先進技術を取り入れていくかがポイントにもなってきます。

ただ、地方創生に関する施策は、その検証結果に応じて新たな方針が追加されたり、方向性が調整されたりもします。地方創生に関わる活動を進めていくのであれば、最新の動向を継続的に把握することをおすすめします。


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