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事業承継にM&Aは効果的か?その手法と実績

 2022.05.02  CLOUDIL 【クラウディル】

後継者問題を抱える中小企業は少なくありません。後継者がいなければ、事業の存続が危うくなり、従業員が職を失う恐れもあります。近年では、このような問題の解決策として、事業承継にM&Aを利用するケースが増えてきました。本記事では、事業承継に効果的と言われるM&Aの手法や、実際の事例を紹介します。

そもそも事業承継とは

事業承継におけるM&Aの効果や事例を知る前に、まずは基本的なことを再確認しておきましょう。以下では、事業承継の概要やメリットを解説します。

事業承継とは企業の後継者に経営を引き継ぐこと

事業承継とは、自社の事業やさまざまな資源を後継者に引き継ぐことを指し、組織を存続させるために行われるものです。経営権や知的財産、資産などをはじめ、組織の文化や風土、経営方針、事業への思いなどもすべて引き継ぐのが一般的です。

知的資産とは、独自に開発した技術やノウハウなどを指します。また、顧客情報や築きあげたネットワーク、取得している許認可、知的財産権なども含まれます。

資産は、組織が保有している運転資金や不動産などです。保有している株式や、製品の製造に用いている機械設備、オフィス業務に使用するOA機器なども該当します。なお、「負の資産」も承継の対象となることを覚えておきましょう。負の資産とは、金融機関からの借入や価値のない不動産などです。

ちなみに、事業承継と似た言葉に「事業継承」がありますが、こちらは特に権利や義務、財産などを引き継ぐことを意味します。厳密にいえば似て非なる言葉ではあるものの、使い分けが難しく、法律的な観点からしても前者を使用するのが一般的です。

事業承継のメリット

事業承継のメリットは、事業や組織の消滅を回避できることです。中小企業の経営者にとって、手塩にかけて育てた組織がなくなってしまうのは悲しいことです。事業承継を行えば、組織はもちろん事業も存続できるため、このような心配はなくなります。

事業承継の方法として、親族内承継や従業員承継などが代表的です。親族内承継は、親族に事業を引き継いでもらう方法で、早期に承継の準備を進められるメリットがある一方、経営者としての資質をしっかり見極める必要があります。

従業員承継は、従業員の経営資質やスキル、組織への思いなどを考慮したうえで事業を引き継いでもらえるのがメリットです。ただ、後継者と目されていた経営者の親族から不満が噴出する可能性もあるため、注意が必要です。

なお、中小企業庁では事業承継ガイドラインを策定しています。事業承継のステップや取り組みの重要性などが記載されているため、気になる方はこちらにも目を通してみるとよいでしょう。

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事業承継の一つ「M&A」

近年注目を集めている事業承継方法がM&Aです。M&Aとは「Merger And Acquisition」の略であり、日本語では「合併と吸収」を意味します。複数の会社が1つの組織になる、外部の企業を買収するなどがM&Aに該当します。

親族や従業員に事業を引き継いでもらいたくても、適任者が見つからない可能性もあります。外部から募るにしても、すんなりと組織や事業を引き継いでくれる人材が見つかるとは限りません。
M&Aであれば、このような問題の解決が可能です。後継者不在や育成不足などの問題を解決しつつ、資金力のある企業との合併や吸収を実現できます。特に吸収なら、組織の未来も明るいでしょう。

M&Aの支援を提供している企業も多く、そうしたサービスを利用すれば、豊富な知識を有するアドバイザーにサポートを受けつつ事業承継を進められます。この機会に、選択肢の1つとしてM&Aも視野に入れてみてはいかがでしょうか。

M&Aの種類と進め方

近年では、事業承継ファンドやM&Aを活用する中小企業が増えています。M&Aにはいくつかの種類があり、それぞれ進め方も異なるため、ここで大筋の流れを把握しておきましょう。

株式譲渡

株式譲渡とは、自社が保有する株式を後継者に譲渡することです。組織が保有する株式を後継者個人に譲渡することで、経営権の承継が可能です。

株式譲渡を行うには、双方が合意しなくてはなりません。そのうえで株式譲渡承認請求を行い、株式名簿の書き換えと登記申請を行います。ほかの方法に比べて手続きが容易であるため、中小企業がM&Aにて事業承継を進めるときによく用いられる方法です。

事業譲渡

事業譲渡とは、事業のすべてもしくは一部を第三者へ譲渡する方法です。譲渡の対象となるのは、土地や建物などの不動産をはじめ、負債を含めた資産、組織が雇用している従業員などです。

どこまで譲渡するのかは、双方による交渉で決められます。譲渡範囲が決まったあとは、双方で秘密保持契約や合意書などを締結し、経営者による面談を行うのが一般的です。経営者が勝手に事業を譲渡したとなるとトラブルの基になるので、取締役会の決議も必要です。

合併

合併とは、複数の組織が1つにまとまることを指します。1つの法人が事業や資産を承継する吸収合併のほか、新たに設立した組織へ事業を承継させる新設合併があります。

自社を含めた複数の企業が1つになるため、自社従来の社風や文化も大きく変化する可能性もあります。あまりにも変化が大きい場合、従業員の反発を招く恐れもあるため、注意が必要です。このような理由から、中小企業がM&Aを用いて事業承継を行うときには、あまり採用されません。

会社分割

1つの企業を複数の法人格に分割する手法です。新たに設立した組織へ分割した事業を承継させる新設分割と、既存企業が承継する吸収分割があります。

会社分割を進めるには、分割計画書を作成したうえで計画的に進めなくてはなりません。また、従業員や株主の混乱を避けるため、事前に周知させることも大切です。

なお、会社分割は税務に関する手続きが煩雑であるため、事業承継に詳しい税理士や専門家のサポートを受けることをおすすめします。

M&Aを成功させた事例

M&Aを活用した事業承継を検討するのなら、すでに成功している事例にも目を通してみましょう。事例を知ることで、M&Aによる事業承継のイメージをつかめます。

印刷会社の事例

書籍の企画や印刷を手掛けていたある企業の経営者は、高齢化を理由に事業承継を検討していました。親族や社内から後継者を募ったものの誰も手を挙げてくれなかったため、M&Aを決意したとのことです。

このケースでは、株式譲渡で話が進められました。従業員に対しても事前に周知を徹底していたため、混乱を招くようなこともなかったそうです。

警備会社の事例

警備事業を手掛けていたある企業も、経営者が老齢に差し掛かったことをきっかけに、事業承継を本格的に考え始めました。人材派遣を手掛ける企業へ株式譲渡を行い、組織の存続に成功しています。

買い手となった人材派遣会社は、警備事業なら自社に登録しているシニア人材が活躍できると考え、M&Aに応じたそうです。

サイト制作会社の事例

ITツールのメディアサイトを運営していたある企業は、経営者が個人で運営を手掛けていたため、業務量が増えてしまい事業譲渡を考えました。このケースでは、M&Aのマッチングサイトを利用し、譲渡先の企業を探したとのことです。

結果的に、Webサイト制作やシステム開発などを手掛ける企業への事業譲渡を成功させました。買い手側は、事業のさらなる拡大を目指していたとのことで、双方の利益がマッチした結果、M&Aの成功につながっています。

まとめ

事業承継にはさまざまな方法があります。しかし後継者が見つからない、育成が進まないといった課題に直面するケースも珍しくありません。M&Aであれば、これらの課題を解決でき、スムーズな事業承継も可能です。事業承継に課題を感じているのなら、M&Aの活用も検討してみてはいかがでしょうか。
また、事業承継で発生する費用負担が懸念材料なら、補助金を利用するのも1つの手です。制度を利用し補助金を受給することで、費用負担を軽減できるでしょう。M&Aで事業承継を進めるのなら、M&Aを専門とする企業のサポートを受けつつ進めるのがおすすめです。

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