データ活用やDXに取り組む企業が増える中、顧客情報の価値は今まで以上に高まっています。しかし、そもそも顧客情報はどのように集めて活用すればよいのでしょうか。そこで本記事では顧客情報の集め方や活用方法などについて分かりやすく解説します。顧客情報の管理に役立つ便利なツールも紹介しますので、ぜひご参考にしてください。
顧客情報を活用する重要性とは
そもそも顧客情報は企業にとってなぜ重要なのでしょうか。まずはビジネスにおける顧客情報の重要性や活用メリットについて解説します。
経営戦略の立案に役立つ
顧客情報が企業にとって重要な第一の理由は、経営戦略の立案に役立つからです。
顧客情報を活用すれば、顧客が自社に何を求めているのか、顧客が求めている具体的な製品やサービスは何か、さらには顧客と自社ブランドとの関わり方をどうするべきか、といったことをより詳細に把握できるようになります。顧客についてより詳しく知ることで、たとえば顧客情報から失注原因などを分析し、顧客のニーズに合わせて今後の戦略や改善策を立案することが可能になるでしょう。
また、効率的に企業が業績を伸ばしていくには、どの顧客が自社にどれほどの利益をもたらすのか可視化し、優先順位をつけてアプローチをすることが必要です。その点、顧客情報を分析し、案件ごとに正確な売上予想ができれば、的確で迅速な意思決定がしやすくなります。
顧客1人ひとりに最適な情報提供ができる
顧客情報が企業にとって重要な第二の理由は、顧客1人ひとりに最適な情報提供ができることです。
昨今の顧客は、パーソナライズ(個別最適化)されたアプローチを企業に求めています。つまり、自分にとって必要な情報やサポートを、必要なタイミングで届けることを企業に期待しているのです。
顧客データを収集することで、パーソナライズされたコミュニケーションや提案に関して、消費者の期待に応えられるようになります。顧客がどのような製品・サービスに興味を持っているのか理解できれば、顧客ごとにアプローチの内容や手法、タイミングを最適化しやすくなるからです。このように個別最適化されたマーケティング手法を「One to Oneマーケティング」と言いますが、その実現には顧客情報が欠かせません。
具体的なマーケティング施策に活かせる
顧客情報が企業にとって重要な第三の理由は、具体的なマーケティング施策に活かせることです。
顧客情報を分析することで、自社のターゲット層がどのマーケティングキャンペーンや戦術に最も反応し、好んでいるかを知ることができます。これによって、今後より効果的でターゲットを絞った広告を作成可能になり、予算の削減とインバウンドの増加が可能になるでしょう。
また、顧客の状態や属性に合わせてメールマーケティングの内容を変更したり、Webサイト上での顧客の行動履歴を全体的に把握してサイトの改善に役立てたりもできます。このように顧客データを活用することで、顧客体験を向上させ、コンバージョン向上のために必要な改善ができるのです。
顧客情報は2種類に分かれる
顧客情報は定量データと定性データの2種類に分けられます。顧客を深く理解するには、この両面から顧客を分析することが大切です。そこで続いては、定量データと定性データそれぞれの顧客情報の特性について解説します。
数値化できる定量データ
定量データとは、氏名や性別、年齢などの属性情報や 、購入履歴、Webサイト上での行動履歴など、数値化できるデータのことです。こうした定量データは顧客の行動パターンや傾向の理解に役立ち、エリア別の売上比率など統計的な分析に活用できます。しかし、その反面定量データは顧客行動の表面的な部分を示すだけなので、深い分析は難しいです。たとえば、定量データでは「顧客がどの製品をたくさん買っているか」は明らかにできても、「なぜその製品を買っているのか」という動機の部分はカバーできないのです。
数値化が難しい定性データ
上記のような定量データの欠点を補うような仕方で活用できるのが定性データです。定性データとは数値化が難しいデータのことで、たとえば口コミや問い合わせ内容、クレームなど自然言語で構成されたデータが該当します。定性データは定量データとは対照的に、統計的分析には不向きですが、顧客の深い心理を洞察したいときに役立ちます。
定量データと定性データはどちらが上ということはなく、目的に合わせて使い分けることが大切です。
顧客情報を収集するには
顧客情報は定量データと定性データの違いに応じて、その収集方法も異なってきます。そこで続いては、種類ごとの顧客情報の集め方を解説していきます。
定量データの収集方法
定量データに分類される顧客情報を集めるには、会員登録や顧客アンケート、購入履歴からの収集が一般的です。また、Webサイト上の顧客の行動履歴はアクセスログから抽出できます。現状では行動履歴まで収集活用できている企業は多くないので、ここに力を入れることで競合他社と差別化できる可能性が高まるでしょう。ただし、詳細なアクセス解析やデータの統合管理にはITツールが必要となります。
定性データの収集方法
定量データに分類される顧客情報を集めるには、アンケートやインタビューでの収集が一般的です。また、インターネット上の口コミやSNSの投稿を分析することでも、消費者ニーズや製品・サービスの意見などが可視化できるでしょう。また、自社への問い合わせやクレームも、製品やサービスの改善をするための重要なヒントになります。
顧客情報の活用・管理に役立つツール
顧客情報を効果的に管理活用するにはITツールを利用するのがおすすめです。そこで続いては、顧客情報の活用や管理に役立つ便利なツールを紹介します。
一元管理に便利な顧客管理システム(CRM)
顧客情報の一元管理に役立つのが「顧客管理システム(CRM)」です。顧客情報をフル活用するには、個人ごとや部署ごとに情報を管理するのではなく、全社的に一元管理することが欠かせません。その点、CRMは多種多様な顧客データを一元管理可能で、部署横断的な情報共有が可能なので、顧客情報がばらばらに管理されたり属人化したりすることを防げます。また、限定的な機能ではありますが、マーケティング機能が搭載されているのもポイントです。
統合的に管理できるCDP・プライベートDMP
顧客情報を統合的に管理するには、CDPやプライベートDMPの活用もおすすめです。これらはそれぞれ、「カスタマーデータプラットフォーム」「データマネジメントプラットフォーム」の略称で、複数のシステムと連携して、各システムで保有するデータを統合的に管理できる基盤として働きます。これらのプラットフォームを活用することで、顧客ごとに幅広い情報を網羅的に管理し、パーソナライズした対応が可能となります。自社保有のデータ活用が中心となるので、顧客理解やLTVの向上が主な活用方法となります。
Webサイトのデータ収集に役立つアクセス解析ツール
Webサイト上の顧客情報の収集や分析をするには、アクセス解析ツールの活用がおすすめです。定量データであるWebサイトでの顧客の行動履歴を収集するにはアクセス解析ツールが欠かせません。アクセス解析ツールを活用して、サイトへのアクセス数や顧客の行動、成果を分析することで、サイトの効果や課題点を明らかにし、サイト改善に役立てられます。アクセス解析ツールには有料のツールだけではなく、無料のものもあります。
まとめ
顧客情報は会社や事業の成長につながる大事な資産であり、適切に管理した上で積極的に活用することが大切です。顧客情報には定量データと定性データがあり、それぞれ特徴や収集方法が異なります。CDP・DMPなどを活用すると、効率的に管理・運用できます。CLOUDILでは顧客情報の活用や管理に関する指導などを手掛けています。顧客情報の活用に取り組むことを検討中の企業は利用されてみてはいかがでしょうか。
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