メニュー

大手企業が地方創生に関わる理由とは?観光・特産品・IT分野の実例を紹介

 2021.10.05  CLOUDIL 【クラウディル】

首都圏に本社を置くイメージのある大手企業が、今「地方創生」事業に乗り出しています。メーカーやITなど自社の強みを活かし、地域だけでは実現できない事業展開をサポートしています。この記事ではなぜ大手企業が地方創生に関わるかの理由と、大手企業の具体的な取り組み事例について紹介します。

大手企業が地方創生に関わる理由

そもそも地方創生は国が掲げている政策で、東京への一極集中を是正し、少子高齢化が加速する地方を活性化させ、日本社会全体の活力を維持しようという目的で行われています。これまでも自治体が大手企業の工場や拠点を地方に誘致する動きはありましたが、現在の動きは企業自身が地方創生に関わる姿勢に変わっているのが特徴です。以下では、その理由について解説します。

企業のイメージアップにつながる

国際社会ではグローバル企業ほど社会貢献に積極的で、企業のブランドイメージを高める努力をしています。日本でもCSR活動の取り組みに熱心な企業は消費者からも評価され、よいイメージを持ってもらえるでしょう。特に地方創生は少子高齢化社会にあって持続可能な社会を目指す大事な取り組みです。地方が活力を失えば、日本全体の活力が失われます。企業は都市部住民だけでなく、地方の生活者を支え、手助けするサポート役となることが大切です。

また、市場経済の社会では企業は消費者の行動で利益を得ており、世界ランキングに名を連ね、巨額の利益を上げた企業は利益の一部を消費者に還元する手段として、地方創生の取り組みを進めていることもあります。地方創生の取り組みはTVなどのメディアで取り上げられる機会が多く、ときには自治体や国から表彰され、感謝もされます。地方創生は企業のブランドイメージ向上に効果的なのです。

人材育成につながる

地方創生事業は大都市圏と地方の人的交流を盛んにします。ビジネス経験が豊富な企業の人材を地元に送り込み、地域を支えている地場産業の課題を取り上げ、地元の人たちと解決策を一緒に考えることで、ビジネスモデルを新たに構築できる可能性もあります。大都市圏と地方それぞれ違った視点から意見を出し合う経験を増やすことで、地方創造だけでなく、両者ともに成長することが期待できます。

また、事業が始まれば地域雇用の創出となり、事業が成長軌道に乗ることで地域が活性化され、他の分野の人材が地域に流入するケースもあります。事業が進展すれば地元雇用が進み、地方でビジネス感覚を持つ優秀な人材が育ち、企業の成長に寄与する人材育成にもつながるのです。

企業活動への相乗効果

地方創生への取り組みは企業活動にとってもプラスに働く相乗効果が期待できます。都市部の消費者をターゲットにしていたときには思いつかなかった新たなニーズに気づき、これまでにない価値観が生まれることで、ユニークな発想のビジネスやベンチャー事業にもつながりやすいでしょう。地域のニーズからヒントが見つかり、新たなマーケットを見つけるケースもあります。

大手企業は地域密着型ビジネスには不向きで、これまで関わりが薄かった分野です。地方創生事業に取り組み、地域の特色について研究するうちに、地元ならではの事業を立ち上げ、そこを足がかりに地域の商圏を取り込むことも可能です。地方創生事業が会社の主要な事業になることもあります。

地方の人材を採用できる

地方には育児や家族の介護のために、都市部で働きたくても働けない人もいます。通勤時間の長さやフルタイムで残業をこなす勤務スタイルでは、育児や介護との両立は難しくなります。地方にも仕事への意欲や高い能力がある人材が少なくないのです。地方創生事業が進み、サテライトオフィスを設けて働く場所を提供することで、地方に住む優秀な人材との接点が増えます。地元の事情に詳しい貴重な戦力を獲得する機会につながるため、大手企業にとっては大きなメリットです。

働き方の改善で従業員の満足度が向上する

地方創生への取り組みがきっかけで、企業が地方オフィスを開設すると、地方から都市圏に就活生を集めるのではなく、地元で働くという選択肢を提供できます。社員も都会の生活ではなく、自然が豊かな地方に移住して仕事を続けるということも可能です。また、地方勤務は仕事オンリーではなく社員のワークライフバランスを向上させることにもつながります。多様な働き方が可能になると社員の働きやすい環境が整備され、満足度も向上するため、積極的に応募してくれる優秀な人材を集めやすくなります。

年代や性別、出身地に囚われず、働く場を作ることは大手企業ができる役割といえるでしょう。

観光・特産品を通じて地方創生に関わる事例

続いては、地方創生に取り組む大手企業一覧の中で、観光・特産品を通じた事業に関わる企業の具体例を紹介します。

【事例1】地域産品への支援

大手食品卸会社は地域産品をすべて消費者に届けることをスローガンに、地域創生事業として取り組んでいます。安全安心で美味しい全国各地の地域産品を広く紹介し、販売していくことで地域産業を後押しし、日本の経済全体の活性化にもつながります。今までにも同じような取り組みはありましたが、これまでより強力に連携し、地域活性化策として安定した仕組みを提供するものです。流通だけでなく生産者と地域のメーカー、支援機関、金融機関、自治体などと連携することで持続可能な地域活性策を実現できます。これまでに石川県でブラッシュアップ支援、和歌山県ではプレミア認定品などのプロジェクトで販路開拓の実績があります。

【事例2】旅行客に向けての商品開発

大手旅行予約サイトのリサーチセンターでは、地方創生で観光事業を活用したい地域の悩みを解決するサポートを行っています。具体的には地元主体で観光資源の発掘や旅行客に向けた商品開発を学ぶ塾の開催です。まず、テーマを決定し、課題を共有し、議論を深め、ゴールを決めてマーケティングリサーチを実施します。旅館やホテル、飲食店、小売店、観光バス、タクシー会社、旅行会社など地元の観光業者が自分たちで地域の観光を活性化するような検討の場を提供します。大手旅行会社のサポートにより新たな地域の魅力に気づく機会が得ることが可能です。

IT技術を生かして地方創生に関わる事例

次にIT技術を生かして地方創生に取り組む企業の具体例を紹介します。

【事例1】日本各地の名産物を知って貰うために

行政ソリューションに特化したIT企業は、2014年に始まったふるさと納税制度をIT技術で拡大するサービス事業を行っています。IT技術で地域社会に活力をもたらすことをコンセプトに、あまり知られていない全国各地の名産品を多くの人に知ってもらうための活動も行っています。また、ふるさと納税で集めた寄付金の活かし方を自治体にアドバイスし、地域事業を発展させるコンサルタントのような業務にも対応しているのが特徴です。

【事例2】ふるさと納税で地域活性化を目指す

オンラインコマース事業を行っている大手企業は、地方創生と関わりが深いふるさと納税サービス事業を展開しています。地域の名産品を選りすぐり、ブランド力アップと自治体の産業の活性化に貢献しています。地元の生産者と消費者を直接つなぎ、地域に活力を呼び込み、人口流出を抑制する効果も期待されている事業です。

【事例3】ICTを利用した地方創生

情報システムサービスの大手企業はICT技術を活用した地方創生事業を行っています。ICTとは情報通信技術のことです。例えば、通年栽培が難しい種類の花をICTの環境制御システムを活用し、一年中栽培・収穫できる方法の実験を進めています。デジタルコンテンツを活用した観光客誘致事業、農業や観光など地元の産業の担い手を育てるなど長期的な視点で地方創生に関わっています。

まとめ

大手企業に限らず、地方創生に関わることは企業のイメージアップや、人材の育成、新規事業立ち上げなど企業活動における相乗効果が期待できます。地域の優秀な人材を獲得する機会も得られ、雇用を創出することで地域社会への貢献も可能です。地方創生は国が掲げる政策でもあり、今後は大手企業だけでなく、中小企業も含めより多くの企業が地方創生に積極的な関わりを持つことをおすすめします。


RECENT POST「コラム」の最新記事


大手企業が地方創生に関わる理由とは?観光・特産品・IT分野の実例を紹介