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インボイス制度に向けたシステム対応の要件とは?

 2022.04.20  CLOUDIL 【クラウディル】

インボイス制度の導入に向けて、企業はどのような対策を行えばよいのでしょうか。この記事では、インボイス制度の概要や影響などの基礎知識に触れながら、対策のポイントを買い手・売り手ごとにそれぞれ記載しました。インボイス制度に向けたシステム対応のコツや会計ソフトの導入などについて調べている方は、ぜひ参考にしてください。

2023年スタートのインボイス制度とは?

インボイス制度は正式名称「適格請求書保存方式」といい、2023年10月1日からスタートする新たな仕入税額控除の条件を定めた法律です。現在、課税事業者が消費税の仕入税額控除を行うには、取引先が発行した「区分記載請求書」が必要です。しかし、インボイス制度が始まると、この区分記載請求書ではなく、消費税などの情報を加えた「適格請求書」を用いて仕入税額控除の申請を行わなければなりません。

インボイス制度は全ての事業者が対象になるわけではなく、消費税の納税義務がある課税事業者のみに適用されます。課税事業者は国税庁に届け出を行い、「適格請求書発行事業者」の登録番号をもらうことで、適格請求書の発行が認められます。

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現行の制度とインボイス制度の違い

現在の制度で使用される区分記載請求書と、インボイス制度で新たに導入される適格請求書には、どのような違いがあるのでしょうか。ここでは、対象となる事業者や記載内容など、インボイス制度による変更点をわかりやすく説明します。

適格請求書発行事業者の違い

現在の制度で使用される区分記載請求書は、企業の規模などにかかわらず、全ての事業者が同じ内容のものを発行しています。しかし、インボイス制度が導入されると、課税事業者・免税事業者ごとに異なる請求書の発行が求められます。

課税事業者とは、年間の課税売上高が1,000万円以上の事業者のことです。インボイス制度が導入されると、課税事業者はこれまで使用していた区分記載請求書を廃止し、新しく導入される適格請求書を発行します。発行には、あらかじめ納税地を所轄する税務署長に登録申請が必要なので注意しましょう。

対して免税事業者とは、年間の課税売上高が1,000万円未満の事業者のことです。免税事業者はインボイス制度が適応されないため、これまでと同じ区分記載請求書を使用できます。しかし、免税事業者が発行する区分記載請求書は消費税の仕入税額控除に使えません。そのため、取引先が課税事業者の場合は、取引を断られたり、契約が打ち切りになったりするリスクが予想されます。

請求書の記載内容の違い

適格請求書の特徴は、消費税に関する情報を詳細に記載することです。現在の区分記載請求書に以下の三点の内容が追加されます。

  • インボイス制度の登録番号
  • 適用税率
  • 適用税率ごとの消費税額の合計

「インボイス制度の登録番号」とは、税務署に登録申請を行った時に交付される番号のことです。この登録番号の記載がないと適格請求書としてみなされません。また、事業者が登録なしで適格請求書を発行すると懲役刑や罰金刑が科され、刑の執行終了後2年が経過するまで登録ができなくなるので注意しましょう。

インボイス制度によって必要な買い手側のシステム対応

ここでは、取引における買い手側の企業が行うべきインボイス制度の対応策を紹介します。消費税の仕入税控除を受けるための条件や経理フロー、税額計算の方法などをまとめました。

仕入税額控除の適用を受けるための帳簿作成

現在、課税事業者が消費税の仕入税額控除を行うには、取引に関する一定の事項を記した帳簿を保存しておく必要があります。インボイス制度の導入後もそれらの条件は変わらず、これまで通り帳簿の作成・保存が求められます。加えて、区分記載請求書ではなく、取引先が発行した適格請求書を保存しておくことが仕入税額控除の適用条件です。

経理フローの見直し

インボイス制度では、取引先が課税事業者・免税事業者かによって、発行される請求書の種類が異なります。区分記載請求書と適格請求書を区別し、異なる経理処理を行う必要があるため、経理事務にかかる負担やコストが増える可能性があるのです。インボイス制度が導入される2023年10月1日までに、インボイス制度に対応した会計ソフトを導入したり、業務効率向上を目指すツールを導入したりと、対策を行うことが望ましいでしょう。

税額計算方法の見直し

インボイス制度の導入に伴い、税額計算方法の一部が変更になります。現在、売上税額・仕入税額の計算で用いられている割戻し計算・積上げ方式は継続されますが、それぞれに新しい特例が設けられています。

  • 売上税額(積上げ計算の特例):相手方に交付した適格請求書を保存している場合は、消費税額の合計額に100分の78を掛けた金額を売上税額とすることができる
  • 仕入税額(割戻し計算の特例):税率ごとに区分した仕入れ額の合計に、108分の 6.24または110分の7.8を掛けた金額を仕入税額とすることができる

インボイス制度によって必要な売り手側のシステム対応

ここでは、取引における売り手側の企業が行うべきインボイス制度の対応策を紹介します。適格請求書の発行に伴うシステムの見直しや、電子インボイスの発行などをまとめました。

記載内容の変更に合わせたシステムの見直し

インボイス制度が始まると、取引先が適格請求書の発行を求めてくると予想されます。既に区分記載請求書を電子発行している場合は、自動で管理システムがフォーマットの更新をしてくれることもありますが、エクセルで請求書を自作している場合や自社開発のシステムを使っている場合などは、あらかじめ請求書のフォーマットに適格請求書の内容を追加しておきましょう。

電帳法に合わせた電子データの保存

電子帳簿保存法とは、国税関係の書類や帳簿などを、電子データで保存することを認める法律です。インボイス制度では経理処理の複雑化などが懸念されるため、効率よく取引するために、電子インボイスの発行・保存が推奨されています。適格請求書は発行側・受領側共に7年間の保存義務がありますが、電子インボイスを保存する場合は、電子帳簿保存法国税関係書類で定められたルールに従う必要があります。

インボイス制度に合わせてクラウドサービスの活用も

インボイス制度による業務の複雑化が予想されるなか、どのツール・サービスを導入すればよいか悩んでいる方もいるでしょう。インボイス制度に適応した会計ツールを探している人は、クラウド型のツール・サービスがおすすめです。

クラウドサービスの特徴は、インターネット環境があればどこからでもデータにアクセスでき、抽出・検索が容易なことです。適格請求書は発行側・受領側共に7年間の保存義務がありますが、クラウドサービス上であればデータを自動で蓄積でき、パソコンのデータ使用量を圧迫しません。パソコンの障害やトラブルが起きた場合もデータが消える心配がなく、長期間のデータ保存に重宝するでしょう。

まとめ

インボイス制度とは、2023年10月1日にスタートする新たな法律のことです。インボイス制度が施行されると、課税事業者は、現在使用している区分記載請求書ではなく、新たに導入される「適格請求書」を用いて消費税の仕入税控除を行わなければなりません。注意するべきポイントは、免税事業者はインボイス制度の対象とならないため、これまでと同じ区分記載請求書を使用することです。そのため、区分記載請求書と適格請求書の2種類が混在することになり、経理処理の複雑化が懸念されています。あらかじめ、インボイスに対応した会計ソフトや業務効率化が期待できるツールなどを導入し、対策を立てることが望ましいでしょう。

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