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SDGsとESGの違いは?それぞれの視点からみる経営戦略を解説!

 2022.06.13  CLOUDIL 【クラウディル】

「SDGs」と「ESG」はどちらも環境や社会問題に関連する用語であることなど、意味を大まかに理解している方は多いでしょう。しかし具体的にどう違うのかは、うまく説明しにくいかもしれません。混同されがちなSDGsとESGの区別や関係性、経営戦略との関係を明確に理解して、自社の経営に活かしてみてください。

SDGsとESGの違いとは?

昨今、「SDGs」や「ESG」という言葉はビジネスシーンでもよく耳にするようになりましたが、お互いの区別が曖昧なまま使用されていることも多いようです。混同されがちなSDGsとESGですが、両概念はどのような点で違うのでしょうか。まずはSDGsとESGそれぞれの意味と違いについて解説します。

SDGsとは

SDGsとは、「Sustainable Development Goals」の略で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されます。SDGsは、2015年9月に開催された国連サミットにおいて、世界中の政府・組織・人々が共通して取り組むべきグローバル目標として満場一致で採択されました。SDGsは17の目標と169のターゲットから構成されています。国連加盟国はそれらの目標について、2030年までに達成するように努力することで合意しました。

SDGsの核心となっているのは、「サステナビリティ(持続可能性)」という概念です。この概念は当初、生態系の維持など環境問題の分野で使われていましたが、今日では社会問題やビジネスなどと絡めて、より多様なシーンで利用されています。

SDGsも、こうした広い意味でのサステナビリティを志向するものです。つまりSDGsにおいては、地球環境を守るだけでなく、あらゆる貧困・飢餓・疫病・差別を撲滅し、「すべての人が世代を超えて平和と繁栄を享受できる世界をつくること」が目標とされているのです。

ESGとは

ESGとは、「環境(Environment)」「社会(Social)」「ガバナンス(Governance)」の3つの頭文字からなる造語です。ESGは、2006年のPRI(責任投資原則)発足を機に、世界中で広がりをみせました。E・S・Gそれぞれに対応する課題としては、主に下記のことが挙げられます。

環境:気候変動対策、温室効果ガスの削減、産業廃棄物の削減、省エネルギー
社会:労働条件や労働環境の適正化、機会均等の促進、地域コミュニティへの貢献
ガバナンス:企業倫理の遵守、役員報酬の適正化、取締役会の多様性と構成比の適正化

これらの課題に積極的に取り組むことは企業のサステナビリティを向上させ、経営上のさまざまなリスク要因を抑制する効果もあります。そのため「これらへの取り組み度合い」を軸として、投資先企業の価値を評価・分析するという手法が、現在投資家たちの間で広まっています。こうした投資手法が、今日頻繁に聞くようになってきている「ESG投資」です。

SDGsとESGの違い

では、SDGsとESGとを比較しながら整理してみましょう。

まず、SDGsとESGはどちらも国連の活動から生まれてきた言葉であることや、環境問題や社会問題の解決が大きなテーマとなっていることは共通しています。しかし、両者は以下に挙げるいくつかの点で違いがあります。

  • 取り組みの主体
    ESGは、「企業や投資家」が取り組みの主体として想定される概念です。しかしSDGsは、「人類全体」が共有すべき普遍的な課題として、国連や各国の政府を筆頭にあらゆる組織・個人が主体として想定されています。
  • SDGsは目標、ESGは手段
    SDGsは「持続可能な開発目標」という訳語が示している通り、達成すべき「目標」ないしは「指針」として掲げられるものです。一方ESGやESG投資は、SDGsを達成するための「具体的な手段」としてみなすことが可能です。企業がESGに取り組んだり、投資家がESG投資をしたりすることで、SDGsの達成にも直接的・間接的に貢献できます。
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SDGsとESGそれぞれの視点からみる経営戦略

続いては、SDGsやESGをどのように経営戦略に組み込んだらよいのかを解説します。

SDGs視点からみる経営戦略

SDGsの観点を取り入れた経営手法をSDGs経営といいます。SDGs経営を実践するにあたっては、「SDG Compass(SDGコンパス)」を指針にするのがおすすめです。

SDGコンパスは、GRI、国連グローバル・コンパクト、WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)が作成したガイドラインです。「SDGsがビジネスにどのような影響を与えるか」を説明すると共に、「企業がSDGsを企業戦略に組み込む際の手順」もまとめられています。

SDGコンパスでは、企業がSDGsに取り組む際に以下のようにステップを踏んでいくことを推奨しています。

  1. ビジネスの文脈におけるSDGsへの理解を深める
  2. 自社が優先的に取り組む課題の検討
  3. 目標範囲や期限、KPIを設定
  4. SDGsに関する目標や取り組みを企業の主要機能に統合
  5. ステークホルダーに進捗状況を報告し、コミュニケーションを取る

SDGコンパスでは、目標設定やKPIの設定の仕方などについても具体的に説明されています。ご関心のある方は以下のリンクからSDGコンパスの本文資料をご覧ください。
(リンク先:https://sdgcompass.org/wp-content/uploads/2016/04/SDG_Compass_Japanese.pdf

ESG視点からみる経営戦略

ESGを経営戦略に組み込む際には、ESGを構成する「環境」「社会」「ガバナンス」それぞれの領域に対応した施策を行っていくのが基本です。

多くの企業が取り組みやすい課題としては、例えば省エネが挙げられるでしょう。生産活動に多量の資源やエネルギーを消費する製造業ならば、環境負荷の低い生産体制に切り替えることから始めてはどうでしょうか。また、スマートビルの例にみられるように、オフィスの電力や空調を効率化することでも省エネを進められます。

また、「社会」と「ガバナンス」双方に共通する施策としてはダイバーシティ(多様性)の促進が挙げられるでしょう。例えば女性管理職を増やしたり、性別・人種・国籍にとらわれずに人材を雇用したりすることです。従来とは異なる視点やコラボレーションが組織にプラスされ、経営活動にもよい影響がもたらされることを期待できます。

SDGs達成のカギを握るESG投資

すでに触れたように、昨今では「ESG活動の実態」を基準として、投資先企業の評価・分析を行う「ESG投資」が、投資家の間で広がりつつあります。

国際団体GSIAの統計調査によれば、世界のESG投資額は2020年に35.3兆ドル規模にまで到達しました。

fig1

出典:GLOBAL SUSTAINABLE INVESTMENT REVIEW 2020 p.9

 

また、運用資産全体に占めるESG投資の割合も年々増大し続けており、日本においても2016年時点では3.6%に過ぎなかった割合が、2020年には24.3%にまで伸びています。

fig4

出典:GLOBAL SUSTAINABLE INVESTMENT REVIEW 2020 p.10

 

こうしたことから企業にとって、ESGあるいはSDGsへの取り組みは「キャッシュフローを改善する」という観点からも重要になりつつあります。ESG投資がさらに広がりを見せれば、SDGsに取り組む企業が増え、それが市場規模の拡張や投資増を呼び込む好循環へとつながっていくかもしれません。各投資家・企業間でのESG投資の活発化は、人類規模のSDGs達成を現実的・経済的に推進していく大きな原動力ともなるでしょう。

まとめ

SDGsとESGのもっとも大きな違いは、「何を取り組みの主体と考えているか」です。SDGsは国際的な開発指標であることから、国連や政府が第一の取り組み主体として想定されます。対してESGは企業への投資指標としても活用されているように、企業や投資家が主に関係するものです。とはいえ、SDGsもESGも抱えている問題は多くの領域が共通しているので、企業がESG活動に精力的に取り組むことはSDGsの達成にも寄与することになります。

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