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【徹底解説】デジタルトランスフォーメーションのメリット・デメリットは?

 2021.11.21  CLOUDIL 【クラウディル】

近年、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の重要性がよく叫ばれていますが、使い慣れた既存のシステムを破棄してまで進める必要があるのか、疑問に感じている方は少なくないでしょう。そこで本記事では、デジタルトランスフォーメーションの概要やメリット・デメリットなどをご紹介します。

デジタルトランスフォーメーションとは?

「デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)」とは、データやICT(情報通信技術)、デジタル特性などを活用することで、顧客が起点となった新しいビジネスモデルや製品・サービスを創造し、企業価値を向上させることを指します。

リアルのサービスをそのままオンラインに移行する、いわゆる「デジタル化」の次の段階であり、ICTを活用して既存のものとは全く異なる価値を生み出すのが特徴です。

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デジタルトランスフォーメーションのメリット

企業がデジタルトランスフォーメーションに取り組むことには、主にどのようなメリットがあるのでしょうか。以下で詳しく見ていきましょう。

生産性が向上する

デジタルトランスフォーメーションの前段階のデジタル化にあたりますが、新しいツールを導入することで、生産性の向上が期待できます。

たとえば、日々の売上データを抽出・図表化してくれる機能が導入されれば、煩雑なルーチンワークの手間が省けて効率化につながります。その分リソースに余裕が生まれるため、優先度の高いタスクや、有人対応ならではのクリエイティビティが求められる業務などに集中できるでしょう。それによって社員の満足度も向上していくはずです。手作業を減らすことで、それに伴うヒューマンエラーの防止にもなります。

新しいサービスの開発ができる

クラウド・AI・ビッグデータ・IoTなどのさまざまなテクノロジーを有効活用して、新しいサービスの開発につなげられることもメリットです。インターネット経由で集めた製品の使われ方のデータを収集・分析すれば、顧客が今求めていることの傾向が把握しやすくなるため、よりニーズにフィットした製品の開発が可能になるでしょう。

働き方改革につながる

新しいツールを導入することで、社員の柔軟な働き方を提供できるというメリットもあります。データをオンラインで一元管理できれば、場所や時間の制約を受けることなく、オフィスと同様に情報へのスムーズなアクセスが可能になります。これはリモートワークの基盤としても欠かせません。

災害への対策ができる

デジタルトランスフォーメーションは、昨今のコロナ禍をはじめとする感染症や、地震・台風などの自然災害が発生した際のリスクヘッジにもなります。オンラインにデータ・情報を集約させておけば、こうした非常時においてもデータロスのリスクが抑えられ、事業の再開・継続がよりスムーズになるでしょう。

デジタルトランスフォーメーションのデメリット

このように、デジタルトランスフォーメーションにはさまざまなメリットがありますが、いくつかデメリットも存在します。メリット・デメリットの両方を押さえたうえで取り組むことが大切です。

コストがかかる

まず、一時的にコストがかかる点が挙げられます。前段階のデジタル化にあたって、ハードフェア・ソフトフェア・サービスなどの導入・運用費用が必要になるでしょう。また、社員が使うノートパソコンやタブレット、スマートフォンなどの各デバイスも必要です。

既存システムからの脱却に時間がかかる

デジタルトランスフォーメーションの第一段階として、既存システムからの脱却が挙げられます。しかし、既存システムが大規模であったり、部門により使っているシステムが異なっていたりすると、一度に新しいシステムへ移行するのは困難です。スムーズに移行しやすいよう、データフォーマットを統一するなどの下準備を行い、部門間で連携を取りながら計画的に進めていく必要があります。

その際、経営者がデジタルトランスフォーメーションの一環として、システム移行について理解を深めることはもちろん、使い慣れたシステムを手放す側である社員にも、新システムを導入する目的・メリットなどを共有し、全社的な協力体制を整える必要があります。

また、社員が新システムの運用に慣れるまでには、少なからず期間がかかります。その間は一時的に生産性が落ちる可能性があるため、システム移行前にフローの見直しも検討しておくことが大切です。

セキュリティ対策が必要になる

デジタル化を進めるにあたって、セキュリティ対策はとても大切です。特に、クラウド型のサービスを使ってリモートワークを行う場合、社員はそれぞれのインターネット回線に接続するため、オフィスよりも情報漏えいなどのリスクが高くなります。

ウイルス対策ソフトやファイアウォールをはじめ、セキュリティ対策の強化に努めなければなりません。また、社員にもセキュリティ対策の重要性をしっかりと伝え、全社的なセキュリティリテラシーの向上を図る必要があるでしょう。

デジタルトランスフォーメーションは取り入れるべき?

ここまで見てきたようにメリット・デメリットがありますが、結論から述べると、デジタルトランスフォーメーションは「取り入れるべき」であり、取り入れなければ今後の企業価値は失墜すると考えたほうがよいでしょう。最後に、デジタルトランスフォーメーションを取り入れるべき理由について解説します。

既存システムのレガシー化

デジタルトランスフォーメーションの大きな障壁となるのが、老朽化・複雑化・ブラックボックス化した既存システムです。

2020年に経済産業省が発表した「DXレポート2(中間取りまとめ)」によると、2025年までにシステムを刷新しなければ、既存のレガシーシステムの維持・保守にかかるコストやセキュリティリスクが増大し、2025年以降、年間最大12兆円の経済損失が発生するおそれがあるとのことです。この指摘は、いわゆる「2025年の崖」として注目を集めました。そのため、早急に既存システムの仕分けを行い、新しいシステムを取り入れることが求められます。

しかし、「2025年の崖」にばかり気を取られていると、「デジタルトランスフォーメーション=レガシーシステムの刷新」「レガシーシステムにかけていたコストを削減した分、単価を下げれば競争力が上がる」など、誤った解釈に捉えられかねません。また「せっかくAIを導入したから、そのAIで何かをしたい」といった、手段と目的が逆転するケースも見られます。

その結果、現在の日本におけるデジタルトランスフォーメーションの成果は、全体的に単なる「業務効率の改善」にとどまっており、既存の概念を覆すような新しいビジネスモデルや製品・サービスの創造には至ってはいません。この状態が続けば、日本企業は多様化する社会・市場のニーズに応えられず、やがては競争力を失ってしまいます。

このような状況を打破するためには、システムを刷新するだけでなく、「企業文化そのものがレガシー化していないか」を自問し、デジタルトランスフォーメーションを通して顧客視点での抜本的な変革を続けることが必要です。その際、日本企業は「IT=コスト」と捉えがちですが、ICTの価値・重要性に対する理解を深め、ベンダー企業との共創関係を構築することも大切です。

ビジネスや消費者マインドの変化

SDGsの採択やデジタル化、SNSの普及などによって、ここ数年で顧客ニーズは大きな変貌を遂げました。そこにコロナ禍も重なったことで、今や既存のビジネスの常識は通用しなくなりつつあります。サブスクリプション市場の成長や、特定の場所・時間での体験を重視する「トキ消費」傾向なども、その例として挙げられるでしょう。

このような変化を続ける顧客ニーズに素早く応えるためには、迅速な意思決定・行動が大切ですが、そのためにもICTは欠かせません。「製品にセンサーを取り付け、消耗品がなくなる前にタイミングよく届ける」「オンラインフィッティングなど、AIを活用して顧客体験価値(カスタマーエクスペリエンス)を向上させる」などの取り組みが、今後ますます求められるでしょう。

また、特にデジタルネイティブ世代は、企業が提供する社会的価値をしっかりと見極めたうえで消費行動に移ります。そのため、企業は自社のビジョン・スタンスを明確にし、それらから逸脱しないよう全社的に気を配らなければいけません。「電話でのカスタマー対応をクラウドで共有し、チャットからの問い合わせの回答へ活かす」など、企業の一貫した対応を支えるのもまたICTです。

まとめ

デジタルトランスフォーメーションは、ICTを有効活用することで顧客ニーズに迅速に応え、企業価値を高めることをいいます。その最初のステップとして、老朽化・複雑化・ブラックボックス化した既存システムの刷新が求められます。しかし、それだけでは単なる業務改善であって、デジタルトランスフォーメーションとはいえません。ICTを使って顧客ニーズに応え、企業のスタンスを明確にして一貫的な対応を取りながら、カスタマーエクスペリエンスの向上を目指し続けることが大切です。

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