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「地方創生SDGs」とは? 地方創生とSDGsの目標を理解しよう

 2021.10.06  CLOUDIL 【クラウディル】

少子高齢化などの影響で地方の衰退が進む中、「地方創生SDGs」に向けた取り組みが日本の喫緊の課題となっています。本記事では、地方創生とSDGsそれぞれの目標を取り上げ、両者の融合概念である地方創生SDGsを解説します。また、国の取り組みとして「SDGs未来都市」「自治体SDGsモデル事業」についてもご紹介します。

地方創生が掲げる目標とは

「地方創生」とは、少子高齢化や首都圏への人口一極集中などを背景に、衰退が進む地方を活性化するための取り組みです。総務省が2019年に策定した資料「地方創生の現状と今後の課題」によれば、地方創生を実現するための基本的な目標として、以下の4つが挙げられています。

目標1:地方にしごとをつくり、安心して働けるようにする
目標2:地方への新しいひとの流れをつくる
目標3:若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる
目標4:時代に合った地域をつくり、安心なくらしを守るとともに、地域と地域を連携する

目標1は、地方の雇用や仕事の創出に関わる取り組みです。そもそも働く場がなければ、若い人は否応なく都市部に行かざるを得ないため、地方経済の活性化は欠かせません。

目標2は、地方移住の促進を主に意味します。目標1とも関連しますが、観光資源を活用したり、政府関係機関や企業の地方拠点を誘致したりすることが、具体的な施策となります。

目標3は、少子化対策に直接的に関わるものです。少子化を解消するには、仕事と子育てを両立しやすい仕組みづくりをしたり、必要に応じて経済支援をしたりすることが重要です。

目標4は、医療・介護・少子化・高齢化問題などの問題に対応し、安心して暮らせる持続可能な地域社会をつくるための取り組みです。集落生活圏の維持や地域防災の環境確保なども含まれます。

これら4つの大きな目標を達成するためには、情報支援・人材支援・経済支援からなる「三本の矢」が必要とされています。

SDGsが掲げる目標とは

「SDGs(エスディジーズ)」とは“Sustainable Development Goals”の略語で、「持続可能な開発目標」を意味します。SDGsは自然破壊や貧富の格差など、地球規模の取り組みが必要とされる世界的課題を背景に、2015年に開かれた国連サミットで150ヵ国以上の賛成のもと採択されました。SDGsでは、より自然環境に優しい産業社会、より公正公平な経済社会、そしてあらゆる人が安全安心に生きていける社会をつくるために、17の目標を設定しています。それぞれの内容は以下の通りです。

  • 目標1:貧困をなくそう
  • 目標2:飢餓をゼロに
  • 目標3:すべての人に健康と福祉を
  • 目標4:質の高い教育をみんなに
  • 目標5:ジェンダー平等を実現しよう
  • 目標6:安全な水とトイレを世界中に
  • 目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 目標8:働きがいも経済成長も
  • 目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 目標10:人や国の不平等をなくそう
  • 目標11:住み続けられるまちづくりを
  • 目標12:つくる責任 つかう責任
  • 目標13:気候変動に具体的な対策を
  • 目標14:海の豊かさを守ろう
  • 目標15:陸の豊かさも守ろう
  • 目標16:平和と公正をすべての人に
  • 目標17:パートナーシップで目標を達成しよう

上記の目標は、「社会」「経済」「環境」「枠組み」の4分野に区分できます。目標1~6までは、すべての人が健康的かつ人間らしい生活を営める「社会」を目指すものです。次いで目標7~12までは、過酷な労働環境や不公正な取引などを抑制しつつ、誰もが最低限の暮らしを享受できる「経済」を構築するための取り組みに関わります。

目標13~15は、近年加速する自然「環境」の破壊を抑止するための目標です。そして目標16・17は、上記すべての目標を達成するための根本的な理念や、パートナーシップの強化といった「枠組み」に関することを指しています。

17の目標はいわば大目標であり、その下にはさらに具体的な169の小目標と、232の指標が存在します。これらの目標は、先進国も含めたあらゆる国が普遍的に取り組まなければならず、誰一人取り残さない包摂的なものであるべきとされています。また、各目標は互いに絡み合っている部分も多いため、統合的な観点が必要です。

地方創生とSDGsが結びつく「地方創生SDGs」とは

ここまで地方創生とSDGsの目標をそれぞれ見てきましたが、それでは「地方創生SDGs」とは何を意味するのでしょうか。結論からいうと、地方創生SDGsとは「SDGsを原動力とした地方創生」のことであり、実際にSDGsが掲げる目標を参考にして、自治体が目標を決めることを意味します。

ここまで読み進めて、すでに地方創生とSDGsそれぞれの目標のあいだには、相互に共通する問題が含まれていることに気づいた方もいるのではないでしょうか。たとえば、地方創生の目標1「地方にしごとをつくり、安心して働けるようにする」は、SDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」と共通点があります。また、地方創生の目標3「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」は、SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」とも関係しています。さらに、高齢化が問題になっている地域においては、SDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」が重要な意味を持つでしょう。つまり、SDGsの目標やその達成に向けた取り組みは、地方創生においても転用可能な要素がかなり含まれているのです。

一例として、愛知県犬山市の取り組みを挙げてみましょう。同市では、今後の市の総合計画や環境基本計画、子育て支援事業などの策定にあたって、SDGsを骨子に置いています。たとえば、犬山市では深刻化する高齢化が課題となっていますが、高齢者の雇用創出や働きがいの確保、そして地域産業の振興のために、「おいしい花子」という糖度の高い独自ブランドトマトの栽培・販売事業を展開しているのです。

「おいしい花子」の栽培は耕作放棄地だった土地で行われており、持続可能な農業や、環境に優しい農業であることが意識されています。そして、この取り組みはSDGsの目標2「飢餓をゼロに」や、目標8「働きがいも経済成長も」に直接関わるものです。あるいは、高齢者の貧困問題の解消や、産業の振興による地域活性化という点では、目標1「貧困をなくそう」や目標11「住み続けられるまちづくりを」にも関連した取り組みといえるでしょう。

「SDGs未来都市」「自治体SDGsモデル事業」とは

地方創生に向けたSDGsについて、日本では現在、国を挙げた取り組みが進められています。それが「SDGs未来都市構想」、そして「自治体SDGsモデル事業」です。

そもそも日本では、SDGsが2015年に国連で採択される以前から、「環境未来都市構想」という持続可能な社会に向けた取り組みが進められていました。そして、2008年には脱炭素社会を目指す「環境モデル都市」、2010年には超高齢化社会に向けて新たな価値を創造し、誰もが住みたい街を目指す「環境未来都市」のモデル都市の募集を始めていたのです。

SDGs未来都市とは、この2種類の目標からなる「環境未来都市構想」に、SDGsの手法を取り入れて発展的に進化した構想であり、2018年からモデル都市の選定がスタートしました。SDGs未来都市の指定を希望する都市は、「地方創生SDGsローカル指標リスト」などを参考に計画を策定し、SDGs未来都市に選定された都市には、自治体SDGs推進関係省庁タスクフォースによる支援が提供されます。そしてSDGs未来都市の中から、特に先導的な取り組みを行っている10都市が、さらに自治体SDGsモデル事業に選定され、国から補助金が支給されるのです。

2021年には31都市がSDGs未来都市のモデル指定を受け、持続可能な地域社会の構築のために精力的に取り組んでいます。SDGs未来都市一覧の2021年版は、内閣府のHPにて確認できます。

また地域創生SDGsには、企業の積極的協力などさらなる普及が不可欠です。そのため内閣府では、「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」を設置したり、企業や金融機関によるSDGsを意識した「地方創生SDGs登録制度」「地方創生SDGs金融フレームワーク」の構築にも取り組んだりしています。

まとめ

今回は地方創生とSDGsそれぞれの目標を取り上げ、両者の概念を融合させた「地方創生SDGs」について解説しました。持続可能な社会を志すSDGsの目標は、多くの部分で地方創生とも共通するものです。それゆえSDGsに向けた取り組みの中には、地方創生にとっても役立つヒントが数多く含まれています。SDGsへの理解を深め、ぜひよりよい地方創生を目指してください。

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