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事業承継とは?中小企業における後継者問題や課題について

 2022.04.29  CLOUDIL 【クラウディル】

事業承継の問題に頭を悩ませる中小企業経営者は少なくありません。事業を後世に残したくても、後継者がいなかったり、相続トラブルが発生したりするなど、さまざまな課題に直面してしまうケースがあるのです。本記事では、事業承継の概要や中小企業が直面しやすい課題、成功へ導くポイントなどについて解説します。

事業承継とは

事業承継とは、組織が有するさまざまな資源を後継者へ引き継ぐことを指します。組織の経営権をはじめ、業務に使用している設備、独自の技術やノウハウ、顧客情報などあらゆる資産が対象です。

高齢化社会である日本では、多くの中小企業経営者の高齢化が進んでいます。そのため、早期に事業承継を進めたいと考える経営者も少なくありません。しかしながら日本では、高齢化だけでなく少子化も進んでいるため、従来に比べ後継者の確保がさらに難しくなっているのが現状です。

事業承継ができないと、苦労して成長させた組織が消滅してしまう恐れすらあります。また、事業承継ができたとしても、業績が悪化したり、トラブルが発生したりするケースは少なくありません。このような状況を回避するため、事業承継に関する課題を認識し、問題意識を持って取り組む必要があります。

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中小企業の現状

中小企業の数は年々減少しており、経営者の年齢にも分散化の傾向が見受けられます。中小企業庁が2016年に公表した「事業承継に関する現状と課題について」によると、50~70代の経営者が多いとの結果ですが、中でも70代の中小企業経営者が占める割合は年々増えています。

また同資料では、2020年ごろに団塊世代の経営者が大勢引退すると予測されています。きちんと事業承継の準備ができているのなら問題ありませんが、そうでないのなら後継者を見つけられず、多くの企業が廃業に追いやられてしまうかもしれません。
(参照元:https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/shingikai/kihonmondai/2016/download/161128kihonmondai03.pdf

事業承継に関連する問題

事業承継に関する課題として、「後継者が決まっていない・育成できていない」などが挙げられます。また、相続トラブルが発生する恐れもあることを覚えておいてください。以下で詳しく見ていきましょう。

後継者が未決定・育成不足

事業承継をしたくとも、後継者に適した人材がいない可能性もあります。中小企業であれば、親族に事業を引き継ぐケースも少なくありません。しかし後継候補者本人にその意思なければ、事業承継はできません。また、本人に意思があっても経営の資質が伴っていないなら、承継後に事業を悪化させてしまうことも考えられます。

内部に事業を引き継げる人材がいない場合、後継者募集をして外から連れてくるのも1つの手です。ただ、このケースでも資質や適性をしっかりと見極める必要があり、時間がかかりすぎる可能性があります。

そのほか、後継者を育成できていない企業も多く見受けられます。経営者がまだ元気なケースでは、必要性に迫られず育成が遅れてしまうのです。ただ、高齢の経営者となると、いつ体調を崩すかわからないため、早い段階から育成を進める必要があります。

事業承継で相続トラブルが生じる可能性

親族に事業を引き継ぐ場合、相続トラブルにも気をつけねばなりません。後継者候補の親族が複数いるようなケースでは、経営者に後継者として選ばれなかった者が反感を抱いてしまうかもしれません。また、親族に経営の資質がなく、外部から後継者を選ぶケースもトラブルに発展する恐れまであります。

このようなトラブルを防ぐには、早めに後継者を決めて話を進めておくことが大切です。早めに後継者を決めて周知させ、併せて親族ともきちんと話し合いを進めることで、トラブルを回避できるでしょう。

なお、事業承継では後継者が組織の負債も引き継ぐことになるため、注意が必要です。後継者と従業員が対立してしまうようなトラブルさえ発生することもあるので、しっかりとした対策が求められます。

事業承継の種類

事業承継にはいくつかの種類があることを覚えておきましょう。代表的なものとして、親族内承継や社内事業承継、そしてM&Aによる事業承継などが挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

親族内承継

親族内承継とは、経営者が自身の子どもや孫などの親族に事業を引き継がせる方法です。経営者の血縁が組織を引き継ぐため、社内外の理解を得やすく、早い段階から後継者候補として育成を行えるのもメリットです。

一方、候補たる親族に経営の資質がなければ、ほかの方法を模索しなくてはなりません。資質のない親族を無理やり後継者にしても、あとからトラブルを招くリスクが高まります。

また、後継者として指名された親族と、それ以外の親族との間で遺産などを巡るトラブルが発生する可能性もあるため、注意が必要です。

社内事業承継

社内事業承継は、自社の役員や従業員から後継者を選んで事業を引き継ぐ方法です。実際に自社で働いていた従業員から選ぶため、実務や経営能力、カリスマ性などを判断材料に後継者として据えることが可能です。

また、長く組織に在籍してきた人物であれば、経営方針が大きく変化することも少ないでしょう。そのため、従業員は以前と変わらない環境で働けるうえ、新しい経営者と対立するようなトラブルも回避できます。

一方、親族に後継者候補がいる場合には、納得させるまでに時間がかかるかもしれません。ほかにも、後継者として選ばれなかった役員や従業員から不満の声が上がる、組織内で権力闘争が勃発する、といった問題発生も懸念されます。

M&Aによる事業承継

M&Aによる事業承継では、組織同士の合併や株式譲渡により、外部の企業へ事業を引き継ぎます。後継者候補がいない場合に有効な方法であり、合併先や株式譲渡先企業から経営者を迎えられるため、従来通り会社を存続させられます。

事業を引き継いでくれる後継者を広く募れるのがメリットです。優秀な経営陣を迎え入れられる可能性があるほか、資金力のある企業との合併や、株式譲渡であれば経営の安定も見込めます。

一方で、希望する条件に合致する企業がなかなか見つからない恐れもあるため、注意が必要です。現在ではM&Aの支援を行う企業があり、さまざまなサポートを受けられるため、このような企業のサービスを利用することも検討してみるとよいでしょう。

事業承継を成功させるために

事業承継に失敗してしまうと、事業を引き継いですぐに組織が瓦解する可能性も否めません。事業承継に失敗しないよう、以下のポイントを押さえておきましょう。

早めに事業承継を検討、人材の育成などを踏まえた計画を立てる

事業承継には数年かかると言われています。ときには10年近い期間が必要になるケースもあるため、早い段階から準備を進めることが大切です。

後継者の選定や育成を行うのなら、きちんと計画を立てて進めましょう。上述したように、事業承継には時間がかかるため、計画を立てたうえで慎重に進めなくてはなりません。どのように育成を進めるのか、経営方針をどうするのか、株式をどう承継するのかなど、しっかりと計画したうえで進めましょう。

自社株など経営に関する問題点を解決しておく

経営に関する問題が発生していると、事業承継後にトラブルを招く恐れがあります。従業員を従来通り雇用できなくなる可能性もあるため、あらかじめ問題点を解決しておくことが大切です。

また、自社株の税金対策も行いましょう。よくある手法としては、好意的な株主へ自社株を移転させる方法があります。信頼できる株主でないと、経営権を奪われてしまうかもしれないため、注意しましょう。

事業承継に関する税制や継承補助金の活用を確認する

後継者が過剰な税負担に直面しないよう、きちんと対策を進めておきましょう。税負担を軽減させるには、制度の活用がおすすめです。

利用できる制度として、事業承継補助金が挙げられます。これは事業承継やM&Aなどをきっかけに、新たな取り組みを進めようとしている企業をサポートするための制度です。事業承継に伴い発生する経費の資金援助を受けられるため、金銭的な負担の軽減につながります。

まとめ

農業や製造業など、あらゆる業界の中小企業は事業承継の問題に直面する可能性があります。自身が引退したあとも組織として存続させ、継続的に発展できる企業であり続けるためには、ポイントを押さえた事業承継への取り組みが必要です。事業承継を成功させるため、早めに人材の育成を進めるのはもちろん、顕在化している課題の解決にも取り組みましょう。

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