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中小企業庁がすすめる「事業承継」の取り組みとは?

 2022.04.13  CLOUDIL 【クラウディル】

深刻な少子高齢化が進む中、中小企業においても経営者の高齢化が顕著に進んでいます。こうした経営者の中には、自分の仕事を次世代に引き継ぎたいと考えている人も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、中小企業庁が現在推進している「事業承継」の概要やその仕組みについて解説していきます。

中小企業が抱える問題とは?

超高齢化が進む日本において、多くの中小企業が大きな問題に直面しています。まずは、少子高齢化に伴って、日本の中小企業がどのような問題を抱えているのかを見ていきます。

高齢化

中小企業が抱えている第一の問題は経営者の高齢化です。日本社会の高齢化の影響は中小企業にも及んでおり、中小企業庁のHPに記載されている2020年の調査データによれば、経営者年齢の中央値はこの20年のあいだに50代から60~70代へと移り、高齢化が顕著に進んでいます。
(参照元:https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/know_business_succession.html

しかも、この数字は今後さらに悪化していくことが予想され、2025年には約245万人の中小企業経営者が70歳以上に達するのです。これは日本の中小企業の約3分の2にも当たることから、今後高齢を理由にした廃業が増加していくことが懸念されます。
(参照元:https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/kenkyukai/hikitugigl/2019/191107hikitugigl03_1.pdf

後継者不足

経営者の高齢化と共に深刻な問題として浮上しているのが後継者不足です。中小企業庁のデータによれば、60代の経営者の約半数、70代の経営者の約4割、80代の経営者の約3割は、後継者がいないという問題を抱えています。近年、中小企業の休廃業は増加傾向にあります。たとえば2014年には約3万4,000件だった休廃業数が、5年後の2019年には約4万3,000件と飛躍的に増えています。
(参照元:https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2020/chusho/b1_3_2.html

このような中小企業の廃業増加の背景にも、後継者の不在が大きく関係しています。実際、中小企業庁のデータによれば、中小企業の廃業理由の約3割は「後継者不在」、約4割は「事業承継の意向がない」ことです。少子化が進む中、子どもや孫などの身近な人間関係の中から後継者を選ぶことは今後ますます難しくなってくるでしょう。同データによれば、廃業した中小企業のうち約6割が黒字企業でした。経営者の高齢化および後継者不足が日本経済に与える損失は、非常に大きなものであると言えるでしょう。

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中小企業庁がすすめる「事業承継」とは?

中小企業の経営者の高齢化・後継者不足が深刻化する中で、中小企業庁が推進しているのが「事業承継」です。事業承継とは、会社の経営を今の経営者から別の新たな後継者へと引き継ぐことを意味します。

この事業承継においては、経営権や資産のほか、経営者が事業に込めた想いや経営理念、企業文化なども引き継いでいきます。とりわけ中小企業においては、経営者の考えや人柄が経営に直接反映されやすいことから、その会社独特の魅力や強みが醸成されていることが多くあるでしょう。したがって事業承継においては、後継者となる新たな経営者が、そうした企業風土を理解し尊重してくれる人物かどうか見極めることが重要となってきます。

先述のように、廃業している中小企業の中には黒字企業も多く、高度な技術や一定のニーズを有している場合もあると考えられます。単純に雇用の受け口が減少するデメリットはもちろんのこと、中小企業が持つそうした貴重な技術を失うことが、日本の国力にとっても大きな損失であることは明らかでしょう。こうした事情を背景に、中小企業庁では補助金や税制優遇などの施策の活用を促し、「事業承継ガイドライン」の策定を行うことで、中小企業の事業承継を進めています。

事業承継で引き継がれる3つの要素

続いては、事業承継で引き継がれる3つの要素について解説していきます。

人(経営)の承継

事業承継において第一に引き継がれるのは、今後誰がその事業を存続していくのかという「人」の要素、すなわち経営権です。先述のように、中小企業においては経営者個人の影響力が非常に強くなるため、誰に引き継ぐのか、その選定や育成は非常に重要なポイントとなります。

資産の承継

事業承継においては、会社が保有する「資産」も引き継がれます。主だった資産としては、会社の保有する資金・債権・特許権などの財産権のほか、事務所や店舗などの不動産が挙げられるでしょう。また、この資産の中には、株式が含まれていることも重要です。後継者が半分以上の発行株式数を持てなければ、経営権を取得することはできません。

知的資産の承継

事業承継においては、上記のような有形資産以外にも知的資産も引き継がれます。会社または経営者が持っている特許、ノウハウ、顧客情報、取引先との関係などが知的資産の代表例です。こうした知的資産の引き継ぎをスムーズに進めるためには、社内インフラをクラウド化するなど、情報管理体制を効率化しておくことが重要になります。

事業承継の引継ぎ先

続いては、事業承継の引き継ぎ先(後継者)としてどのような選択肢が考えられるのかを見ていきます。

親族内承継

事業承継の引き継ぎ先として真っ先に考えられるのは親族内承継です。これは子どもや兄弟などの親族を新たな後継者に据えることを意味します。親族という最も身近な人間の中から選ぶため、自分の事業を他者へ引き継ぐことに対する心理的抵抗感も少なく、引き継ぎのための準備期間も長く確保がしやすいのがメリットです。また、相続等による財産・株式の後継者移転が可能なのも利点でしょう。ただし、いくら親しい親族とはいえ、その人物が経営者にふさわしい能力を備えているかは別問題です。少子化や核家族化も進行する中、親族内承継という選択は今後難しくなってくるかもしれません。

従業員承継

引き継ぎ先の第二の選択肢として考えられるのは、従業員承継です。これは自社で働く従業員や役員を新たな後継者に指名する方法に当たります。従業員承継のメリットとしては、仕事を共にしてきた人材を後継者に充てるため、経営者としての適性があるかどうか見極めやすいことでしょう。特に後継者が長年勤続している従業員ならば、大きな環境変化を及ぼすことなく経営を引き継ぎやすくなります。ただし従業員承継の場合のデメリットとして、該当の従業員が事業承継に必要な資金調達をできるかどうかという問題があります。

M&A(社外への引継ぎ)

引き継ぎ先の第三の選択肢はM&A、すなわち社外への引継ぎです。これは既存の企業や、起業を希望する社外の第三者へ株式譲渡や事業譲渡によって自社を引き継ぐ方法を意味します。M&Aのメリットとしては、親族内承継や従業員承継が難しい場合でも広く候補者を求められることが挙げられます。また、株式の譲渡によって、既存の経営者が売却益を得られることもメリットと言えるでしょう。ただしM&Aの場合、新たな経営者は社外の人間であるため、以前とはまったく異なる経営方針の下で会社の舵取りをしていく可能性が考えられます。新旧の経営者のあいだでこの辺りの折り合いがつけられるかどうかが、M&Aを行う場合のポイントのひとつとなるでしょう。

クラウドを利用して後継者探しを

上記のように事業承継の引き継ぎ先は大まかに3つ考えられますが、冒頭で述べた通り後継者を見つけられないまま廃業してしまう中小企業も多いのが現状です。今後ますます高齢化が進む中、中小企業の事業承継問題は、当の企業や経営者個人だけでなく、日本社会全体における喫緊の課題と言えるでしょう。

このような状況下において、最近では中小企業の後継者探しをサポートするクラウドサービスが登場しています。これは、後継者がいない経営者と、会社を引き継ぎたい希望者をオープンネームでマッチングするというサービスです。また、このマッチングサービスの提供事業者は、中小企業の事業承継にあたって必要な特例事業承継税制のリスク管理なども行い、同税制の認定や納税猶予に必要な手続きもサポートします。こうしたサービスをうまく活用することで、身近な人間の中から後継者を選べない状況でも、スムーズに最適な後継者を探し、事業承継を実現することが可能になります。

まとめ

少子高齢化が進む中、中小企業における後継者探しは日本社会全体の重要課題となっています。スムーズに事業承継をするためには、経営権や資産だけでなく、社内で保有しているあらゆる情報も後継者に引き継ぐことも欠かせません。これを可能にするためには、社内インフラをクラウド化して、そこに自社のデータを集約するなど、システムのモダナイズをすることが大切です。本記事を参考に、ぜひ最適な形での事業承継を実現してください。

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