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事業承継補助金とは? 助成額や対象経費を徹底解説

 2021.10.06  CLOUDIL 【クラウディル】

現在、中小企業庁では、事業承継により新しい事業や取り組みを始める中小企業を対象に、補助金の交付を行っています。そこで本記事では、事業承継補助金制度の全体的な概要、および補助対象や補助率、申請に必要な書類といった基礎知識を詳しく解説します。これらを参考にすることで、事業承継の手続きをスムーズに進められるでしょう。

事業承継補助金とは

「事業承継補助金」には、「承継後の事業者を支援するもの」と、「M&Aの仲介手数料を支援するもの」の2つのタイプがあります。これは、補助金を受け取るための理解すべき基礎知識なので、あらかじめ知っておきましょう。

経営者の交代やM&A、起業を支援する「経営革新型」

2つの事業承継補助金のうち、承継後の事業者を支援するのが「経営革新型」といい、承継後に新しい事業の計画を立てた場合に、補助金を受け取れます。この経営革新型には、「創業による事業の引き継ぎ」「後継者による事業相続」「M&Aによる事業再編・統合」の3つのタイプがあります。

まず、創業による事業の引き継ぎは、他の事業の資産を引き継いで、新しく事業を始める方が対象となります。後継者による事業相続は、親族内での承継や外部人材の招致、社内事業の承継などによって、後継者が存在する場合に対象となる補助金です。そして、M&Aによる事業再編・統合は、その名の通り、事業合併や分割、譲渡といった状況が該当します。

それぞれ承継の方法によって、交付の書類内容や補助上限額が変わるので、事前にチェックしましょう。

FA・M&A 仲介専門家への報酬を支援する「専門家活用型」

「専門家活用型」は、M&Aを検討している企業が専門家を活用する際に、発生する費用の一部を賄ってくれる補助金です。これにも経営革新型と同様に、2つのタイプがあります。

まず、1つめの「買い手支援型」は、M&Aによって事業を購入する中小企業者が得られる補助金です。もう一方の「売り手支援型」は、M&Aによって事業支援を売り渡す予定の中小企業者が得られる補助金です。

事業承継補助金の採択率

事業承継補助金は、すべての企業に助成を約束するものではありません。条件を満たしているか、事業内容に問題はないかを精査し、採択された企業にのみ補助金の申請が可能です。

事業承継補助金制度が始まった2017年度は、補助金への予算が少なく、申請が通ったのは517件のうち65件のみ、採択率は約13%ととても低い数字でした。しかし、現在は徐々に予算が増え、それに比例して採択率が向上してきているのです。

実際の2021年度の採択件数によると、経営革新型が335件のうち167件、専門家活用型が412件のうち346件でした。

この数字を見てみると、経営革新型は約50%、専門家活用型は約84%と、初年度と比べると採択率は大幅に向上しており、特に専門家活用型では多くの企業が採択されている、と見受けられます。

事業承継補助金の補助対象

ここでは、事業承継補助金の補助対象となる条件について解説します。

補助対象者

補助対象者は、下記の条件を満たす個人事業主・中小企業・特定非営利法人です。

【製造業】資本金 or 出資総額が3億円以下、もしくは従業員数が300人以下
【卸売業】資本金 or 出資総額が1億円以下、もしくは従業員数が100人以下
【小売業】資本金 or 出資総額が5,000万円以下、もしくは従業員数が50人以下
【サービス業】資本金 or 出資総額が5,000万円以下、もしくは従業員数が100人以下

さらに、経営革新型で補助金の交付を受け取るには、以下の条件を満たしている必要があります。

  • 経営革新、事業転換をしようと検討している
  • 産業競争力強化法による認定市区町村や、認定連携創業支援事業者による特定創業支援事業を受けるなど、実績や知識がある
  • 地域の需要・雇用のための事業である

要するに、経営革新や事業転換など、従来とは異なる手法を企業内に取り入れることを必須とされています。たとえば、社内システムをクラウドシステムに置き換えて、ITシステムを導入する、といった事業改革が挙げられます。

一方、専門家活用型の場合はM&Aを検討している、もしくはすでに着手している事業者であれば、対象となります。

補助対象の主な要件

補助対象の前提条件として、以下のものがあります。

  • 日本に拠点・居住地があり、日本で事業を行う者である
  • 地域経済に貢献している企業である
  • 反社会勢力でなく、関係もない
  • 法令を遵守している
  • 経済産業省より補助金指定停止措置、指名停止措置が行われていない
  • 事務局の調査・アンケートに協力する
  • 補助対象事業の情報に関して、統計的な公表がされても問題がない

これらを満たしていなければ、事業承継補助金は受け取れないので注意しましょう。

補助対象経費と補助率

補助対象となる経費や補助率は、経営革新型と専門家活用型(買い手支援と売り手支援)に分けて定められています。

  1. 経営革新型
    ・認められる経費:外注費、人件費、委託費、設備費、謝金、旅費、廃業費用など
    ・補助率:補助対象経費の2/3以内
  2. 専門家活用型(買い手支援)
    ・認められる経費:外注費、委託費、謝金、旅費、システム利用料など
    ・補助率:補助対象経費の2/3以内
  3. 専門家活用型(売り手支援)
    ・認められる経費:外注費、委託費、謝金、旅費、システム利用料、廃業費用など
    ・補助率:補助対象経費の2/3以内

事業承継補助金の申請に必要な書類

補助金の申請に必要な書類は、承継者の事業内容(法人、個人事業主など)や引き継ぎの形態(株式譲渡、吸収合併など)によって、交付申請類型番号の割り振りが変わります。そのため、自身がどの交付申請類型番号に該当するのかを確認し、それぞれに合った書類を用意します。

また、基本的に用意する書類として、「補助金交付申請書」や「認定経営革新等支援期間による確認書」「申請資格を有していることを証明する後継者の書類」「住民票」など挙げられます。

さらに、必要書類の中には「加点・補足資料」というものがあり、これは用意しなくてもよいものですが、提出すると加点につながる書類です。なるべく採択率を上げたいのであれば、必ず用意しておくのがベストです。

申請から補助金を受け取るまでの流れ

ここでは、申請から補助金までの流れについて解説します。

事前準備


まずは、事前準備として以下を行います。

  1. 経営革新型
    ・認定経営革新等支援機関への相談
    ・gBizIDプライムの取得
  2. 専門家活用型
    ・gBizIDプライムの取得

経営革新型では、認定経営革新等支援機関に相談をして、確認書を受領しなければなりません。さらに、経営革新型と専門家活用型の双方とも、電子申請の利用にあたって、申請用のアカウントの「gBizIDプライム」が必須なので、発行して取得しましょう。

交付申請

交付申請には、前述した申請に必要な書類を提出するので、自身の交付申請類型番号に合った書類と、加点・補足資料を用意します。準備が整ったら、「jGrants(補助金の電子申請システム)」にて申請を行っていきます。

交付決定

交付が決定したら、対象となる事業を開始します。事業は、年度内に終了させ、終了後15日以内に実績を報告することが義務づけられています。そして、認定特定創業支援等事業を受けた証明書をjGrantsにて提出します。

また、以下の場合にも、jGrantsでの報告が必要です。

  • 補助事業期間内での事業引き継ぎをした場合
  • 補助事業期間内に引き継ぎが実現しない場合
  • 交付申請内容の変更があった場合

補助金の受け取り

補助金は、交付手続きから約2〜3ヶ月で交付されますが、受け取ったら終了ではありません。補助金を受け取った後の5年間は、事業化状況報告が義務づけられているので、忘れずに対応しましょう。

事業承継補助金の注意点

まず、交付の段階で書類を漏れなく用意しておくことが重要です。事業開始から完了するまで長々と進められないため、なるべく準備に時間をかけないことがベストです。さらに、gBizIDプライムのアカウント発行には、2~3週間かかるので早めに発行することをおすすめします。

また、補助金の交付は後払いのため、事業にかかる資金はあらかじめ用意しておくとよいでしょう。

まとめ

事業承継補助金の交付を受けるには、承継後に新しい取り組みを始めなければなりません。そこでおすすめするのが、事業のIT化です。近年は、IT技術の革新が目まぐるしく進んでおり、企業のさまざまな業務のシステム化が叶います。特に、クラウドサービスは低コストな上、素早く導入できるため、幅広い企業で活躍できるでしょう。経営者が交代する事業承継は、事業的にも新しい取り組みを始められる、まさに絶好のチャンスといえます。補助金を活用して、事業改革にチャレンジしましょう。

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