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カーボンニュートラルとは?脱炭素社会を目指すための基礎知識

 2022.07.06  CLOUDIL 【クラウディル】

地球温暖化が進む現在では、温暖化に伴う気候変動が世界的な問題となっています。地球環境保全のため、世界各国で取り組んでいる温室効果ガス削減の目標が2050年カーボンニュートラルです。本記事では、カーボンニュートラルと脱炭素社会に向けての基礎知識について解説します。

カーボンニュートラルとは?

カーボンニュートラルとは、2050年までに温室効果ガスの排出量合計をゼロにする取り組みのことです。2015年にパリ協定が採択された際に、全世界での長期目標として合意された内容の実現に向けた取り組みを行うための目標として掲げられ、地球規模で発生する気候変動問題を解決するために「脱炭素化社会の実現」を目指して宣言されました。

日本では2020年10月に地球温暖化対策推進本部で宣言され、世界でも120以上の国や地域がカーボンニュートラルの目標を掲げています。
(参照元:https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/about/

政府は、企業の環境対策に対して過去最高水準となる最大10%の税額控除などを設定し、「再生可能エネルギーの拡充・電動自動車の販売推進・CO2サイクルの早い森づくり」などの対策を行うことを発表しています。このように環境対策だけでなく、産業構造の改革、生産性の向上につなげつつ、脱炭素社会の実現を目指します。
(参照元:http://www.env.go.jp/earth/ondanka/ghg-mrv/committee/r02/material/ref_02-6.pdf

カーボンニュートラルのカーボンは「炭素」のことを、ニュートラルは「中立」を意味します。カーボンニュートラルは、基本的に「温室効果ガスの排出量が、全体でゼロ」の状態を目指します。具体的に言うと、「二酸化炭素(CO2)やメタンなどの温室効果ガスの排出量」から「植林や森林管理などを通じて吸収される温室効果ガスの量」を差し引いた数値をゼロにすることです。

そのためには温室効果ガスの発生量を減らす必要がありますが、ガスの発生は完全にはなくせません。つまり「なるべくガスの発生を抑えながら、その量以上を吸収する状態」を実現することが、カーボンニュートラルの目標と言えます。

なぜカーボンニュートラルを目指すのか

2050年カーボンニュートラルは、環境対策のために社会経済を大きく変革する取り組みです。地球温暖化を防ぎ、気候変動によって生じるリスクを避けるためにCO2排出量の削減を行い、持続可能な社会を実現するために行います。

世界の平均気温は、工業化が進んだ1800年代後半以降から2017年までで約1℃上昇しました。近年では日本を含め世界各地で異常気象や気象災害が発生している事実もあり、気温上昇による気候変動問題の影響が気象災害につながるとも懸念されています。
(参照元:https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/about/

温室効果ガスの排出といった人間の社会活動の影響により大気や海、陸地が温暖化の影響に晒されていることは、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の評価報告書でも述べられています。現在の状態では2000年代中に地球の温度が1.5~2℃を超えると予測されており、このままでは今後、豪雨や干ばつ、熱帯低気圧の増加、海面水位の上昇など世界的な環境問題が発生するかもしれません。
(参照元:https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/ipcc/ar6/IPCC_AR6_WG1_HS_JP_20210820.pdf

気候変動の影響は、自然の生態系を破壊し、水資源を枯渇させるなど、農林水産業を始め各産業に悪影響を与える恐れがあります。カーボンニュートラルは、このような状況を改善し、再エネ型の経済社会へ移行することを目的として行われます。

カーボンオフセットとの違い

カーボンオフセットのオフセットとは「埋め合わせる」という意味です。カーボンオフセットはカーボンニュートラルとよく似た意味を持つ言葉ですが、カーボンオフセットでは「二酸化炭素の排出量をなるべく削減したのちに、それでも削減できなかった分は、ほかの形で埋め合わせること」を指します。

カーボンニュートラルは先述のように、排出量と吸収量でバランスを取って排出量をゼロにすることが目的ですが、その実行時には「各企業が、自社のカーボンオフセットでは削減しきれなかった二酸化炭素の排出量枠を、他社から購入する」という方法が用いられます。具体的には、森林保全事業・再生可能エネルギー事業など「地球温暖化防止対策に力を入れている企業や団体」が吸収量の余裕部分をクレジットとして持っておきます。そして「排出量を削減できなかった企業」はそうした余裕部分を購入することで、社会全体としての排出量をゼロにする、という方法です。

カーボンオフセットは「各企業は、地球温暖化防止に力を入れている団体に投資しその活動へ貢献することで、排出の埋め合わせをする」といった、考え方を基にしています。カーボンニュートラルでは、「排出枠の購入」という形でさらに具体的・財務的に、自社で排出した分に対処せねばなりません。

そのためカーボンオフセットよりもカーボンニュートラルのほうが、各企業を真剣に自社の温室効果ガス削減対策に取り組ませられると予想されています。今後、カーボンニュートラルの広まりが拡大していくと考えられるでしょう。

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脱炭素社会に向けて進む世界

世界や日本がCO2排出量ゼロの脱炭素社会を目指すきっかけとなったのが「京都議定書」と「パリ協定」です。1992年にリオデジャネイロで開催された地球サミットで地球温暖化対策として「気候変動枠組条約」が作られたのち、1997年には「京都議定書」で先進国の温暖化対策における具体的なルールが定められました。ここで「対象となる温室効果ガスの種類」や「各国の削減目標量・目標期間」などが決められ、目標を達成できない場合にはガス排出枠の購入が義務付けられたのです。

2015年のパリ協定では、世界共通となる温暖化対策の長期目標が設定されます。パリ協定で定められた「世界的な気温上昇を2℃以下(1.5℃)に抑える努力をすること」「今世紀後半の温室効果ガスの排出量・除去量の均衡を達成すること」などの目標を受けて、現在各国で温暖化対策が進められています。
(参照元:https://www.nies.go.jp/kanko/news/38/38-3/38-3-02.html

カーボンニュートラル実現に向けた取り組み例

各企業や団体では、グリーン成長戦略やゼロカーボンアクションなどの取り組みが行われています。排出量削減・吸収量増加へ向けたさまざまな取り組みで、カーボンニュートラル実現が期待できます。

グリーン成長戦略

グリーン成長戦略とは、経済産業省が関係省庁と連携して定めた産業構造や経済社会の変革を目指すための産業政策のことです。2050年カーボンニュートラル達成のため、太陽光発電やバイオ燃料など「グリーンエネルギー」の導入・拡大による、環境保護と産業構造の変革・成長を目的に行われます。

グリーン成長戦略では、特に14分野が目標達成のために成長が期待される産業分野として重点項目に挙げられます。エネルギー関連産業では「洋上風力・太陽光・地熱産業」などの4項目、輸送・製造関連産業では「自動車・蓄電池、物流・人流・土木インフラ、食料・農林水産業」など7項目、家庭・オフィス関連産業の「住宅・建築物・次世代電力マネージメント産業」などの3項目が重要な14項目です。

主に重要な分野において、「税・金融・補助金・規制改革」などの政策で企業側は関連する活動に対する投資が受けられます。
(参照元:https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/ggs/index.html

グリーン成長戦略のなかでも注目されている「カーボンプライシング(CP)」は、排出されるCO2に価格を付与し、CO2排出企業などに排出量に応じた費用負担を課す政策です。「炭素税・国内排出量取引・クレジット取引」などの税額負担を課したり、企業間で排出量の売買を行える状況を整備したりすることで、各企業の排出量削減についての意識を高めます。

税額負担策として代表的な「炭素税」は、燃料や電気を利用したCO2排出量について、企業に排出量に応じた税額を課す仕組みです。輸入段階といった営業活動の始めの段階から課税できるため、「資源配分を最適化可能」「価格の変動がない」「税収による国の財源確保につながる」などのメリットがあります。ただし、CO2排出量を数値で定めて削減できないことに加え、「国内のエネルギーコストが高い場合は、税負担による国内企業の国際競争力が低下する」などのデメリットも指摘されています。

ゼロカーボンアクション

ゼロカーボンアクションは、「国・地方脱炭素実現会議」において「地域脱炭素ロードマップ」にまとめられた、「地域の暮らしと社会で取り入れることが可能な、脱炭素社会実現」へ向けた具体策です。

2030年度の温室効果ガスの排出量を2013年度比で26%削減する」という具体的な目標達成のため、個人や企業、組織が取り組むべき新国民運動「COOL CHOICE(クールチョイス)」を展開、温暖化対策に向けた日々の「選択」「アクション」を大々的に紹介し、推奨しています。

「電気等のエネルギーの節約や転換」「住居関係」「移動関係」「食関係」「衣類・ファッション関係」「ごみを減らす」「買い物・投資」「環境活動」の8分類、30項目に分けて、個人単位でもできるアクションやメリットを具体的に紹介し、温暖化対策に向けた活動を行います。
(参照元:https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/topics/20210913-topic-11.html

まとめ

カーボンニュートラルとは、温暖化対策のために二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量合計をゼロにする取り組みのことです。地球規模で発生する気候変動の原因を取り除き、持続可能な産業構造の改革や成長を目的に行われます。

カーボンニュートラル実現に向けた取り組みには、クラウドの活用が効果的です。無駄な紙、インクの利用を削減できるうえ、大量の資料を保存するスペースも減らせます。今後の経済活動において将来に向けて地球環境に優しい働き方への切り替えが求められます。

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