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ESGとは?SDGsとの違いや投資の種類を解説!

 2022.06.22  CLOUDIL 【クラウディル】

近年、持続可能な社会を築くための取り組みとしてSDGsが叫ばれ、多くの企業がそれに共鳴しています。こうした「環境・社会問題への取り組み度合い」を主軸に、投資先企業を評価・選定する指針が「ESG」です。これは特に投資家たちの間などで近年注目されています。そこで本記事では、ESGの中身や実際に行われる投資の方法、SDGSとの違いについて解説します。

ESGとは

ESGとは、「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(ガバナンス)」の頭文字を取った造語です。ここでいう「環境」「社会」「ガバナンス」とは、それぞれ以下の内容を指します。

  • 環境:CO2削減や汚染対策など、企業の環境問題への取り組み
  • 社会:労働条件の改善や男女平等などの人権問題への対応
  • ガバナンス:法令遵守や経営を透明化するための情報開示といった、企業経営の健全化と効率性の向上

投資家が投資先となる企業を選ぶ際は、業績や財務状況といった表面的な情報に頼りがちです。対してESG投資では、「環境対策や社会問題、企業経営の健全化などにどれだけ誠実に取り組んでいるか」を、その企業の長期的な成長性を測る重要な指針とする、という観点で投資対象を選定します。

ESG は、2006年に国連事務総長のコフィー・アナン氏によって提唱されたPRI(責任投資原則)の中で示されたのをきっかけに、今や世界中で注目を集めています。
https://www.tr.mufg.jp/ippan/csr/pdf/seminar_2006_01.pdf

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ESGとSDGsとの違い

国連のサミットをきっかけに提唱された言葉に、SDGs(Sustainable Development Goals)というものがあります。日本語で「持続可能な開発目標」を表したこの言葉は、地球で暮らす全員が持続可能な世界をつくっていくための宣言であり、環境問題や人権問題などすべての国や団体が取り組むべき課題について、17の目標を定めています。

ESGは企業経営を行ううえで取り組むべき課題であり、また投資家が企業の将来性を測るための指針でもあります。つまり「企業が主体となった概念」です。一方SDGsは、国連や国家が総体となったうえで、企業はその中の一員として課題達成に取り組んでいくという、国連や国家主体の言葉である点に違いがあります。

拡大傾向にあるESG市場への投資

2006年にPRI(国連責任投資原則)が提唱されて以降、世界中の投資家や投資機関が投資にESGの視点を組み入れるなど、PRIの原則に賛同を表しました。経済産業省によると、2018年5月時点で1965の機関が署名に参加しています。

(参照元:https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/esg_investment.html

日本では当初、署名に参加する機関は少なかったものの、2015年にGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が署名に参加したことを皮切りに、ESG投資が普及しています。

GSIAの調査によると、2016年時点におけるESG市場の規模は22兆8,900億ドルだったのに対し、2018年時点では30兆6,830億ドルに上っています。これはつまり、「2年間で約34%もの市場成長を遂げたこと」を意味します。また、日本国内では2016年時点で4,740億ドルの市場規模であったのが、2018年には2兆1,800億ドルと5倍近い成長を見せています。

(参照元:http://www.gsi-alliance.org/wp-content/uploads/2019/03/GSIR_Review2018.3.28.pdf#page=10

このように投資の規模で見た場合にも、現代ではESGの概念に基づいた投資が投資家たちの間で着目されています。

ESG投資の種類

GSIAによって分類されたESG投資には、次のようなものがあります。

1.ネガティブ・スクリーニング

アルコールやタバコといった社会に悪影響を及ぼすとされるものや、武器やギャンブルなど倫理的に問題があるとされるものを扱う企業を、投資先から除外する投資手法です。近年では「原子力発電や化石燃料を扱う業界」「CO2を排出する業界」なども、環境配慮のためネガティブ・スクリーニングの対象となるケースが増えています。

2.ポジティブ・スクリーニング

環境問題や労働環境に積極的に取り組んでいるかなど、ESGについて企業評価を行い、スコアが高かった企業を投資の対象とする投資手法です。

3.国際規範スクリーニング

環境問題や人権侵害など、ESGに関わりのある国際規範を基準として、投資する企業を選ぶ投資手法です。基準として採用される国際的な規範には、例えばILO(国際労働機関)の定めた規範や、OECD(経済協力開発機構)の定めた規範などがあります。どの規範を基準とするかについては、各機関投資家がそれぞれ選定します。

ネガティブ・スクリーニングが「EGSにふさわしくない」と判断した特定業界を排除の対象とします。対して国際規範スクリーニングは、業界単位で判断するのではなく、「当該基準として採用した規範に基づき活動しているか」によって対象企業を評価する点で異なります。

4.ESGインテグレーション

従来の投資先の選定に用いられていた財務情報に、ESGに関する非財務情報の情報を加えて投資先を判断する投資手法です。投資家の重視する企業の収益性も考慮したうえで企業を評価するため、投資家たちの間では、これからもっとも成長性のあるESG投資の手法と認識されています。

5.サステナビリティ・テーマ投資

太陽光発電などの再生可能エネルギーに関わる企業や持続可能な農業といった、サステナビリティに貢献する企業やファンドに投資をする投資手法です。SDGsとの関わりも強いため、今後はより注目されると考えられています。

6.インパクト投資

環境問題の解決や社会に貢献する技術・サービスを提供している企業を投資対象とする投資手法です。インパクト投資においては財務的な利益のほか、「測定可能な社会へのポジティブな影響を生じさせること」が目的とされています。

7.エンゲージメント・議決権

企業の株主になることで、その企業がESGへの取り組みに積極的に関わるよう、直接的に働きかける投資手法です。企業への関わり方としては、「株主総会における議決権の行使」や「経営者とのエンゲージメント」「情報の開示」など、さまざまなアプローチがあります。

ESG投資のメリット

ESG投資は世界的に見て参加する機関が増えていることから、投入される資金規模も増加し続けています。そのため、今後の市場拡大が期待できます。

短期で資金回収を狙うような投資を行う場合、やはり短期の利益追求型の企業を投資先に選びがちです。しかし利益追求のみを重んじ、環境問題やガバナンスに関する意識が低い企業は、長期的には企業価値の低下を招くでしょう。また例えば、「自社商材が環境に与える悪影響を隠蔽しようとして不祥事を起こし、株価が急落する」といった突発的な事態の発生も、大きなリスクとして考えておかなければなりません。

一方ESG投資では、企業の持続性や安定性を重視して、パフォーマンスを測り投資を行うため、投資リスクを低減できます。ESGに取り組む企業は、長期的に見て企業価値が向上していくと考えられるため、そうした企業への投資は長期での資産形成に向いているのです。

また、ESG投資を通じて環境問題や人権問題に取り組む企業に投資を行うことは、「当該企業の取り組みを支援する」という、社会貢献でもあります。

ESGにおける注意点

ESGとは、そもそも長期に渡って取り組むことにより目標の実現が求められている活動です。ESG投資は、そうした活動に取り組む企業の長期的な成長を測って投資する都合、短期的には結果が現れにくくなっています。

また、経営成績などの具体的な情報が記された財務情報とは違い、ESGに関する指標は「数値で明確に表しにくい」という難点もあります。そのため、さまざまな調査会社が発表した情報から総合的に判断しなければなりません。しかし各調査会社による評価にも、必ずしも具体的な指標があるわけではないため、注意が必要です。

そのほか、「環境に配慮している」などと謳いながら、実態が伴っていない商品・ブランドを販売している企業も存在します。こうした商品・ブランドは「グリーンウォッシュ」と呼ばれています。グリーンウォッシュを扱うような不当な企業・活動に資金を投じてしまっては、本来のESGの理念に反してしまうでしょう。投資先企業の言葉ではなく、「客観的に、かつ慎重に、その企業の活動方針を見極めること」が重要です。

まとめ

SDGsが環境や人権問題に関わる課題について、世界全体で取り組んでいくことを宣言したに対し、「環境や社会に関わる課題について、企業がどれだけ積極的に取り組んでいるか」を示したものがESGです。

投資家から積極的にESG投資の対象に選ばれる企業は、環境汚染の削減や労働問題といった、これからも企業成長を目指すうえで避けては通れない課題の解決に対し、積極的に取り組んでいると評価されています。そして、こうした企業は将来的にも成長していくと信頼されているのです。

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