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IoT(Internet of Things)とは? 仕組みや活用例をわかりやすく解説

 2022.07.11  CLOUDIL 【クラウディル】

経済産業省が警鐘を鳴らす「2025年の崖」が差し迫っており、さまざまな分野でDXの実現が喫緊の経営課題となっています。そんなDXを推進するうえで欠かせない技術のひとつが「IoT」です。本記事では、IoTの基本的な仕組みや主な機能について解説します。併せて、業種別の活用事例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

IoT(Internet of Things)とは?

「IoT(アイオーティー)」とは「Internet of Things(インターネット・オブ・シングス)」の頭文字をとった略称で、簡単にいえばモノとインターネットを相互接続する技術です。日本語で「モノのインターネット」と訳される技術であり、情報機器や電子機器、駆動装置、自動車、空調機器、家電製品などのモノとインターネットをつなぎ、設備の遠隔操作やデータ収集のオートメーション化などを可能にします。IoTはAIとともに第4次産業革命の中心となる技術であり、製造分野や医療業界、建設業界、自動車産業、宇宙航空産業、農業分野など、世界中のさまざまな産業で導入が加速しています。今や大企業だけでなく、中小企業でも必要とされる技術です。

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IoTの仕組み

IoTを構成している主な要素は、「デバイス」「ネットワーク」「サーバー」「アプリケーション」の4つです。これら4つの仕組みを活用している代表的な事例として、スマートオフィスが挙げられます。次世代型のスマートオフィスでは、デバイス・ネットワーク・サーバー・アプリケーションの4つを用いて、施設内の空調システムや照明機器などを自動的に制御するのが大きな特徴です。

具体的には、まずオフィス空間に取り付けられたセンサーやカメラなどのデバイスが、施設内のさまざまなデータを自動的に取得します。各種デバイスはゲートウェイやルーターなどを介してサーバーにネットワーク接続され、取得したデータをストレージに蓄積します。そして、サーバーに蓄積されたデータをアプリケーションが分析し、オフィス内の温度や湿度、照明などを自動的に制御するという流れが基本的な仕組みです。

IoTで実現できる4つの機能

IoTの主な機能として挙げられるのが、「モノを操作・制御する」「モノの状態を知る」「モノの動きを検知する」「モノ同士で通信する」の4つです。ここからは、IoTが備える4つの機能について具体的に解説していきます。

機能1: 離れたモノを操作・制御する

IoTの代表的な機能といえるのが、モノの遠隔操作です。たとえば、スマート家電はスマートフォンとネットワーク接続することで、エアコンや洗濯機、照明などを離れた場所から制御できます。この機能を製造現場に導入できれば、ピッキングロボットや監視カメラの遠隔操作が可能となり、人材不足や就業者の高齢化といった課題の解決につながる点が大きなメリットです。そのほかにも、医療現場なら遠隔地からの診療や看護が実現し、農業分野なら灌水装置やハウスの開閉などを遠隔操作できるため、人的資源の業務負担を大幅に軽減できます。

機能2: 離れたモノの状態を知る

IoTは、遠隔地にあるモノをリアルタイムでモニタリング可能です。この機能により、遠隔地に設置した太陽光発電機の発電量や商用車両の運行状況を把握したり、工場内の生産設備の稼働状況を遠隔地から監視したりできます。設備や機器にIoTセンサーを取り付けることで遠隔監視システムを構築できるため、気温や湿度、気圧、騒音、放射線量など、屋内外を問わずさまざまな環境のモニタリングが可能です。

機能3: 離れたモノの動きを検知する

IoTを活用することで、離れた場所にあるモノの動きを検知できます。この機能を活用した代表例として挙げられるのが、製造現場における設備保全や異常検知の分野です。IoTが生産設備の稼働状況を常時モニタリングし、異常や故障を自動的に検知します。こうした設備保全や異常検知は高度な技術と知識を要するため、熟練工のナレッジに依存しがちな業務領域です。IoTを活用することで業務プロセスの属人化を防ぎ、さらに点検やメンテナンスに要する人的コストの大幅な削減に寄与します。

機能4: 離れたモノ同士で通信する

IoTは、離れたモノ同士で任意のデータを送受信できる機能を有しています。この機能によって実現し得ると考えられているのが、自動運転技術です。IoTが道路状況を自動的に分析し、人為的な判断を介さない動作が可能となるため、信号機のデータを受信して自動的に減速したり、混雑具合から事故の可能性を予測したりできます。こうした技術を応用することで、さまざま業務のオートメーション化も夢ではありません。しかし、そのためには高度なIoT基盤を構築するのはもちろん、機械学習やディープラーニングといったAI技術のさらなる発展が不可欠です。

IoTの活用例を業種別に紹介

ここでは、IoTの活用事例を業種別にご紹介します。「製造業」と「医療・ヘルスケア」、そして「建設業」での活用事例をご紹介しますので、自社の事業形態に照らし合わせながら参考にしてください。

製造業

2011年にドイツ政府主導のもとで「インダストリー4.0」が提唱され、製造業ではIoTやAIといった技術革新の導入が加速しています。なかでも導入が進んでいるのが、製造管理のデータ化や設備保全の省人化、検品業務の自動化、品質管理の高度化といった分野です。こうした業務領域にIoTを導入し、さまざまデータを収集・分析することで熟練工の暗黙知が可視化され、そのナレッジを形式知へと変換できます。その結果、属人的な業務領域の標準化に寄与し、不良品率の改善や生産設備の安定稼働、人材配置の最適化といった成果につながります。

医療・ヘルスケア

近年の医療現場では医師や看護士の不足が深刻化しており、IoTやAIといった最先端テクノロジーの導入が急務となっています。医療分野において、IoTは「IoMT(Internet of Medical Things)」とも呼ばれており、AIとの併用による自動問診や遠隔診療といった領域で活用されています。患者の容態を遠隔地からモニタリングすることで不測の事態に速やかに対応したり、電子カルテと医療情報とリンクさせることでヒューマンエラーの削減につながったり、といった成果を創出しています。

建設業

建設業もIoTの活用が進んでいる業界のひとつです。たとえば、建築物の構造的要所にセンサーを組み込むことで、地震直後にビルの健全性を分析できる建物被災度判定システムを構築できます。

また、建設現場は高所作業や工作機械を扱う危険な業務が多い傾向にあるため、センサーを装着したヘルメットで安全性の強化を推進する企業が増加しています。ヘルメットにセンサーを装着することで、現場監督や事務所スタッフが作業者の安全性や健康状態をリモート管理できます。

中小企業こそIoTを活用すべき

現代日本は労働人口の減少や高齢化率の上昇といった社会問題が進展しており、さまざまな産業で人材不足が深刻化しています。また、経済産業省が2018年に公表した「DXレポート(※1)」では、企業が老朽化・ブラックボックス化したITシステムを抱え続けた場合、2025年以降に最大で年間12兆円規模の経済的損失が生じると予測しています。このような社会的背景も相まって、国内企業の間で重要な経営課題となっているのが、DXの実現です。

DXとは「デジタル技術の活用による変革」を意味する概念であり、その実現を推進するためには、IoTの活用が欠かせません。IoT機器を導入する際は、まず目的を明確化し、自社の事業形態や組織体制に適したソリューションを選定する必要があります。また、IoTの導入には相応のコストを要するため、大企業のように多様な資金調達手段をもたない中小企業の場合、部門や製造ラインといった小規模からのスタートを推奨します。

(※1)参照元:DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~|経済産業省

まとめ

IoTとは「Internet of Things」の略称で、モノとインターネットを相互接続する技術です。モノとインターネットをつなぎ、産業機械の遠隔操作や設備保全の省人化、製造データの自動収集などを可能にします。DXを実現するためには、優れたデジタル技術の活用が不可欠であり、とくに重要となるのがIoTの活用です。変化の加速する現代市場のなかで競争優位性を確立するためにも、ぜひIoTの戦略的な活用に取り組んでみてください。

第5版 中堅・中小企業トレンドレポート

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