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ワークライフバランスの課題とは 企業はどう支援すべきか?

 2022.06.03  CLOUDIL 【クラウディル】

社会的に働き方改革が推進されていく中、従業員のワークライフバランスの改善に取り組む企業が増えています。しかし、さまざまな理由からその施策がうまくいっていない企業も多いようです。

そこで本記事では、ワークライフバランスの改善を妨げる主な課題や、その課題解消のために必要な施策について具体例も挙げながら紹介していきます。

ワークライフバランス導入時の課題と改善策

ワークライフバランスの向上に向けた取り組みを導入する際、どのようなことが阻害原因になるのでしょうか。まずは導入時の課題と、その改善策をそれぞれ解説していきます。

課題1. 導入する方法がわからない

ワークライフバランスの向上がうまく進まない理由として、そもそも「どのような方法で取り組みを進めたらいいのかわからない」ということが挙げられます。

「日本人は働きすぎ」とはよく聞く言葉ですが、勤労を美徳とする伝統文化で育った日本人にとっては、「ワークライフバランス」という概念自体が比較的新しいものです。それゆえ、「ワークライフバランスを推進する担当者自身、ワークライフバランスについての理解が乏しく、変革のために何をどう始めたらよいのかわからない」という場合が少なくないのです。

このように何から着手すればよいのかもわからない場合は、働き方改革に関するコンサルティング事業や講演・研修事業を手掛けている会社のサービスを利用するのがおすすめです。また、厚生労働省をはじめとする政府・行政のガイドラインや支援制度を利用するのも効果的でしょう。

課題2. 経営陣の承認が得られない

ワークライフバランスの向上を進めるにあたって、自社の経営陣が障害となる場合もあります。

ワークライフバランスの向上には長時間労働の是正による人件費の節減や、従業員のモチベーション向上や業務効率化による労働生産性の改善、自社のブランドイメージの改善による人材確保など、さまざまなメリットがあります。しかし経営者の中には、ワークライフバランスを企業全体の問題としては捉えず、福利厚生や社会的責任の面から「実施せざるをえないもの」と消極的に捉えている人達もいます。

こうした経営陣に対しては、ワークライフバランスを実現する重要性や具体的なメリットを提示することが大切です。経営陣を説得できれば、トップダウン方式で強力に改革を断行しやすくなります。

課題3. 従業員の理解が得られない

経営者だけでなく、一部の従業員から理解を得られないことが障害になる場合もあります。

ワークライフバランスを向上させる施策にはさまざまな種類がありますが、すべての従業員がその施策の恩恵にあずかれるとは限りません。
例えばテレワークの導入は、ワークライフバランス向上の代表例ですが、医師や看護師のように、現場への出勤が避けられない職種も存在します。育休の取得制度なども、独身者が不満を覚えやすかったり、取得者が男性・女性かで周囲の受け止め方が違ったりと課題の多い施策です。

また、残業削減などの取り組みによって、給与が減ることに対して不満を持つ従業員も出るかもしれません。このように、ワークライフバランスの改善策やその制度は、一部の従業員にとって不公平感を感じさせるものであったり、「ありがた迷惑」と思われるものであったりする可能性があります。

このような従業員たちに対しても、経営陣と同様に、ワークライフバランスを実現するメリットや重要性を共有し、職場全体で理解を深めていくことが大切です。残業代の削減率が大きく、それを補うことが難しい場合は、従業員の副業を許可することなども有効な施策と言えるでしょう。

課題4. 時間やコストがかかる

必要な時間やコストを気にして二の足を踏んでいる企業も多いようです。

ワークライフバランス向上を実現させるには、「現状の課題・従業員の要望」などを知るための社内調査に加えて、「費用対効果の計算」「テレワークなどの導入に必要な設備・制度の整備」など、多大な労力・時間・コストを要します。とりわけ先述のように、メリットを部分的にしか理解していない経営陣にとって、こうした負担は実施をためらう大きな理由となるでしょう。

これを解決するには、各施策によって見込まれるメリットを可能な限り数値化し、その導入コストと比較してみるのがおすすめです。時間外労働時間の上限規制など、ワークライフバランスの向上に向けた取り組みは法的に義務付けられている部分もありますが、そうでないものも多々あります。そうした取り組みについては、企業として自社の利益を中長期的に考えた上で導入の可否を検討することになるでしょう。

内閣府の試算によると、残業時間を全従業員が1日30分減らした場合、従業員50人規模の企業では、年間約1,180万円削減できるとのことです。企業によって事情は異なるとはいえ、こういった試算も参考になるかもしれません。

(参照元:内閣府男女共同参画局 企業が仕事と生活の調和に取り組むメリット 概要版

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ワークライフバランス推進時の課題と改善策

前項では、ワークライフバランスの向上に向けた取り組みをそもそも始められないケースについて解説しました。続いては、ワークライフバランスの改善策を導入したものの、その運用に際して起こりがちな課題やその改善策を解説していきます。

課題1. 運用が続かない

ワークライフバランスを推進する際に起きがちな課題その1は、「新制度を導入したのはいいものの実際に利用されない・運用が長続きしない」という問題です。

新制度の周知が徹底されていないと、そもそも従業員に認知されておらず、利用者が少なくなるかもしれません。あるいは、制度の存在自体は知られていても、先に挙げたような不公平感を周囲が感じやすい環境では、利用をためらう従業員も出てくることでしょう。

このような事態を防ぐには、制度を導入した後も、その導入効果を定期的にチェックする体制を維持することが大切です。そして制度の利用が予想よりも進んでいない場合は、その重要性やメリットを根気強く発信し続けていかなければなりません。
制度を利用するのが当たり前になれば、それを前提とした業務体制が構築され、自然と制度やその利用者に対する不平や不満も緩和されてくるでしょう。

課題2. 生産性が低下する恐れがある

ワークライフバランスの改善に取り組んだことにより、生産性が低下してしまったというのも起こりがちな課題です。

例えば、「ワークライフバランスによって従業員の総労働時間を減少させることに成功した一方で、全社的な人員不足に陥ってしまい、結果的に生産性が低下した」というのはよく聞く話です。あるいは、ワークライフバランスの意味を誤解したリ、それを言いわけにしたりして、仕事をおろそかにする従業員が出てくることも考えられます。

労働時間を減らしつつも生産性を維持するには、ERPやSFAのように、従業員のマネージメントや業務の効率化を促進するITツールの活用が効果的です。RPAを導入して、単純な定型作業を自動化するのもよいでしょう。

また、従業員のパフォーマンスを高く保たせるには、ワークライフバランスの本来の意味や意義を正確に従業員に理解させることも重要です。ワークライフバランスの推進とは、決して仕事を軽視することではなく、仕事とプライベートのバランスを整えることで、労働者が常に高い意欲や働きがいを持って就労できる環境をつくるという側面もあるのです。

課題3.人事評価が機能しなくなる

ワークライフバランスを推進するにあたって、従来の人事評価が足かせになる場合もあります。

人事評価においては、勤務態度のような情意評価を取り入れている企業も多いで。しかし例えば上司が、残業の長さを「意欲の表れ」と捉える価値観が蔓延していたらどうでしょうか。この場合、上司からの心証をよくするために、あえて不要な残業をする従業員も多く出てきてしまうかもしれません。
これはテレワークについても同様です。オフィス出勤する従業員を「やる気のある従業員」と上司が見なすようでは、従業員はテレワークを選択しづらくなります。

このような事態を防ぐには、制度の利用によって従業員に人事評価上の不利益が生じないように人事評価方法を修正したリ、評価者である管理職の意識改革を徹底することが大切です。あるいは、管理職側の人事評価に際して、「部下の時間外労働を~時間削減することに成功した」など、ワークライフバランスの取り組みに対する貢献度を評価する項目を設けるのも効果的でしょう。

まとめ

ワークライフバランスの向上を推進するためには、何よりも経営陣や従業員がその重要性やメリットを正しく理解し、前向きに取り組む必要があります。とりわけ、ワークライフバランスを向上させるために数々の業務や制度を変革するためには、経営陣の協力が不可欠です。
ワークライフバランスの向上によって期待される人材確保や生産性向上、コスト削減といったメリットを考慮すると、中小企業が取り組む意義・価値は十二分にあると言えるでしょう。

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