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雇用創出とは?必要となる背景や効果および地方雇用との関係を解説

 2022.04.28  CLOUDIL 【クラウディル】

雇用創出という言葉を耳にしたもののイメージが湧かない方も多いのではないでしょうか。そこで、雇用創出について具体的にどのような取り組みが行われているかを知りたい方向けに、雇用創出の取り組みの概要から雇用創出が必要な理由、雇用創出の効果、事例まで紹介していきます。

雇用創出の取り組み

雇用創出とは、雇用が必要な場面を積極的に作り、就労機会を増加させる取り組みです。雇用創出を達成するには世の中の仕事を増やさねばなりません。そのためには、既存企業の事業拡大を支援したり、起業家を増やして仕事を作ってもらったりする必要があります。
仕事は都市部に集まる傾向があります。そのため、改めて雇用創出を問題にする場合は、仕事のない地域や地方を対象となることが多いです。こうした地方・地域にビジネスチャンスを作ることが、特に重要で具体的な課題として設定されるのが一般的でしょう。

政府は企業による雇用を増やすために、「新しい産業の創出と発展、労働できる人材の育成、制度づくりなどの改革による企業活動支援に、国や自治体が注力すること」が大切としています。実際政府も、雇用創出の一環として、地域に根ざしたビジネスでの起業を後押しする支援策などを策定し、重点的に取り組んでいます。それと並行して、企業成長支援や人材育成支援については地域雇用活性化推進事業を推進し、企業向けのビジネス講習・労働者向けのスキルアップ講習などの開催、企業と求職者のマッチング機会創出など、さまざまな活動を起こしています。

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雇用創出が必要な背景

1989年と比較して、2019年時点の生産年齢人口(15~64歳)が8,552万人から1,000万人以上減少した一方で、就業者数は6,128万人から約600万人も増えています。しかし、この10年間の雇用動向をみると、「大企業では雇用削減が大きく、サービス業や中小企業で雇用創出が行われている」という実態が確認できます。
また、1980年代の産業別就業者数を見るとサービス業・製造業・卸売・小売業・飲食店などで大きな伸びがみられましたが、90年代には製造業が減少に転じています。
加えて、2011年から2021年の「産業別就業者数の変化」を見ると、製造業ではおよそ10万人、建設業においては約20万人が減少しています。しかし同時に、情報通信業ではおよそ60万人、研究や専門サービス業および教育は約50万人、医療・福祉では約200万人の増加となっているのが確認できるでしょう。つまり「産業ごとに就業者数の増減が大きく異なっている」ことは明らかです。したがって、雇用創出の取り組みは分野別で行う必要があると言えるでしょう。

参照元:
厚生労働省「雇用創出企画会議第一次報告書」

厚生労働省「労働力人口・就業者数の推移」

総務省「労働力調査(基本集計)2021年(令和3年)平均結果の要約」

雇用創出の効果

雇用創出の効果は、雇用創出の絶対数で見ると都市圏が高く、労働力人口に占める創出の割合では地方が優勢です。ここでは都市圏と地方それぞれの雇用創出の効果について説明していきます。

都市圏に対する効果

「平成14年度版地域の経済2002」によると、関東地方の雇用創出数は215.9万人と対全国シェアは40.9%に上ると試算されており、地域別でもっとも高い効果が見込まれています。雇用創出数の増加における期待値が高い点は、単純に人口の多さに起因すると考えられてもいますが、「雇用創出数がもっとも増える可能性がある」ということは事実です。

他方で、上記のように雇用創出数増加が期待される関東地方で「分野別における全国構成比」を見てみると、リーガルや社会人向け教育が50%近い割合を占めています。この事実からは、東京のような大都市を含む関東地方には企業の本社や高度・専門教育機関が集中していることから、それらに関連するサービスが伸びやすいということを窺い知れます。
参照元:内閣府「平成14年度版地域の経済2002 サービス9分野における雇用創出の地域別・分野別例示」

地方に対する効果

同じく「平成14年度版地域の経済2002」によると、四国や九州、沖縄といった地方における雇用創出数はそれぞれ17.9万人、55.1万人、5.9万人と試算され、大都市東京を含む関東地方に比べると少ないことがわかります。
しかしながら、労働力人口に対する雇用創出数の割合は沖縄や四国で大きいため、「雇用創出効果は地方の方が高い」と言えます。沖縄では子育て、四国と九州では高齢者ケア、医療といった生活に関するサービスにおける需要が特に多く、高い雇用創出効果が期待されている分野です。なお、育児中の女性の就業に対応する「子育て」や、高齢単身者のニーズに対応する「高齢者ケア」などは、全国的に一定のニーズがある点には注目しておくべきでしょう。

参照元:内閣府「平成14年度版地域の経済2002 サービス9分野における雇用創出の地域別・分野別例示」

雇用創出と地域雇用との関係

地方の雇用環境に注目すると、都市圏と比較して賃金が少なかったり仕事数が少なかったりといった問題があり、地方活性化の足かせとなっている現状が見えてきます。言い換えれば、地域における雇用環境の整備が雇用創出へ直結すると言えるでしょう。

その点について、政府は情報通信技術であるICTの実用的活用を積極的に推し進めています。ICT導入によって地域企業の活性化が促され、その分雇用も生み出されると予測しているのです。
また、地域企業の活性化による直接的な雇用創出に加えて、「雇用環境が改善されることによって人口の増加も期待でき、地域内のサービスに対する需要が増える」とも予想されています。加えて、需要が増えることによって新たなサービスが生まれれば、それらサービスの担い手としてさらなる雇用創出の加速も不可能ではありません。
こうしたよい流れを引き起こすために重要な役割を担っているのは中小企業であり、政府や自治体は地域雇用活性化推進事業などの支援によって中小企業をバックアップしていく姿勢を取っています。

地域における市場の創出に関する問題

地域における市場の創出に関する問題は、労働市場の創出、雇用のミスマッチ、セーフティネットの整備不足の3点が挙げられます。ここでは、それぞれの問題について説明していきます。

求められる労働市場そのものの創出

地域における労働市場の創出は、外部から流入してきた人が地域に定着する可能性を高めます。まず、十分な労働市場が存在すると地域の雇用が安定し、生活者が増加することによって需要の多様化が期待できるでしょう。
一方で多くの地方では、終身雇用を絶対視する昔ながらの価値観が根強いでしょう。また、賃金や社会保障について、求職者が魅力的と思える条件を整えることも重要な課題です。
こうした課題を解決しつつ、多様な就業形態も可能となるよう、職業紹介や労働者派遣に関する規制改革のより一層の推進・実現が、政府と自治体とに求められています。

雇用ミスマッチの縮小

雇用を安定させるには、雇用創出だけではなく「雇用におけるミスマッチの縮小」も重要な課題です。就職者が長続きしない理由としては、「求職者の職場や仕事に対するイメージと現実とのギャップ」があります。このギャップを解消するためには、仕事への正しい認識を求職者に持ってもらうことが必要です。例えば、ハローワークなどの就職支援場に仕事内容を説明できる人員を配置し、求職者へ理解を促すことが有効でしょう。
また、求職者の技能が業務に必要とされるものと異なっていたり、著しいスキル不足であったりすることも仕事が長続きしない要因です。求職者の技能教育など、業務に必要とされる技能について一定レベルの水準とする支援も必要であると言えます。

セーフティネットの整備拡充

雇用創出によって雇用が増大する一方で、ミスマッチなどによる離職率の減少には時間がかかります。こうした状況で労働市場が十分に機能するまでは、保険など雇用のセーフティネットを整備拡充しなければなりません。求職者目線では、離職時の保障が十分でないと高いリスクを感じてしまい、さらに就職を敬遠しやすくなってしまうからです。
また、地域の市場が十分な大きさに成熟していないと、都市部などの大きな市場へと離職者が流出してしまうでしょう。したがって、「雇用保険の給付期間延長」「公的機関での雇用増加」「円滑な労働移動の促進」「職業能力の開発」など雇用創出とセーフティネット拡充はセットで行う必要のある取り組みだと言えます。

雇用創出の事例

雇用創出の事例として、ここでは秋田県と三重県名張市の取り組みを紹介します。

秋田県の取り組み

秋田県では企業向けの支援を行う秋田県地域活性化雇用創造プロジェクトの実施による雇用創出を目指しています。具体的には企業の人材確保・製品開発・生産性向上を支援しています。

例えば、セミナー開催や専門家の派遣によって、SNS導入・発信の支援を行うなど、現代的な人材確保方法についてサポートを提供しています。
また、風力発電関連部品の製造に関する認証取得について補助金を支給している点も特徴的です。これは、IT技術を活用した新しい電力供給方法「スマートグリッド」実現へ向けた一環であり、こうした理念に同調し、次世代自動車や新エネルギー分野などでの成長を目指す企業を積極的に誘致しています。またこうした企業誘致に伴い、大規模工業団地の整備も行っており、人材が流入しやすい体制を改善する努力を続けています。

三重県名張市の取り組み

三重県名張市は、名張市長や地域関係者で構成される「名張市雇用創造協議会」によって、地域振興による雇用創出を目指す「生涯現役による躍進のまちづくりプロジェクト~人・もの・地域資源を生かした雇用創出~」を実施しました。
具体的な取り組みとしては、農家をはじめとする事業者に対して経営革新に関するセミナーの開催や、地域特産品を活かした新商品の開発などです。地域特産品である伊賀牛を使用した「おかずみそ」といった商品が生まれています。こうした取り組みによって持続可能な事業を活発化し、雇用創出を達成しています。

まとめ

雇用創出は、雇用の機会を積極的に作り出し雇用を生み出す取り組みです。国全体として雇用者数は増加しているものの業種によって就業者数の推移は異なり、特に製造業と建設業においては減少傾向にあります。各地域では、補助金の支給や人材教育機会の提供など、企業支援を中心とした取り組みによって雇用創出を目指している段階です。今後は取り組みの成果に注目が集まることでしょう。

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