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自治体DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?取り組みや事例を紹介!

 2021.11.21  CLOUDIL 【クラウディル】

近年よく耳にする「DX(デジタルトランスフォーメーション)」ですが、企業のビジネス変革や業務改革だけでなく、自治体でもデジタル技術の活用は広がり始めています。そこで本記事では「自治体DX」について、代表的な取り組みや具体的な事例を交えながら詳しくご紹介します。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

「DX(デジタルトランスフォーメーション)」とは、データやデジタル技術の活用によりビジネスモデルを変革し、人々の生活をよりよいものに導こうという概念、あるいはその取り組みのことです。2004年にスウェーデンのウメオ大学教授、エリック・ストルターマン氏により提唱されたのが始まりとされています。単なるデジタル化ではなく、ビジネスモデルや人々の生活まで含めた変革を指しているのが特徴です。

DXの実現においては、近年キーワードとなっているクラウドやビッグデータ、モバイルといったデジタル基盤の整備が重要です。ビジネスモデルの変革やイノベーションを起こすには、組織全体の改革が必要になるためハードルが高く、抜本的な取り組みに着手できる企業は限られます。そのため、ほかの先進諸国と比べて日本はDXの導入が遅れているとされています。

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自治体DXとは?

DXの概念は、企業間でのみ広がっているわけではなく、自治体でも広がっています。それが「自治体DX」です。

自治体DXとは、世間一般的に使われているDXとは少しニュアンスが異なります。データやデジタル技術を駆使することに変わりはありませんが、自治体DXでは地域住民の生活に役立つサービスの提供を目標とします。つまり、DXの恩恵を受けられる対象を「地域住民」と明確に定めているのです。

行政サービスの抜本的変革をはじめ、自治体DXにもいくつか種類がありますが、中でも特に注力されている取り組みが「自治体BPR」です。「BPR」とは「Business Process Re-engineering」の略語で、いわゆる「業務改革」を意味します。民間企業と比較して業務プロセスが煩雑になっている自治体や行政では、業務プロセスの見直しや改善活動が急務とされています。

自治体DXの主な取り組み例

以下では、自治体DXへの理解を深めるために、その主な取り組みを4つご紹介します。

1. Govtech Conference

最初にご紹介する「Govtech Conference(ガブテック・カンファレンス)」とは、経済産業省など中央省庁におけるDX事例を紹介するカンファレンスです。2021年10月現在までに5回開催されており、パネルディスカッションや自治体によるピッチを通じて、自治体DXの裾野を広げる取り組みとなっています。

具体的な内容としては、行政サービスをデジタル化するために必要なアジャイル開発やクラウド利用などの考え方をアップデートし、行政の業務改革につながるトピックが幅広く共有されています。参加費は無料で、自治体DXを広めるイベントとなっています。

2. 自治体向けDXワークショップ

「自治体向けDXワークショップ」とは、経済産業省が主体となって行っている取り組みです。自治体のDXを支援する取り組みとして、住民によりよい行政サービスを提供することや、各自治体におけるデジタル化の成功事例の共有などを目指して開催されています。

「DXとは」という基本的な内容レクチャーから始まり、そのあとワークショップを行います。ワークショップでは、データを分析したうえで課題を整理し、改善していくプロセスを定め、ユーザー中心のサービスを考える手法などを学べます。また、ワークショップを通じて自治体間のコミュニケーションを促進し、ノウハウ共有がしやすい環境を構築しています。

この自治体向けDXワークショップでは「サービスデザイン思考」をもとに、ユーザー体験に優れた良質なサービスとデータ利活用が好循環で回るサイクルを学べます。

3. 自治体向けアプリマーケットプレイス

「自治体向けアプリマーケットプレイス」は、自治体向けデジタルサービスのベストプラクティス横展開の場を提供することで、自治体向けデジタルサービスの最適化を図り、アプリのユーザー・自治体・サービス供給者それぞれにメリットをもたらす取り組みです。

自治体側は実績あるアプリの見極めや、他自治体の成功事例の導入がしやすくなります。また、サービス提供者側もアプリの標準化により、多くの自治体にサービスを提供し規模を拡大できます。これにより、地域住民がユーザビリティの高いサービスを利用しやすくなります。

とはいえ、自治体向けアプリマーケットプレイスを実現するには、いくつかハードルもあります。どのようなアプリをマーケットプレイスに乗せるか、アプリ供給者がマーケットプレイスに登録するプロセス、行政機関が登録されたアプリを利用するプロセスなど、それぞれしっかりクリアしていく必要があるでしょう。

4. jGrants(Jグランツ)

最後にご紹介する自治体DXの取り組み例は、「jGrants(Jグランツ)」です。jGrantsとは、経済産業省が運営する補助金申請システムで、インターネットを通じて24時間365日いつでも申請が可能です。補助金にも色々な種類がありますが、jGrantsを通すことで、申請方法から審査なども含めワンストップで情報収集でき、その自治体が対象となる補助金も把握できます。

この取り組みにより補助金が給付されるまでのプロセスが電子化され、行政のデジタル化の後押しとなっています。

自治体DXの事例

最後に、自治体DXの具体的な事例を2つご紹介します。

北海道北見市「ワンストップ窓口の実現」

北海道北見市では、BPRの取り組みと併せて、受付窓口における業務のシステム化が実施されています。具体的には、窓口支援システムを活用した手続の自動判定により、住民が記入した各種申請書などの代理受理が可能になりました。これにより、窓口業務にかかる手間の削減に成功しています。住民としても、システムを利用することで申請フローが簡易的になるなど、自治体サービスのUX改善によるメリットを享受しているといえます。

また、証明交付及び住民異動入力業務ではRPAを導入し、デジタル化されたデータを活用することで、一部業務の自動化も実現しています。

宮崎県都城市「デジタル面接の導入」

宮崎県都城市では、採用活動において「デジタル面接」が導入されています。従来はリアルな場での対面で面接を行っていましたが、今では録画形式で事前に質問を収録し、そのファイルを送付して、受験者が都合のよいタイミングで受けられます。最終面接のみ庁舎に来庁して面接を受けることになっており、デジタルとアナログを上手に使い分けているといえます。

これにより、受験者が時間の制約なく少ない負担で採用試験を受けられるようになったのはもちろん、採用活動に携わる市の職員も面接官としての負担が軽減されるなど、業務効率化が実現しました。受験者のアンケートでも、「質問がわかりやすかった」「面接が受けやすかった」といったポジティブな回答が多く、高い評価を受けていることがうかがえます。

まとめ

DXは、どちらかといえば企業のビジネス変革や業務改革を表す言葉として使われていますが、自治体に特化したDXも浸透し始めています。この自治体DXでは、デジタル技術を活用し、地域住民の生活に役立つサービスを提供することが重要なポイントになっています。

中でも、自治体BPRの動きが盛んになっており、煩雑化している行政の業務プロセスの抜本的変革が行われています。自治体ごとにさまざまな取り組みが行われていますが、その成功事例を積極的に共有するカンファレンスやワークショップも開催されています。

今後も、自治体ごとの特色を活かしながらデジタル化の波に乗り、業務効率化やユーザー体験に優れた行政サービスの提供が期待されます。

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