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リモートワークの普及率とは?中小企業で導入するために必要なことを解説

 2021.11.20  CLOUDIL 【クラウディル】

働き方改革の推進や新型コロナウイルスの影響から、リモートワーク制度を導入する企業が増加傾向にあります。本記事では、リモートワークの普及率やメリットについて解説するとともに、導入するうえで押さえておきたい重要なポイントをご紹介します。新しい時代に即した労働環境を構築する際の参考にしてください。

リモートワークの普及率はどのくらい?

現在、国内ではどの程度リモートワークが普及しているのでしょうか。国土交通省および関係府庁が2021年3月に公表したデータでは、2019年に9.8%だったリモートワーク実施率が、2020年では19.7%にまで増大しています。わずか1年の間にリモートワークの実施率が倍増した背景にあるのは、やはり新型コロナウイルスの感染拡大でしょう。

同データによると、2020年3月以前は8.9%だった全国のリモートワーク実施率が、緊急事態宣言発令後の2020年4月~5月にかけて20.4%にまで上昇しています。事実、約6割の企業が「緊急事態宣言が発令された4月以降にリモートワーク制度を導入した」と回答しており、いかに新型コロナウイルスの影響が大きいかが見て取れます。

東京では実施率が高い

緊急事態宣言発令後は全国的にリモートワークの実施率が上昇していますが、その傾向がとくに顕著なのが首都圏です。前述のデータによると、2020年3月以前は13.5%だった首都圏のリモートワーク実施率が、緊急事態宣言発令後の4月~5月にかけて31.4%にまで上昇しています。

そして、首都圏で最もリモートワークの実施率が高いのが東京都です。東京都産業労働局の調査によると、2020年3月時点で24%だったリモートワーク実施率が、緊急事態宣言発令後には62.7%とおよそ2.6倍も上昇しており、実施回数についても週3日以上が過半数を占めています。

中小企業は実施率が低い

リモートワークの実施率には、いくつかの傾向が見られます。その傾向のひとつが、企業規模によって実施率が大きく異なる点です。リモートワークは組織の規模が大きいほど導入割合も高くなっており、中小企業は大企業と比較すると実施率が低い傾向にあります。現に、東京商工会議所の調査によると、従業員数300人以上の企業はリモートワーク実施率が90%であるのに対し、30人未満の企業では45%となっています。

業種によっても実施率は異なる

リモートワーク実施率におけるもうひとつの傾向が、業種による割合の違いです。たとえば情報通信業や金融業、デザイン業、広告業などPC業務が主体となる業種の場合、リモートワークへの移行はそれほど難しくありません。他方、対人業務が主体となる小売業は、業務体制をリモートワーク化するのが非常に難しく、その他の業種と比較して実施率が低い傾向にあります。

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そもそもリモートワークとは?

総務省が公開している「Telework Net」によると、リモートワークは「ICT(情報通信技術)を利用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」と定義されています。「tele=離れたところで」と「work=働く」を組み合わせた言葉であり、仕事と育児・介護の両立やワークライフバランスを実現する働き方として注目を集めています。

リモートワーク導入のメリット

先述した国土交通省の調査によると、リモートワーク実施者の約64%が総合的に満足しており、約82%は「今後も実施したい」と回答しています。これほど実施者から高い評価を得ている理由として考えられるのが、「生産性向上」「離職防止」「災害への対策」というリモートワークならではのメリットです。

生産性向上

企業にとって労働生産性の向上は、非常に重要な経営課題のひとつです。労働生産性とは従業員1人あたりが生み出す成果指標であり、「労働生産性=産出量÷労働投入量(従業員数×労働時間)」という数式で算出されます。したがって、いかにして少ない労働投入量で同等以上の成果を創出するかが、労働生産性を高めるうえでの重要課題です。

リモートワークは従業員の通勤が不要になるため、肉体的な負担の軽減はもちろん、精神的なストレスからも解放され、さらに出社・退社に要していた時間を趣味や自己投資に充てられます。これにより、従業員の心や身体の健全化に寄与し、組織への貢献意識や業務に対するモチベーションの向上が期待できます。そして、従業員一人ひとりのパフォーマンスが最大化され、より少ない労働投入量で今まで以上の成果を生み出せるようになるでしょう。

離職防止

日本の総人口は2008年の1億2,808万人をピークに下降し続けており、さらに総人口に占める高齢化率を見ても、先進諸国のなかで最も高い割合となっています。このような社会的背景も相まって、さまざまな産業が深刻な人材不足に陥っているのが実情です。そのため多くの企業では、いかにして優秀な人材を確保するかが重要な経営課題となっています。

リモートワークは時間や場所に縛られない働き方を可能にするため、柔軟かつ多様なワークスタイルに対応できます。たとえば出産や育児、介護などの事情に合わせた働き方が可能になり、人材の確保や離職率の改善に寄与します。従業員の事情に合わせた柔軟な労働環境を整備できれば、人材流出を防ぐとともに組織全体の生産性向上にもつながるでしょう。

災害への対策

リモートワークは、事業継続性を確保するBCP対策としても非常に有効な仕組みです。日本は地震大国と呼ばれていることもあり、事業展開するうえで自然災害に対するリスクマネジメントは必須の施策といえます。地震や火災、あるいは感染症の流行といった自然災害が発生した場合、オフィスワークでの事業継続は困難です。その点、オフィス外で業務に取り組むリモートワークであれば、こうした災害による損害を最小限に抑えつつ、事業の早期再開が期待できます。

中小企業でリモートワークを導入するには?

ここからは、リモートワーク制度を導入するプロセスについて解説します。

業務の整理

事業内容によってはリモートワーク化が困難な業務領域もあります。そのため、リモートワーク環境の構築にあたっては、まず自社の業務プロセスを洗い出し、具体的な流れを可視化しなくてはなりません。事業活動におけるどの領域をリモートワーク化するのか、実施頻度や実施環境、勤怠管理や進捗管理をどのように整備するのかなど、業務プロセスのさまざまな要素を明確にする必要があります。

そして、経営ビジョンや企業理念に基づいてリモートワークの導入目的を明確にし、基本的な指針と方針を策定します。また、セキュリティインシデントを防止するためには、データやファイルの共有・管理におけるルールやガバナンスの整備が不可欠です。こうして事業活動の流れを俯瞰的に分析し、業務プロセスを整理することが、リモートワーク環境を構築する最初のステップです。

補助金の活用

働き方改革の実現を目指すうえで、リモートワークは非常に重要な役割を担っているため、政府も助成金や補助金などのさまざまな支援制度を整備しています。こうした支援を活用することで、より効率的にリモートワーク環境の構築が可能です。たとえば「働き方改革推進支援助成金」を活用することで、リモートワーク環境の整備に必要な費用の一部を国が負担してくれます。

また、地方にサテライトオフィスを構築する費用の一部を助成する、「地方創生テレワーク交付金」という支援制度もあります。この制度を活用することで、都内よりも費用を抑えながらリモートワーク環境を構築できます。首都圏の企業に勤務しながら地方への移住が可能となるため、「転職なき移住」というライフスタイルの実現に寄与します。

ITツールの導入

基本的にPCとインターネット環境があればリモートワークは可能ですが、それだけでは効率的な労働環境を構築できません。また、オフィス外で業務に取り組むリモートワークは、デバイスの紛失・盗難といったリスクもあり、セキュリティの脆弱性が懸念されるワークスタイルです。

そのため、リモートワーク環境を構築するためには、チャットツールやクラウドストレージ、Web会議システム、勤怠管理システムといったコラボレーションツールの導入が必須といえます。こうしたソリューションを最大限に活用することで、営業部門のような対人業務でもリモートワークに対応できる可能性が高まります。

まとめ

働き方改革関連法の施行や新型コロナウイルス感染拡大などの影響も相まって、企業は労働環境の抜本的な見直しと改革が求められています。新型コロナウイルスの感染症対策として普及したリモートワークですが、新しい時代に即したワークスタイルとして定着していくと予測されます。ぜひ、本記事を参考にしてリモートワーク環境の整備に取り組んでみてください。

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