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今話題の「電帳法」とは?2022年の改定についても詳しく解説

 2022.04.12  CLOUDIL 【クラウディル】

日本政府が進めるICT活用の一環として、2022年、改正電帳法が施行されました。この改正を機に、電帳法への対応について考えはじめている企業も多いのではないでしょうか。本記事では、電帳法について、その概要、これまでの歴史、そして今回の改正に対応するためのポイントを含めて解説しています。ぜひ参考にしてください。

電帳法とは?

そもそも電帳法とはどのような法律なのでしょうか。まずは電帳法の概要やその改正の歴史から解説していきます。

電帳法の概要

簡単に言うと、電帳法とは国税関係帳簿書類の、電子データ形式による保存を認めた法律です。正式には「電子帳簿保存法」といい、1998年に制定されました。制定当初の電帳法は、はじめから電子データとして作成されたデータの保存のみを対象とするなど、その適用対象は限定的なものでした。しかし、電帳法は現在までに幾度も改正されており、実情に合わせて大小さまざまな変更が加えられています。

電帳法の歴史

先述のように、電帳法が制定されたのは1998年、ちょうどMicrosoft社が「Windows 98」を世に出した年です。この時期は一般家庭も含めて社会全体で急速にICTの普及・活用が進み始めていました。以降もICT技術の発展は急速に進み、それに合わせるように、電帳法は繰り返し改正されてきました。電帳法が制定されてから現在に至るまでの、主な改正の歴史は次のとおりです。

【電帳法の簡単な歴史】
1998年:電帳法制定。当初は国税関係帳簿の電子保存のみが対象。
2005年:スキャン保存が可能になる。国税関係書類で3万円以下のものに限定。電子署名も必要。
2015年:金額基準が撤廃され、電子署名も必要なくなる。
2016年:スマホやデジカメを用いたスキャンも可能になる。
2019年:過去の重要書類も対象になる。(要届け出)
2020年:コーポレートカード等の電子決済の場合は領収書が不要になる。
2021年:事前承認制度が撤廃され、要件緩和を主とする複数の改正が行われる。

上記のように、電帳法の改正は適用対象の拡大、要件や手続きの簡略化を基調に進んできました。この流れは近年、国際社会と比較して日本のICT活用が遅れていることを指摘する声があがったこと、そして新型コロナウイルスのパンデミックによって社会構造の変革が求められたことで加速しました。これらが反映された改正電帳法は、2022年1月に施行されています。

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電帳法の2022年改正内容

つづいて、2022年以降に変更される代表的なポイントを解説していきます。これらの改正のほとんどは、事業者の利便性向上につながる緩和策ですが、違反した場合の罰則も同時に強化されているので、十分に理解を深めたうえで対応することが大切です。

事前承認制度の廃止

これまでは、国税関係の帳簿などを電子保存する場合は、3ヶ月前までに管轄の税務署長の承認を得なければいけませんでした。この承認にかかわる手続きは非常に煩雑で、これが電子化を阻害していたという側面もあります。今回の改正では、この事前承認制度が撤廃され、事業者はシステムなどの準備が整えば、即座に電子保存の導入が可能となりました。

タイムスタンプの要件緩和

スキャン保存時のタイムスタンプに関する要件の緩和も大きな変更点です。従来、紙の請求書をスキャン保存する際は、担当者が自筆署名したうえで、ごく短期間のうちにタイムスタンプを付与しなければいけませんでした。しかし、今回の改正によってスキャンの際に署名がいらなくなり、タイムスタンプの付与期限もおよそ2ヶ月後まで延長されました。さらに、一定要件を満たした会計システム等を使用する場合に限り、タイムスタンプの付与そのものが免除されることになりました。

検索要件の緩和

2022年の改正では、保存されたデータを呼び出すための検索要件も簡略化されました。従来は、数多くの検索条件に紐づけなければいけませんでしたが、今後は、取引先・取引年月日・取引金額の3項目に対応するだけでよくなります。

過少申告加算税の軽減

今回の改正では、一定の要件こそあるものの、過少申告加算税の軽減もなされました。過少申告加算税とは、修正申告によって追加して納めることになった税金に、さらに上乗せされる税金のことです。通常、過少申告加算税は納付額の10%ですが、条件を満たした「優良な電子帳簿」として認められると、5%減税されます。

電子取引データの書面保存が廃止

今回の改正の中で最も影響力が大きいのが、電子取引データの書面保存の廃止です。これはつまり、電子データ形式で授受された請求書などの書類は、プリントアウトして保存するのではなく、電子データ形式のまま保存することを意味します。ここまで紹介した諸々の改正は、電子保存を活用したい一部の企業に向けた緩和措置・優遇措置でした。しかし、この改正はすべての事業者が対応すべき「義務」です。ただし、この改正への対応については、2024年までの猶予期限が設けられています。

不正に対しては重加算税

上記のように今回の改正ではさまざまな要件が緩和されています。しかし、それでデータ改ざんなどの不正が横行してしまっては、国にとって看過できることではありません。そこで今回の改正には、税務処理上の不備不正があった場合の罰則も盛り込まれました。もし、事業者が電子データの隠ぺい、改ざん、偽装などの悪質な行為をした場合、通常課せられる重加算税に、さらに10%が上乗せされます。これは、電子取引・スキャン保存両方に共通する罰則です。

企業がとるべき対策とは?

今回の改正を受けて、今後、経理を電子化しようと考えている事業者も多いことでしょう。そこで以下に、電帳法に対応するために事業者がとるべき対策をまとめてみました。

スキャン保存の際に注意する

まず、注意すべきはスキャン保存の方法です。資金や物の動きを直接示す書類、あるいはそれと連動する書類についてはフルカラーで画像を読み込まなければいけません。また、たとえ書類がスキャナーで一度に読み取れるサイズより大きかったとしても縮小コピーはせず、複数回に分けて全体を読み取るようにしましょう。

電子データの保存環境に注意する

言うまでもありませんが、税関係の書類は非常に重要な書類です。法律では、事業者に電子データを7年間保存するよう義務づけています。したがって、電子データの管理・保存環境については細心の注意を払わなければなりません。トラブルなどによってデータが破損・紛失することのないように、バックアップを定期的にとるなど、入念なセキュリティ対策は必須です。

電子データ保管にはクラウド環境がおすすめ

電帳法に対応したかたちで電子データを保管するならば、クラウド環境がおすすめです。
クラウドストレージサービスならば、スケーラブルに大量のデータを保存できるうえ、データの検索などの作業も簡単に行えます。また、クラウドサービスではベンダー企業が提供する最新のセキュリティを利用できることに加え、バックアップも自動でとってくれるので、データを安心して保存できます。コストや労力をあまりかけずにセキュアに電子帳簿保存へと移行するなら、クラウドサービスは最高の選択肢です。

まとめ

2022年の電帳法改正では、事前承認制度の撤廃をはじめ、電子帳簿保存制度の普及を促進するための施策が数多くとられています。しかし同時に、不備や不正に対する罰則も強化されているので、対応する際には十分な準備と注意深い運用を心がけなければいけません。また、2年間の猶予期間があるとはいえ、電子取引データをすべて電子データとして保存すること(書面保存の廃止)は、すべての事業者が対応する必要のある責務です。本記事を参考に、クラウドサービスを活用しながら、電子帳簿保存への移行を推進してください。

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