全国中小企業クラウド実践大賞は、クラウドサービス利活用を実践し収益力向上・経営効率化したモデル事例のなかから、コンテストにより優れた取り組みに対して総務大臣賞、日本商工会議所会頭賞等を贈るコンテストです。

2020年11月18日に行われた岡山大会より、株式会社キャンバスの事例をご紹介します。

株式会社キャンバスでは、東京・富⼭・愛知・⼤阪・ベトナムに拠点を置きDXやWebなどデジタル領域にて12のサービスを展開しています。ChatworkとZoomで社内のコミュニケーションの円滑化に成功。その後大手MAツールを導入しますが、社内体制が構築できずまさかの失敗に。社内課題を整理して新たなツールを再選定し、最終的には商談化率が35%以上アップという成果に至りました。⽬的と事業規模にあったクラウド活⽤にお悩みの方はぜひご覧ください。

株式会社キャンバスの概要

株式会社キャンバスの概要-1

■法人名:株式会社キャンバス

事業内容 :DXコンサルティング/デジタルコンテンツ制作/デジタルソリューション提供

■設⽴:2012年5月22日

従業員数:約50名

■公式WEBサイト:https://www.canvas-works.jp/

 

株式会社キャンバスはITサービスを提供している会社です。東京、富山、名古屋、大阪、ベトナムの海外拠点を含めて5拠点で事業展開を行っています。

株式会社キャンバスの概要-2

 具体的な事業内容としては、システム開発およびデジタルコンテンツの制作。さらにそこからデジタルを軸にした新たな提案、デジタルソリューションを提供しています。

本事例における2つのポイント

本事例における2つのポイント

 株式会社キャンバスの事例には、コミュニケーションツールの活用とマーケティングオートメーションツールの活用の2つのポイントがあります。

コミュニケーションツールの活用では、案件進行・お問い合わせ対応・意思決定のスピードを速めたこと、マーケティングオートメーションツールの活用によって、商談化率を35%アップさせたことです。

コミュニケーションツールの活用

 それではまず、コミュニケーションツールの活用について解説いたします。

社内にあった3つの課題

 コミュニケーションにおいて、社内での課題を整理すると、以下の3つに絞られました。

  1. 意思決定スピード
  2. 案件進⾏
  3. お問い合わせ対応

クラウド型グループウェア

クラウド型グループウェア

この課題に対して導入・活用したのが、クラウド型グループウェアの「Chatwork」(チャットワーク)およびZoomです。

それぞれの課題に対して、どのように活用したのかを次項より説明しましょう。

1 意思決定スピード

 まず1つ目の課題は「会社の意思決定スピードが遅い」ということでした。

 事業所が遠隔地(東京・富⼭・愛知・⼤阪・ベトナム)であったことにより、案件ごとのノウハウが蓄積されない上に、進⾏管理がアナログなので、社の意思決定スピードが非常に遅くなっていたのです。

意思決定にChatworkを活用

意思決定にChatworkを活用

そこで、Chatworkの特徴を生かして課題の解決にあたりました。

Chatworkは、メールのように文章をそれなりに組み立てる必要がありません。社内で立ち話をしているかのようにコミュニケーションが取れるという特徴があります。

そこで、社内で業務が進行する際には、例えば移動中でも上司の確認や承認を簡単におこなうことができるようになり、迅速な意思決定が可能になったのです。

2 案件進⾏(コミュニケーション)

案件の進行時のコミュニケーションについては、個々の従業員がLINE や Skypeメールや電話といったツールをバラバラに使っていました。

そのため、タスクに関してチーム内での⾏き違いが発⽣するという事態が起こっていたのです。その結果、納期が遅れる、残業が増えるという悪循環に。

 さらに、従業員全員が集まる機会は年に1回と非常に少ない状況でした。

 そこで、Chatworkの各種機能とZoomの機能を活用して課題の解決にあたりました。

案件進行にChatworkを活用

案件進行にChatworkを活用-1

 まず案件チャットに関しては、見出しをそれぞれルール化。マネージャーがそれぞれの案件チャットに入って管理を行うことにしました。

 これにより、各チャットで間違った方向に進む前に方向修正が可能に。結果、マネジメントにもつながっています。

 また、過去のやり取りのキーワード検索により、チャット履歴にノウハウが蓄積されるため、現在の案件の提案に活用できるといった結果が得られました。

案件進行にChatworkを活用-2

 続いて、チャットワークのタスク管理の機能の活用です。

 タスクを各チャットで可視化させることにより、

どの従業員が

いつその案件に着手して

いつそのタスクを終わらせたのか

これらを可視化させることにつながりました。

案件進行にChatworkとZoomを活用

案件進行にChatworkとZoomを活用

 さらに、Zoomの活用し、5拠点の拠点を常時映像で繋げています。

緊急事態宣言時のリモートワークでも、この体制が役立ちました。

これらのチャットワークの各種機能。およびZoomの活用により、迅速な案件進行のコミュニケーションが可能となったのです。

3 お問い合わせ対応

 お問い合わせ対応については、メール通知に対する従業員の確認漏れで、迅速な対応が出来ないという課題が存在していました。

お問い合わせ対応にChatworkをカスタマイズ活用

お問い合わせ対応にChatworkをカスタマイズ活用

 お問い合わせ対応については、Chatworkのカスタマイズ性を利用して課題解決にあたりました。

メールとチャットワークのAPI 連携することで、各担当者が明確化され、どの担当者がいつそのお問い合わせに対応したのかというのも可視化されます。

このカスタマイズにより、お問い合わせに対する体制を構築することで、迅速な問い合わせ対応が可能になりました。

ツールを浸透させるためにした事

 これらのツール利用を従業員に浸透させるために、導入から3ヶ月間の社内教育(新入社員への教育も)と社内ルール決定を行いました。

また、毎⽉1回の取締役による社内全体教育も行っています。

 現在は、利用年数7年目を迎え、Chatwork代理店にもなりました。

成果・⽉平均残業時間、20時間削減

 コミュニケーションにおける3つの課題について、ChatworkとZoomを導入して活用。これにより、案件進⾏・問い合わせ対応・意思決定のスピードを爆速化することができました。

 具体的な成果としては、月の平均残業時間の20時間削減に成功しています。

マーケティングオートメーションツールの活用

マーケティングオートメーションツールの活用

 それでは、2つ目のポイントである「マーケティングオートメーションツール」の活用です。

社内のコミュニケーションはコミュニケーションツール活用により、改善しましたが、もう1つの悩みがありました。それは、営業における商談化率(テレアポやメールなどの営業を行ったアプローチ件数に対して、商談へと結びつけることができた割合のこと)が悪く、10%未満であったことです。

MAツールを導⼊して、商談化率を上げよう!→失敗

 そこで、様々な MAツールを比較検討した結果 、大手MAツールを導入することにしましたが、結果として失敗に終わりました。

導入失敗要因の分析

 なぜMA導入が失敗に終わったのか。その要因にまとめると3点ありました。

1つ目は自社にはカスタマイズが必須であったことです。カスタマイズのためのコストが数百万発生した結果、費用対効果が悪くなってしまいました。

2点目が、機能が豊富すぎたことです。中⼩企業にとっては、逆に扱うハードルが高くなってしまいました。

3点目は、運用担当者の負担です。当時の運用担当者が他の業務を兼任しており、社内体制が十分に整っていませんでした。

 この失敗を分析し、中⼩企業向けの⾝の丈に合ったクラウドサービスを導⼊しよう!という見解に至ったのです。

  

自社に合ったMAツールを探そう

自社に合ったMAツールを探そう

 自社の規模を考えたとき、従業員50名で売り上げ規模は数億円、システム専任担当者なしという状況に最適なMAツールは何か?

 今度こそ商談化率をアップさせる目的を持ち、新たに選定基準を3点を受けました。

  • 初期導⼊費⽤が安く、費⽤対効果が⾼いもの
  • ⾃社の規模に応じた機能が最低限、備わっていればOK
  • カスタマイズ不要ですぐに導⼊できるもの

国産クラウド型MAツール「Kairos3」の導入

国産クラウド型MAツール「Kairos3」の導入

こうして導入したMAツールが「Kairos3」です。カイロスマーケティング株式会社が開発した国産のMAツールで、リード管理・フォーム作成・メール配信・スコアリング・顧客育成・セミナー管理といった必要十分な機能が備わっています。

現場負担のかからない運⽤

現場負担のかからない運⽤

現場負担のかからない運用が特徴です。

例えば、新規のキャンペーンを実施するときも、合計20分程度の作業工程で開始できます。

リード管理画⾯

リード管理画⾯

リード管理画面では、リードが自社のどのページにアクセスしたか、またそのリードのオンライン上の行動によってスコアリングされる設計になっています。

リード獲得から受注までの体制

リード獲得から受注までの体制

リード獲得から商談・受注までの流れですが、オンライン上からリードを獲得、もしくは名刺交換等で使ったオフライン上のリードをKairos3に流入させます。

そこでメールマーケティング・セミナーを行うことで顧客育成を行っていきます。

 Kairos3のスコアがホットになったユーザーに対して、インサイドセールスをかけて商談化させるといった体制を構築しました。機が熟した状態がわかるようになるのです。

商談化率35%以上アップ!

商談化率35%以上アップ!

 Kairos3の導入と体制構築により、9.6%だった商談化率を44.7%まで上昇させることに成功しました。

まとめ

まとめ

最後に、これまでの成果をまとめると、ChatworkとZoomの活用により迅速な判断と問合せ対応、また案件の円滑化を可能にしました。それに付随して、月の平均残業時間を20時間

削減することに成功しています。

またKairos3の導入に伴う体制構築により、商談化率を35%アップという成果を得ました。

 クラウドサービスの活用については、まず、今どこに課題があるのかを⾒極めたうえで事業規模にあったクラウドサービスを選定し、社内に浸透させる施策を立て⾏う事が⼤事だと考えています