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全国中小企業クラウド実践大賞

2018年度 コンテストレポート

NKアグリ株式会社

全国クラウド活用大賞決勝大会 優秀賞受賞

1ヶ月しか収穫期のない機能性野菜を、IOT農業で全国をつなぎ半年流通に。

NKアグリ株式会社

NKアグリ株式会社

NKアグリ株式会社

業種:農業

従業員数:100人以下

クラウド活用人数:20人

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※本レポートは、総務大臣表彰 全国クラウド活用大賞決勝大会における10分間の最終プレゼンテーションの内容を元に
 構成したものです。

 NKアグリの三原と申します。よろしくお願い致します。今日はですね、このような場でお話する機会を頂きまして、関係者の皆様ありがとうございます。我々は、写真にあるように実は野菜の会社でして、伊那大会から来させて頂いているんですけれども、実は和歌山県の会社になります。

 親会社が新規事業で始めた農業をやっていまして、2009年から始めて大体約9年間野菜を作り続けています。社員がですね15名と協力社員が1人とパートさんが60人なので、約80名くらいの世帯で野菜を作っています。

 作っている野菜もですね、左側のレタスが我々が社内で作っている野菜でその後ほうれん草と水菜を提携している農家さんに作って頂いて、今日の本題であります人参も露地野菜、もともと左側の方の野菜がいわゆる水耕栽培なんですけども路地の人参を作り始めているというような状況です。

 一番最初に始めたのが、この水耕栽培というものなんですね。太陽光を使っているんですけれども、いわゆる植物工場でして、環境制御することで安定して野菜が作れるというような栽培方法、こんな感じですね。これですといっぺんに綺麗にいっぱいできると。農薬を使っていないんですけれども、人もかなり衛生管理をして野菜を作っていると。こんなハウスです。

 元々我々工業の出身なので、最初始めた時は野菜って簡単にいい設備と衛生管理をすると簡単にできると思ったんですけれども、ところがそうではなくて、かなり最初の方も環境整備をしているのに野菜がうまく出来ないという苦労がかなりありました。そのような中で、我々は環境データと栽培記録をいっぱいデータを取りまして、いっぱいデータ取っていくことで段々段々、その環境要因と環境変化が絞れるようになってきて、KPIができてきて、いわゆるですね、データドリブンな農業ができるようになってきています。

 これは一番最初、我々の農業を始めた最初のファーストステップで、まずですね、データで農業、野菜の環境をデータで知ることができるようになりました。

 次にですね、データでできるようになったとしても今度はですね、農業ってやっぱり天候に左右される、天気が良くなったり悪くなったりした時に生産量がかなり変わってしまう。その時にお客さんにちゃんと伝えなきゃいけないし作った量をちゃんと売り切るために、かなりいろんな遠隔地とのコミュニケーションが必要になります。

 この時に我々産地が分からないってなって、私は親会社が東京にあって家が千葉にあるんですけど、お客さんが30都道府県にあるんですね。ずっとみんな移動していて私最初は1年目100回くらい飛行機乗ったんですけど、飛行機乗りまくって電話しまくるみたいな生活してまして、かなり苦しいながら何とか何とかやっているという状態でした。

 そんな中でですね、我々の最初に出会ったのがkintoneというクラウドシステムでして、今日時間がすごく少ないので簡単に言ってしまうと、すごく安かったんですね。安くてまず試してみるのにすごく手頃な値段で、お試し期間だったので使ってみようと。

 私の1回の出張費より1ヶ月の購入に係る経費も安いので、出張1回分くらいだなと思って導入してみたというところです。そうするとですね、あのお試しで入れてみたんですけど、お試し期間のうちに大体40くらいの業務、今は80くらいですけど40くらいの業務が移管できて、まずですね最初から私たち出張費10万円分くらいが削減できるようになりました。

 今は、私自身が全部を作っていくっていう方法ではなくって、基幹業務だけこの赤で囲ってあるところだけがいわゆる会社として作ったもので、それ以外はですね、社員に「クラウドシステムで定額なので、勝手に作ってどうぞ」という風に言ったらですね、勝手に広がっていって、すごく流行りの言葉で言うと、ティールな感じで勝手に作りたい人が作っていって、ここで行き詰まったんだけどという情報をまさしくkintone上でアップをしておくと、誰か直せる人が勝手に直してくれていると。

 そのようなことが進んで行って、約80の業務が今クラウド上に置かれています。こういったコミュニケーションをすることで、これは副次的な効果であるんですけどかなり生産管理、需給調整の部分の精度が良くなりまして、劇的に本当に劇的にという言葉がピッタリだと思うんですけど、電話とファックス、さらにはメールでやっていた作業がクラウド上で会話するようになって、劇的に良くなりました。

 それで元々レタスを作って売っていた部門は、作った量はしっかりと定価で売り切れるようになっていって、年間数百万円分くらいのコスト削減効果が出たかなと思っています。

 ここで私考えたのですが、農業ってまだ電話とファックスが全盛なんですね。まだまだだと。考えると、クラウドの時代に新しい農業の姿って何かあるんじゃないかなと思ってこんな人参始めました。

 (通常より赤みの強い人参を手にとって)この人参、リコピンが多く入っている人参で、「こいくれない」っていう名前で売っています。

 今シーズンの出荷は来週から始まるので、是非皆さん食べて頂きたいんですけれども、すごく美味しいんですね。味が濃くて美味しいと。ただ曲がりやすくてすごく作りいくんです。だから市場に出した時に値段が付かない。かつ、一つの地域で作るには1か月くらいしか取れないので、中々地域単位の農業では流通に乗らないんですね。

 10年くらい前からあった品種なんですけど、中々世に出ない品種でした。でもこれってやっぱり今の農業の形に問題があると思っていて、地域と地域で個別に長野のレタスと茨城のレタスのどっちが美味しいかみたいな事をやっている業界なので、なかなかこういう野菜は流通しないんですけど、野菜って旬があるんですね。青森でしかできない時期があって、千葉でしかできない時期があるので、地域対地域じゃなくて地域と地域って重ねられるんじゃないかっていうのが、私がこの農業をやり始めてこの業界でやってみたいなと思った農業です。

 この人参まさにそういうテーマでして、私はですね、この人参を全国で流通できるようにするために生育状況、野菜ができるために必要な環境条件と収穫時期、野菜自身の成育の相関性を、5つの大学と一つの企業と一緒に研究をしました。

 その結果、大体センサーで温度を見て行けば、その有効積算温度で収穫時期の予測ができる。これはどこの地域でもできるんですけど、地域に限らず収穫時期を有効積算温度でわかるということが分かってきて、それをクラウド上に置いて収穫時期をみんなで見れるようにしています。

 畑にセンサーがついていて、畑から過去の履歴を元に予実管理、いつどこでどのぐらい取れるかっていうのをこのセンサーでクラウドにあげて、予実管理ができるというシステムを作っています。

 こういうシステムを作ることで広くいろんな地域で人参を栽培しているんですけれど、野菜って普通に作ると成分、味がばらつくって言われているんですけど、我々の管理下にある人参は、どこで作ったものでもばらつきのない栄養価を表示して売れるようなことができるようになってきています。

 なのでお客様に対しても、「形は保証しないけど、栄養価は保証する」というそんなシステムが出来てきています。今はですね、このシステムで全国の農家さんに作っていただいていて、いわゆる農家さんの地域毎の旬をくっつけて大規模な流通を作れるようになってきています。

 始めて今で4年。来週からは4年目の流通が始まるんですけども、今全国の都道府県で50人は作っていて、全体を我々の社員3人で管理しているんですが、6カ月間切れ目なく流通できるようになってきて、普通の人参の1.5倍の単価で80社、だいたい日本の30%近くの量販店で大規模に定価で売れる流通網を作っています。

 我々は、この生産管理もクラウドシステムを使っていて、このクラウド上でですね、畑でどのくらいの量が出来るかから、出荷予測、また経営という意味では売上げを見たいので、今期の着地までリアルタイムでクラウド上で見れるようなシステムを作っています。

 最後ですね、今までのが2つ目のステップだと思っていて、「こいくれない」まだまだ進化しています。やっぱりクラウドで見れるようになってきて、みんなちょっと興味を持ってもらうようになってきたので、今はですねSNSで「We loveこいくれない」のサイトを作っていて、サプライチェーンに関わる種屋さんから、生産者から流通から消費者までがここでみんなで集まって、いろいろ議論してるんですね。

 今このセンサーでみた人参このくらいできましたよとか。こういう料理したら美味しかったですよとか。こんな対応ができるようになってきてここでいろんな人が少しずつですけど情報発信するようになってきています。

 こうすることによってですね、今まで地域ごとに地域でやっていた農業がちょっとずつ繋がりができるようになってきていて、千葉の農家さんが、九州の方のインスタに出ていたあの機械見せて欲しいとかですね。あのさっきFacebookに出ていたあの料理、今度うちの店頭でやってくれないかとかですね、収穫を今度手伝いに行かせてほしいみたいな事が少しずつですね、オンライン上でのコミュニケーションで、新しい人参を通したコミュニティができてきているのかなという風に思っています。

 現場ではこんな感じでクラウドを使っているとはいえ、やっぱり農業って土地土地でやるものではあるので、我々はこのクラウドを使った農業で地域を超えた繋がりを作って、それがしっかり続けていける、成長産業になりうるこれからの農業のロールモデルになって行けるという風に思っています。

 ぜひこの我々の今のこの人参、「こいくれない」を通した農業が社会に広がって、次の他の品目にも波及していけばいいなという風に思っています。以上です。ありがとうございました。

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