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全国中小企業クラウド実践大賞

2019年度 コンテストレポート

全国中小企業クラウド実践大賞 全国大会開催

 2020年2月12日、東商グランドホール(現・東京商工会議所 渋沢ホール)にて「全国中小企業クラウド実践大賞 全国大会」が開催されました。全国大会では、和歌山、金沢、盛岡、長野、福岡で開催された地方大会に参加した中小企業・小規模事業者48社の中から選ばれた10社が、自ら推進する収益力向上や経営効率化を実現したクラウドサービス実践事例を発表しました。
 今回発表した10社の中から、総務大臣賞は株式会社atsumel(愛知県名古屋市)が受賞しました。
 クラウド実践大賞実行委員会では、今回受賞したクラウドサービス実践事例をはじめ、登録のあった事例(54件)について、当委員会の構成員が主催する中小企業・小規模事業者に対するデジタル化促進を目的としたセミナー活動等においてユーザ企業の取り組みとして紹介していきます。ぜひ皆様のクラウド実践の参考にしてください。

2019年度 全国中小企業クラウド実践大賞

2019年度 全国中小企業クラウド実践大賞

全国大会に登壇した皆様(登壇順)

株式会社atsumel(愛知県名古屋市)
日美装建株式会社(北海道札幌市)
松月産業株式会社(宮城県仙台市)
株式会社小松電業所(石川県小松市)
株式会社竹延(大阪府大阪市)
株式会社ジェイ・バン(富山県富山市)
株式会社マックスヒルズ(大阪府大阪市)
株式会社 航和(岩手県雫石町)
株式会社コスモテック(愛知県名古屋市)
ダイヤ精機株式会社(東京都大田区)

総務大臣賞

受賞:株式会社atsumel

クラウド実践により顧客情報を共有し、
ニーズを踏まえた営業で商談化率を向上

 不動産業界は、働き方改革やIT化が遅れていると言われている業界です。atsumelは、数年前まで業務のほとんどが紙ベースで、商談情報は営業担当者がそれぞれ紙で保管していました。
 課題解決のために、2012年にクラウド対応のCRM/SFAを導入し、2016年にはクラウド対応のMAも導入。アナログな情報管理の撤廃、営業プロセスの見直しを最大の目的としていました。具体的には、約1万人分の顧客情報をクラウドで一元管理し、顧客の属性に合わせた情報提供により、事業の拡大に成功しました。
 クラウド活用と組織改革により、2010年に14名だった社員は、2020年には132名に増え、拠点も1拠点から11拠点に増えました。また、商談数は129件から576件の4.4倍に増加し、休日は85日から117日の1.37倍に増えています。現在このノウハウを、ほかの不動産会社に展開する新会社も設立しています。

総務大臣賞:株式会社atsumel

日本商工会議所会頭賞

受賞:ダイヤ精機株式会社

クラウド実践による情報共有から生産性が向上させ、
強みである納期対応力を強化

 多品種少量生産の精密加工を強みとするダイヤ精機では、生産性低下の問題を抱えていました。理由は、若手と熟練の総加工時間の差です。特に図面を手にしてから機械を動作させるまでの段取り時間に圧倒的な差がありました。
 生産性向上には 現場の情報管理だけではなく、全社の情報共有が不可欠になります。そこでクラウド対応のグループウェアを採用。トップページですべての情報を閲覧できるようにしました。
 グループウェアでは、全社通知メッセージによる回覧板機能、名刺の一元管理、PADや携帯による図面の閲覧で図面を探す時間を短縮、PDCAによるプロジェクト管理などを活用。社員のモチベーションと生産性の向上を実現しました。

日本商工会議所会頭賞:ダイヤ精機株式会社

全国商工会連合会会長賞

受賞:株式会社航和

クラウド実践により事務作業の効率化で、
介護現場の離職率を改善

 介護現場では人手不足が深刻で、航和においては、2015年の離職率が28%に上っていました。原因を探ったところ「大変なのは事務作業」ということが判明。そこで、クラウドを活用した事務作業の情報共有を開始しました。
 以前は、伝達事項やケアプランなどを毎日コピーし、ヘルパーに配布したり、利用者別の情報ファイルを保管するスペースが足りず、検索に時間がかかったりと、課題が山積みでした。クラウドの活用により、アップされた情報を、すぐにスタッフ全員で共有でき、コメントや写真、音声などの利用で利用者の様子をリアルタイムに把握できるようになりました。
 また、利用者の基本情報や予定実績の管理、計画書作成、請求業務などのICT化、Bluetooth対応のデバイスによる朝のバイタル測定などの効率化を実現。2017年には、離職率を8%にまで削減しました。

全国商工会連合会会長賞:株式会社航和

全国中小企業団体中央会会長賞

受賞:株式会社コスモテック

クラウド実践により見積もり工数の可視化、
ミスや誤発注を防止し黒字化を実現

 日本とタイでプレス機械のメンテナンスサービスを提供するコスモテック。課題は、業務がすべて紙ベースで、勘と経験にもとづくものでした。見積書を作成しても、つくった本人しか中身がわからず、時間がたつと根拠も不明。部品の誤発注も多発しており、2年連続の赤字でした。
 こうした課題を解決するために、運用管理が不要なSaaSを採用し、意識することなくデータが共有でき、可視化できる仕組みを低コストで構築しました。
 また、故障個所推測の属人化を防ぐために、クラウドベースの「Cosmotec Predictive Maintenance Service(CPMS)」を自社で開発。プレス機械にIoTセンサを取りつけ、世界でも類を見ない4ミリ秒ごとにデータをクラウドに蓄積する仕組みを実現。インターネット経由で、世界中のプレス機械の状態をモニタリングできるようになりました。CPMSは、2020年中に外販を開始する計画です。

全国中小企業団体中央会会長賞:株式会社コスモテック

クラウド活用・地域ICT投資促進協議会理事長賞

受賞:株式会社ジェイ・バン

一人で営業から事務をクラウド連携で自動化し、
その仕組みを全国の自宅起業家と共有し収益化

 研修・コンサルティング会社のジェイ・バンは、関わるすべての人が自宅で働ける環境づくりを目指し、テレワーク実現のためのクラウドシステムを構築。まずはクラウド型コミュニケーション支援アプリ「伝え方ラボ」を2018年に開発し、企業研修中心のフロー型収入から1年更新のアプリ販売を行うストック型収入にビジネスモデルを転換しました。
 マーケティング、セールス、バックオフィスの業務フローはクラウドで標準化し、事務作業の多くを自動化しました。例えば、これまで1件につき30分かかっていたお試し版アプリの自動発行をウェブ受付からわずか3秒で自動返信したり、見積書の自動発行が60秒でできるようになりました。
 さらにオンライン会議システムを活用し、外注、スタッフ、代理店が連携し、セミナーや勉強会を開催。いつでもどこでも働ける環境を構築。1カ月間でオンライン説明会を12回開催し、広告費0円で368万円の売上を達成しました。

受賞:株式会社ジェイ・バン

クラウドサービス推進機構理事長賞

受賞:株式会社竹延

日本の建設現場をクラウドシステムで見える化し、
事務コストを削減

 竹延では、職人の勤怠管理や交通費の申請を、紙ベースで行っていました。そのため、誤字や字が汚くて読めない、期日までに集まらない、郵送された書類のチェックや手作業によるシステムへの入力が煩雑など、事務処理作業の負荷軽減が大きな課題となっていました。
 課題解決に向け、スマートフォンで職人の出面管理できるクラウドサービス「コネキャリ」を開発。スマートフォンを持っていない職人には、買い替えの資金援助を行い、多言語対応により外国人技能実習生も利用できるようにすることで利用率100%を実現しました。
 コネキャリにより、紙に比べて月間の作業時間を37時間から24時間に34%削減。年間100万円の労務費を削減しました。

受賞:株式会社竹延

日本デジタルトランスフォーメーション推進協会会長賞

受賞:株式会社マックスヒルズ

クラウド実践により15人の中小企業が
新規事業でゼロから市場を創出

 マックスヒルズの主なサービスは、チラシ、ウェブ広告、紹介キャンペーンなど。印刷通販市場の拡大で利益率が低下したことから、クチコミ紹介キャンペーンをスマートフォンとSNSで実施するアプリ「クチコプレミアム」の開発に乗り出しました。
 しかし、特許は取得したものの、認知度がない、さらには営業とバックオフィスの人員不足といった課題がありました。その課題を解決すべく、認知度向上のためにMAを導入して顧客ニーズを可視化。0件だった新規問い合わせ数が、2019年には162件に増加しました。
 人員不足では、クラウドAIによる営業支援を実現。営業のアポイント獲得率を0.5%から4%に拡大し、バックオフィスの請求・会計業務時間が48時間から24時間に削減されました。
 また、クラウドを活用した新たな価値の創出で、2017年度に499人だったクチコプレミアムの登録者数が、2019年度には2756人に拡大しました。

受賞:株式会社マックスヒルズ

審査員特別賞

受賞:日美装建株式会社

クラウド実践により現場情報を共有し、
清掃現場への訪問回数を削減して赤字を解消

 空調メンテナンスなどを行う日美装建では、エアコン清掃だけで年間4,000台の清掃を行っていました。課題は、現場数が多く、伝達不足が発生すること。ペーパー管理のため、保管場所が必要で、検索も困難でした。また、年間3,600件の清掃現場数のうち約10%が赤字案件でした。
 そこで、2015年にクラウドを導入。スマートフォンで現場の情報を収集し、清掃現場をリアルタイムデータで可視化できるようにしました。これにより、2018年には赤字案件が0件に。また、ワンクリックで請求書が出力できるようになったため、20時間あった残業時間がゼロになり、請求書発送も10日から3日に削減されました。
 次に、空気中の二酸化炭素濃度や温度、湿度、PM2.5などを可視化するIoTセンサを導入。空気を見える化することで、エアコンの故障やメンテナンスの効率化を実現しました。

受賞:日美装建株式会社

受賞:松月産業株式会社

クラウド実践により見積もり工数の可視化、
ミスや誤発注を防止し黒字化を実現

 JR仙台駅を中心に、13店舗のビジネスホテル グリーンチェーン仙台を展開する松月産業。クラウドの必要性を感じたのは、2011年3月11日に発生した東日本大震災の経験からでした。震災翌日から営業を再開するも、そのときに限りサーバーがダウン。数カ月間、手作業での宿泊業務を強いられました。そこで2012年に、ホテルの基幹システムをSaaSに移行。全スタッフの情報共有と業務内容の見える化を目標にクラウド化を推進しました。
 基幹システムでは、13店舗を1つのホテルとして見える化ができるので、ホテル全体の客室稼働状況が把握できるようになり、効率的な営業が実現しました。
 これにより、2014年に比べて2018年の売上が110%、客単価110%に拡大。以前は約5日かかった月末締めが半日でできるようになりました。

受賞:松月産業株式会社

受賞:株式会社小松電業所

クラウド実践のスモールスタートで
スマートファクトリー・スマートワークを実現

 多品種少量、多工程一貫生産が強みの小松電業所では、工場・事務所が点在し、生産性が低下していました。そこで、生産性改善を目的にIoTを、円滑なコミュニケーションを目的にグループウェアを、業務プロセスの効率化を目的にワークフローを導入。
 生産性改善では、IoTセンサで塗装ラインの情報を収集し、クラウドで一元管理することで稼働状況を見える化。ボトルネックを発見することで、改善が進み、生産性が向上。サイクルタイムと稼働率が各10%改善し、夜間の残業がなくなりました。
 間接業務では、クラウド対応のグループウェアやワークフローなどを活用。チャットツールの活用により、コミュニケーションが円滑になり、年間で1,120時間、金額換算で約200万円の削減に成功しました。

受賞:株式会社小松電業所

2019年 受賞企業の取り組み (スライド)はこちら >>

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